プロローグ
誰もいないビルの屋上、辺りは真っ暗で下に電灯の光が見えるだけ。
「はぁっはぁっ!……あ゛っ!」
どうしてこんなことになったのか。
さっき転けて捻ったのか、痛みがあって足が動かせない。
そして後には、俺の反応を楽しむようにわざとゆっくり焦らすように迫る殺人鬼。
「っ嫌だ!…死にたくない!!!助けてくれぇ!」
動けないことで俺はついに殺人鬼に追いつかれてしまった。
恐怖でガタガタ震えながら必死に助けを求める。
「あれ、もう終わりかよ?頑張って逃げ回ってたし、もっと楽しませてくれるかと期待したのに……ちょっと残念。」
俺は「ひぃぃっ」と情けない声を上げる。
殺人鬼は俺の頬をそっと撫で、ニコリと笑った。
「まぁ、そうやって怯えてる顔見てるのもたのしーけどけど」
「ひっ…あっ、お……お前一体なんなんだよ!!お、俺が何をしたっていうんだ!」
相変わらず震え続けていて、かっこよくも何ともないが精一杯睨みつけて言った。
殺人鬼は一瞬きょとんとしてから楽しそうにあははっと笑って
「ふふっお前やっぱり面白いな、気に入った。いいよ、時間までまだあるし教えてあげる。」
…………最低な死神の話を。