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妹勇者は魔王よりも兄に会いたい!  作者: 狼猫 ゆ狐
妹勇者はミランの風を感じます
22/29

ギルドに登録

説明回になります。上手く伝わればいいんだけど。


「あらためて、冒険者ギルドにようこそにゃ!」


 港町ミランの冒険者ギルドの受付嬢、シャルはクテイとルキリヤを受付にて歓迎する。


「ん」


「あ、はい。どうも」


 二人の反応は薄い。

 テンション高く応える方がおかしいのかもしれないが。


「もー! 二人とも暗いにゃ」


 シャルはぷりぷりと怒る。


「まあ、いいにゃ。それじゃあそっちのルキリヤちゃんの登録だよにゃ。クテイちゃんの登録はしなくても?」


「ん。既にしてある。ランク上げはしてないけど」


「そっかそっか。了解にゃ。暇なときにでもランクは上げてもらえるとギルドとしては助かるにゃ。よろしくにゃ~。

 ところでルキリヤちゃんに説明は?」


「ん。まだ。一応してあげて」


「了解にゃ」


 シャルはクテイからルキリヤに向き直り、


「それじゃあギルドについて説明するにゃ。まあ、知ってるかもしれにゃいけど、確認だと思って聞いてほしいにゃ」


「あ、はい。分かりました」


「まず、冒険者っていうのは便利屋や何でも屋みたいなもんにゃ。

 仕事は村民、町民の人達のお手伝いみたいなことから魔物の討伐まで多岐にわたるにゃ。

 そして仕事は大きく分けて二種類あるにゃ。誰かからの依頼、もしくはギルドからの依頼にゃ。後者は魔物を間引いてくれとか、そんなのが多いにゃ」


「ギルドから依頼があるんですか?」


 黙して聞いていたルキリヤはふと疑問に思ったようだ。


「あるにゃ。薬草取ってきてーとか魔物を狩ってきてーにとかゃ。後、何か事件が起きたときに緊急依頼として出したりにゃ~」


「緊急依頼?」


「緊急依頼にゃ。ギルドの機能のほとんどをストップしてその依頼の達成を目指すのにゃ。冒険者は半ば強制参加にゃ。ただ、報酬はいいんにゃよ?」


「そんなのあるんですねー。例えばどんな時に緊急依頼が?」


「そうだにゃ~…………魔物の集団とか強力な魔物が町に襲来とかかにゃ?」


「なるほど、分かりました。続けてください」


 クテイはつまらなくなったのか、異空間から変な物を取り出して点検をし始めている。怪しげな物はぴっこぴこはんまぁ先輩だけではないらしい。


 ルキリヤとシャルは気になるようで、チラチラと見ているが、構わず話を続けることにしたようだ。


「えーっと、依頼自体には適正ランクがあるにゃ。冒険者ランクがどのくらいの冒険者が適正かってことにゃ。この適正ランクのプラマイで一ランクまでの冒険者しか受けられないにゃ。

 例えば、適正ランクCランクの依頼は冒険者ランクDランクか、Cランクか、Bランクの冒険者しか受けられないにゃ。

 それと、知ってると思うけど、冒険者ランクはEランクからXランクまであるにゃ。それに合わせて魔物にもランク付けがされてるにゃ。同じランクの魔物と冒険者で戦えば冒険者がギリギリ勝てるかどうか。パーティーを組めば狩れるってところにゃ」


「でも、ランクは低いけど強い人とかいますよね? 魔物のランクと冒険者のランクとで連動するものなのでしょうか? 皆が低ランクのままでいるかもしれないんじゃ?」


 ルキリヤは遊び始めたクテイをチラ見して言う。


「あー、それはあるにゃ。でも、ランクが上がるのは名誉なことにゃ。権限も増えるし。Sランク以上にもなると二つ名がつくし。だから大抵は皆ランクは上げようとするにゃ。

 なので基本的には連動するにゃ。まあ、そのランクのなかでも下位の魔物と上位の魔物とじゃ全然違うというのもあるからあくまでも目安にしてほしいにゃ」


 シャルもクテイの実力が高いことは分かっているので納得したように言う。


「それと、魔物の討伐は冒険者カードに記入されるにゃ。冒険者カードは魔道具になってるからにゃ。緊急依頼とかも冒険者カードに連絡がいくにゃ」


「へー、冒険者カードって凄いんですね!」


 素直に感心するルキリヤ。


「そうにゃ。身分証明にも使えるしにゃ。普段は体の中に収納出来るにゃ。魔道具だしにゃ。

 ああ、ギルドが冒険者を管理したり束縛したりするのには使えないにゃ。討伐した魔物も、カードをギルドに提出しなきゃ分からないにゃ。」


 疑り深い人や、秘密主義の人もいるから念のため、と付け足す。


「ん。ギルドは健全な組織。まぁ、冒険者全員が健全かは別として」


 クテイは怪しげな物をしまうと話に参加してくる。


「そうにゃ。ギルドはどの国からも独立した機関だにゃ。だけど、総力としては国よりも大きな力を持ってるし、ギルドに手を出したらその恩恵を受けている他の国からも睨まれることになるにゃ」


