「20!」
ルイ・アントンから潤いの化粧水を購入し、自分の部屋に戻ると、エリサが怒りながら待っていた。
「お嬢様?」
「お、おはよー!エリサ!」
「ここに来た時にお嬢様がいなかった私の気持ちを考えたことはありますか?」
「あ、と、その、化粧水を」
「は?」
「いや、あの、化粧水を」
「は?」
「ル、ル、ルイ・アントン様からー化粧水を買ってましたー!」
「…………なぜ、この時間に」
「この後姉様に献上するために決まっているわ」
「はぁ…………紅茶飲まれますか?」
「飲む」
朝からたくさんため息をつかれている私は一旦休憩をする事にした。
「あ、エリサ、これあの。ステータスの更新したやつ」
「ああ、例のあれですね?」
「そう。なんかね、増えてて」
「増える?」
見ながら、本当に人が増えてますね……と言いいつつ目を通していくエリサは全てに目を通したのか私に日記帳を戻す。
「もしかしたらこの[????]の1人は同一人物なのではありませんか?」
「え!?同一人物?!」
このメンバー全員に好かれる可能性を秘める人物とは一体。しかし、同一人物だと考えるとこの方以外の攻略者?が、出てきた時に解放されるというのは納得できる。
というよりも攻略者。
攻略。
私目線だと、姉様が殿下を攻略しているつもりだったけれど、殿下からも攻略されてる?
「うーーーん?」
でもそれなら姉様のあの数値は何。既に攻略されてしまっているということなのだろうか。
それはなんか、なんというか。くやしい。
私の姉様を奪われる気がするのも嫌なのに、出会って間もない姉様を取られるなんて、嫌な感じだ。
「お嬢様、そろそろキッチンが使えるお時間になるのでは?」
「あ、ほんとだ」
まず姉様を誘いに行って、クッキーを作って、どれくらい数値が上がるのかを確かめたい。
そして何回か作ってからマフィンとやらを作らないといけないのだ。
よし。
「エリサ、姉様のとこに行こう」
姉様は一緒に作る事に承諾してくれたが、準備をしてから向かうとの事で先にキッチンに向かう事にした。
「あれ、妹じゃん」
「リューだ」
「何しに行くの?」
「…………っとぉ、」
この先にあるのはキッチンと、男性寮のみ。クッキーを作る事を言って、何故令嬢が料理を作るの?思われて殿下攻略するのかと思われるのも嫌だし、
下手に欲しいとか言われるのも嫌だな。
「…………ちょっと塩を拝借しに」
「…………は?」
「………………」
「え、待って。誤魔化すの下手すぎじゃない?大丈夫?」
全然大丈夫ではないのだけど顔を背ける。
「あの、誤魔化されといて?」
「ふーん。まぁ、今度、聞くわ」
じゃ、と言いながら普通に 去っていったリューを見る。そう言えば始めから彼のことはリューと呼び捨てで呼んでいるが今から様をつけた方が良いのだろうか。
そもそも彼は殿下などに対しても全く態度を改めていない。一体どんな立ち位置なのか。
「…………」
「お嬢様、男性寮の前に立ち塞がっております。早くキッチンに入りましょう」
「あ、それはまずい」
素知らぬ顔でキッチンに入り、クッキーを焼くための準備をはじめた。
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