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指摘により直しました
ごねんね→ごめんね
あの電話の後、朝御飯を食べて携帯と念のため夏休みの宿題を大きめの鞄に入れて、すぐ近所にある亜美の家に向かった。
柴崎亜美は幼稚園の頃からの友達で幼馴染。幼稚園の時に目が見えていないからと言う理由で、他の子達からからかわれていて、独りぼっちの所をてを差し出して「一緒に遊ぼう」と、初めて遊びに誘ってくれたのが私の大親友亜美だ。
幼稚園、小学校、中学校、今通っている高校も一緒で中学校でのあだ名が私の介護士と言われて、男子からからかわれていて皆からハブられていた。
亜美が風邪で休んだ日に皆が来ていない事に少しだけ嬉しそうにしていたから、ちょっとだけ怒った。そうしたら亜美へのからかいも無くなって、ハブられることも無くなった。
その後、何故か私が話しかけると蛇に睨まれた蛙のように固まって脅えていた。何かしたかな?
ガチャ
「やっと来たわね、さあ早く私の部屋に来なさい」
「え、ちょっと待ってよ、引っ張らないでよ行くからさぁ」
何なんだろう、何時にもまして元気一杯だな。何か良いことでもあったのかな?
「じゃあ話すよ、さとちゃん君」
「はいはい、何ですか?亜美さん」
「実はね、手に入ったんだよ!!」
「何が?宿題の答えを教えてくれる機械?」
「違うよ!!宿題はさとちゃんに教えて貰うし。それに手に入れたのはゲームだよ!」
「何のゲームなの?」
「ふふ、それはねぇ....」
そう言って亜美は箱のような物を取り出した。
「明日からサービススタートする新感覚フルダイブ型VRMMO《Traveling World Online》だよ」
「VRMMO?」
確かたまにテレビとかラジオで流れている軍や医療技術で使われているVRシステムを、ゲームに組み入れた最新のオンラインゲームだったかな。
「実はねあたし、このゲームのβテスターだったのよ。その特典でVRゲーム機が貰えてさぁ、それにゲーム機が当たる雑誌の抽選に応募したら当たったのよ!だから、さとちゃんにひとつあげる」
「え!?いいよいいよ、そんな良い物私には勿体無いよ!」
「良いって、あげるよ。それに此があれば、さとちゃんに外の風景を見せてあげれるからさ!!」
「え、それってどういう意味?」
「実はね.....」
亜美の説明によると、VRシステムを使った視覚障害者が風景を見ることが出来た。
理由は、機械を付けている人の前にある風景を機械が直接脳に風景を認識させているからだそうだ。
今回出たVRMMOでもゲームの中の出来事を同じように、脳に直接認識させて運動神経の動きかたによってゲームでの体を動かしているようだ。
これを使えば私も風景を見ることが出来るように成るかもしれないと、亜美は思ったそうだ。
でも......
「亜美、嬉しいけど...私の視覚障害は視覚神経とかが悪いとかじゃなくて、視覚情報を認識する器官が無いの。その変わりにそこには物事を把握くる器官が余計に多くあるんだけどね」
「そうなの、なんか..ごめんね...」
なんか悪いことしちゃったようで、罪悪感があるなぁ。亜美も落ち込んでいるし、何か良い方法は無いかな.......そうだ!
「ううん、謝ることないよ。ねぇ亜美、そのゲームの中って現実と全く同じで音とか空気の流れとかあるの?」
「え?あ、あるけど」
「じゃあ、音声で認識したり質問したらちゃんと声で答えたりする機能ある?」
「あるよ。声に出しちゃっただけで勝手に喋るから普通では機能をOFFにしているけど、どうしたの?さとちゃんさっきから」
「もしかしたらゲーム出来るよ、亜美。このゲーム機1つ貰うね」
亜美にそう言って私は家に走って帰った。確かゲームのサービススタートは、明日だったかなぁ。
私は多分今まで一番の笑顔をしているかも知れない。
あぁ~、明日が楽しみだなぁ。