 そう、ギルドは魔物退治をしたり、時には国からの依頼も受けている。なので国は自分の国にもギルドを設置してもらうために資金援助する。

 そして、ギルドに手を出すということはギルドのある国も敵にまわすということ。そんな国はそうそういない。

 ギルドとは完全に不可侵の特殊な組織なのだ。


「っと、そんなもんかにゃ。何か質問はあるかにゃ?」


 あらかた説明を終えたシャルはルキリヤに聞く。


「ん~特には…………あっ、そうだ。あのさっきのグラムさんって二つ名ってあるんですか? Sランクですもんね」


 ルキリヤはさっきの強面だが気のいい大男を思いだす。


「あるにゃよ? 優しい海鬼(かいき)にゃ」


「ふ、二つ名ってそんな感じなんですか……?」


「二つ名って言ってもマチマチにゃ。なんとかにゃにゃににゃに、とか。にゃににゃに、とか。」


 にゃーにゃー紛らわしいが、つまりは○○な○○。もしくは○○とか、二つ名も色々あるということだ。


「有名なのは死神とか、戦場の花とかかにゃ?」


 色々とシャルは例を出していく。そのなかにはルキリヤも知っているような名前も。


「二つ名も色んなのあるんですねー」


「そうにゃ。ルキリヤちゃんも二つ名がつくように頑張ってにゃ~」


「ギルドの説明はこんなもんかにゃ。他にもランクごとの権限とかあるんにゃけど、それは長くなるからこのパンフレット見てにゃ。

 っと、こんなもんかにゃ。それじゃあ登録するにゃ。この水晶に手を置いてほしいにゃ。情報を読み取ってカードを作るにゃ。犯罪歴も分かるから気を付けてにゃ~。まぁ、ちょっとした軽犯罪なら見逃されるにゃから大丈夫」


 シャルはルキリヤにパンフレットを差し出すと、

 何処から取り出したのか、台の上に水晶が設置されている道具をカウンターに置く。


「はい」


 ルキリヤは水晶の上に手を置く。


「…………っと、オーケーにゃ。それじゃあカードが出来るまでこの書類を書いてほしいにゃ。…………ここまで犯罪の全く無いのも珍しいにゃ。人間生きてたら多少は罪を犯すのに」


 純粋なのかにゃ? というシャルの呟きは書類を書くルキリヤには届かなかったようだ。


「……よし、書き終わりました!」


「うん…………完璧にゃ。それに丁度カードも出来上がったようにゃ」


 水晶の下の台から、チーンという音がするとカードがベーッと出てきた。


「これでルキリヤちゃんも冒険者にゃ。Eランクから頑張って高ランクを目指すにゃ!」


 シャルがルキリヤにカードを手渡す。


「これが私の……」


 ルキリヤは自分の手に持つカードを感慨深げに眺める。


「ん。おめでと、ルキリヤ」


「あっ、はい!」


 嬉しそうに笑うルキリヤ。


「それじゃあ、早速何か依頼を受けるかにゃ?」


 シャルがルキリヤに聞く。


「ん。ルキリヤ、ランクはEランクより、Dランクのが、便利。上げるべき」


 クテイがルキリヤに助言する。


「あっ、そうなんですね。それじゃあ、早速何か依頼を受けようかと思います」


「了解にゃ!」


 それからルキリヤは、クテイとシャルにオススメの依頼を探して貰った。

 クエスト(依頼)の貼ってあるボードもギルド内にあるのだが、登録したばかりの新人は受付嬢から適した依頼を勧められることもあるらしい。

 いきなり身の丈にあわない依頼を受けないように最初だけの補助のようなものだ。もちろん、断ることも出来る。

 お世話好きの受付嬢の習慣のようなものだ。



「うん、依頼を受注したにゃ。それじゃ気を付けてにゃ!」


 Dランクに上がるに丁度いい依頼を受けたルキリヤ。


「はい! 行ってきます!」



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