第11話 激戦
タイトル、いい感じに変えると思います。よしなに。
俺が土属性の間脳を使用し、簡易な槍を作ると、魔王もまた同じように|対抗≪レジスト≫する。
土で槍を形成し、固める。通称|土槍≪アースランス≫。
魔王もまた土槍を形成するが、だが魔王は戦闘経験に乏しいと言わざるを得なかった。
一五七回の転生でひたすら戦闘を続けた俺の方が、圧倒的に格上だった。
魔王が土槍を形成し俺に向かって射出するが、俺は魔王に土槍を射出するだけでなく、魔王の足元からも土槍を上方へと五つほど射出する。
「なっ!?」
魔王は足元の土槍を避けること叶わず、片足を失った。
やはりまだまだ青臭い。戦闘経験が浅すぎる。下級魔族を無下に扱い小さな集団の中で胡坐をかいているからこうなるんだ。
だが、やはり魔王も魔王というべきか、包含する魔力量は目を見張るものがあった。
片足を失ったのにも関わらず魔王は無理な体勢から雷撃を飛ばす。
「嘘だろ…………!?」
思いもしない魔王の反撃に一瞬反応の遅れた俺は、片腕に雷撃が直撃し、炭化した。
「貴様ぁ、まだ私に抗うか!?」
魔王の魔王たる所以――
それは、魔王の包含魔力に起因する。
魔王の放った雷撃は俺の片腕に直撃した。そこまではまだよかった。だが、魔王の魔力が片腕を通じて俺の体内に侵入し、内部から俺を破壊する。
「うっうあっ…………」
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い。
炭化した片腕はぼろぼろと崩れ、地面に落ちる。
「あああぁぁあぁぁっっ!」
魔王は裂帛の気合と共に俺に驀進し、両腕に雷撃を纏い、俺の体表を抉っていく。
「あああぁぁぁっ!」
「うっ!」
痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
俺の体表に魔王の拳の痕がくっきりと残り、だんだんと俺の体表を抉っていく。
――が、歴戦の戦闘が俺と魔王との勝敗を分けた。
後先を考えずに驀進した魔王は攻撃一辺倒となり、足元をおろそかにした。
それを見逃すほど俺は甘くはない。
俺は痛みで意識を失いかけるも、魔王の足元にこっそりと土槍を形成する。
そして――
土槍を上方へと跳ね上げた。
ただでさえ足を一本失った魔王は突然の土槍に反応出来ずバランスを崩し、地面へと衝突する。
俺は朦朧とする意識を必死に保ちながらも、拳に雷撃を纏わせる。
「お返しだ……ボケが……」
「やっやめっ」
裂帛。
俺は魔王の体に殴打を繰り出す。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっっっっっ!」
「止めろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉ!」
一〇発。
「ああああああああぁあっぁあぁ!」
「うああああああああああああぁぁぁぁっ!」
五○発。
「ああああぁぁぁぁ――」
――……
一〇○○発
「あぁ……あ……」
「……………………」
一〇○○発。
千発、殴打を繰り出した。
魔王の体は粉々に砕け、もはや原型を保っていない。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ!」
勝った。
勝った、駆った、狩った、刈った。
勝った。
魔王に、勝った。
復習を、完遂出来た。
良かった。
これで俺の人生は……
「貴様が魔王か。死ね」
「…………は?」
突如、俺はそこで意識を失った。
俺は恐らく人生で最後の、暗闇へと放り出された。