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ウラメン  作者: カガワ
12/16

RPGという退屈の果て

「ついに、俺か・・・」

「安心してください、地味な親友さんはもぅ決まっています」

 リフェンテの返事を待たずにウラメンはペンを降った。そこには、顔の真ん中にパーツが集中したうえ、目が飛び出ているとしか言い様のない大きさの、出っ歯のネズミのような不気味な生物がいた。背中からはトンボのような羽がはえ、金色の粉が舞う。

「え、モンスターだポン?」

「マスコット要員です」

「ま、マスコットだポン?これが、ポン?」

 すでにまともに言葉さえも紡げないリフェンテだったものは、ぶぶぶぶとハエの羽音をさせながら浮かんでいる。

 きもっ!と言いながら、マキアとメルティーナが戻ってきた。

「あんまりだポン」

 飛び出した目玉からポタポタと涙がこぼれる。

「僕ちゃんは前も一瞬で死んで、今回も一瞬で創り変えられて、あんまりだポポーン」

 自分より悲惨なものをみた元主人公が笑いながら近寄ってくる。


「ちょっと、さらに変なお荷物増やさないでよ!」

「まぁ、マキアとメルは能力的には変わっていないけどね、男たちがね・・・」

「儂はまだまだやれるぞい」

 ぶふっと、元主人公が吹き出す。リフェンテは短い前足のようなものでその頬を殴り飛ばしたが、何の力もない。

「もぅ、嫌よ、こんなの」

「僕ちゃんは、諦めないポン!」

 ポポポポポといいながら元主人公の顔を殴り続けるが、顔のマッサージでしかない。

「もう、終わりですよ・・・」

 顔を覆っていた手を下ろし、メルティーナがかすれた声で呟く。決して大きな声ではないのだが、皆が彼女に注目した。

「もぅ、終わってますよ、この世界」

 その言葉をうけ、ウラメンは恭しく頭を下げた。

「そのとおり!世界は終わっているのです!

 さぁさ、はじめましょう、やっと終わりなのですから」


 瞑目せよ、語るは尽きた

 瞑目せよ、この世界の果てを


 観劇せよ、終演を

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