RPGという退屈の果て
「ついに、俺か・・・」
「安心してください、地味な親友さんはもぅ決まっています」
リフェンテの返事を待たずにウラメンはペンを降った。そこには、顔の真ん中にパーツが集中したうえ、目が飛び出ているとしか言い様のない大きさの、出っ歯のネズミのような不気味な生物がいた。背中からはトンボのような羽がはえ、金色の粉が舞う。
「え、モンスターだポン?」
「マスコット要員です」
「ま、マスコットだポン?これが、ポン?」
すでにまともに言葉さえも紡げないリフェンテだったものは、ぶぶぶぶとハエの羽音をさせながら浮かんでいる。
きもっ!と言いながら、マキアとメルティーナが戻ってきた。
「あんまりだポン」
飛び出した目玉からポタポタと涙がこぼれる。
「僕ちゃんは前も一瞬で死んで、今回も一瞬で創り変えられて、あんまりだポポーン」
自分より悲惨なものをみた元主人公が笑いながら近寄ってくる。
「ちょっと、さらに変なお荷物増やさないでよ!」
「まぁ、マキアとメルは能力的には変わっていないけどね、男たちがね・・・」
「儂はまだまだやれるぞい」
ぶふっと、元主人公が吹き出す。リフェンテは短い前足のようなものでその頬を殴り飛ばしたが、何の力もない。
「もぅ、嫌よ、こんなの」
「僕ちゃんは、諦めないポン!」
ポポポポポといいながら元主人公の顔を殴り続けるが、顔のマッサージでしかない。
「もう、終わりですよ・・・」
顔を覆っていた手を下ろし、メルティーナがかすれた声で呟く。決して大きな声ではないのだが、皆が彼女に注目した。
「もぅ、終わってますよ、この世界」
その言葉をうけ、ウラメンは恭しく頭を下げた。
「そのとおり!世界は終わっているのです!
さぁさ、はじめましょう、やっと終わりなのですから」
瞑目せよ、語るは尽きた
瞑目せよ、この世界の果てを
観劇せよ、終演を