藍沢と田中 其の七
次の日の朝。
ホールに2曲ピアノ曲が響き渡った。
そして、カンファレンスに出ると、三井先生が息子の検査に付き添うために休みになった為、藍沢も田中も出勤することになった。
藍沢「大丈夫か?」
田中「うん。大丈夫」
そして、2人はお互いの持ち場に行った。
10時頃…
藍沢は救命にいた。
そこに受け入れ要請の電話が鳴る。
電話に出たのはもちろん藍沢だ。
その横には名取がいた。
藍沢「こちら翔南救命センター」
救急隊「こちら市原消防。線路転落の20代女性。頭部から出血あります」
藍沢「わかりました。受け入れます」
救急隊「ありがとうございます。向かいます」
藍沢「急変があったらまた伝えてください」
救急隊「はい」
そして、1度電話を切った。
藍沢「名取、橘先生と田中に連絡入れといてくれ」
名取「わかりました」
藍沢「意識不明なら何が原因かわからない。エコーの準備しといてくれ」
大野「はい」
その頃、連絡を聞いた橘と田中はエレベーターの中にいた。
橘「お前はフェローの指導、ちゃんとやれてるが、フェローのミスを全部1人で被ってたら身が持たないぞ」
田中「この前の今井先生のですか」
橘「あぁ。気をつけろ」
田中「はい」
今井は先日、見落としがあり、橘や理事などにきつく言われたのであった。
謹慎、1週間が言い渡されていた。
あと1時間発見が遅れれば患者は死亡していた。
橘「それと、薬局から確認がきてて、お前が今井に出してる睡眠薬、ちょっと量が多いぞ」
田中「睡眠薬?」
橘「出してないのか?」
田中「はい…」
橘「今井は?」
田中「今日は午後からです」
そこに名取から無線が入る。
名取「先ほどの線路転落20代の女性、間もなく救急車到着します」
橘「俺が救命の方は行くからお前は今井に確認とれ」
田中「はい」
そして、エレベーターを2人が降りた
田中が今井に電話をかける。
何度かコール音がなってやっと出た。
田中「あ、今井先生。ごめんなさい。今日、午後からだよね。あの…」
すると、電話の向こうから聞こえてきたのは
藍沢「藍沢だ」
田中「えっ?あ、ごめんなさい。かけ間違えた」
藍沢「今井だ。今井が運ばれた」
田中が急いで初療室に行くと、藍沢・救急隊に付き添われ、ストレッチャーにのせられた今井が初療室に運び込まれた。
救急隊「ホームから転落の20代女性。頭部から出血あり。意識レベル3桁です」
すぐに治療が始まる。
田中「今井先生…」
そして、治療が終わった。
今井は奇跡的に助かった。