表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウラメン  作者: カガワ
14/16

RPGという退屈の境界

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「どうされました、感激して言葉もでないですか?」

「あ、いや、思ったよりまとも?な気がしているのよ」

「で、でもこれバッドエンドじゃないですか?」

「い、いちおう未来を想像する余地はあるポン」

「えぇ、解釈は各々に任せてあります」

 それに、ストーリーとキャラクターの大幅カットにより、諸経費も減らしていますよ。とウラメンが付け加える。


「えぇー、でも、これ君が言ったように本当に面白くなっているかは、ぼくぁ、疑問だなぁぁ」

 若い頃の主人公の姿として一瞬登場した元主人公がウラメンをねめつける。

「なんかぁ、斬新でぇ、金の払う価値のある物語にするとかぁ、大口叩いていたよねぇ」

 卑屈にへっへ、と笑う元主人公にかつての快活さはかけらも残っていなかった。

「えぇ、『そうするため』に私はここにいます。ですが、それを判じるのはあなたでも、私でもありません」

「あれあれぇ?面白いって万人が面白いと思わないと面白いってことにならないんじゃないのぉぉ?ねぇ、みんなぁ!」

 げれげれと、元主人公は空に笑う。

「私っ、もぅ、みていられません」

「私もよ、何が彼を変えてしまったのかしら」

「醜いポン」

 かつての仲間たちは目を覆い彼の姿を嘆くが、ウラメンはなんとも思わないのか、変わらぬ様子でうなずいている。


「では、もぅ、終わりですし、ウラメンをみせましょうか」

 そういうと、ウラメンは後ろ手に手を伸ばし虚空を掴む。

  カーテンを掴むように何かを掴んでいるのだか、その手にはなにも見えない。

「さぁさ、これがこの世界のウラメンですとも」

 ウラメンは恭しくお辞儀をしながら、一気に手を引き抜く。


 舞台の背景が剥がれるように世界が剥がれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