エピローグ
「私、太ってますよね?」
彼女はそうやって聞いた。
困った。
「太りましたよね?」なら比較だから答えられるけど、基準が何かわからない。
困り果てて質問した。
「ダイエットしたいの?」
「しなきゃいけないかなって思ってます」
難解な答えだ。
でも、小心者の私は考える。相談されたんだから、真面目に答えなきゃ。
「うーん。じゃあ『一時間運動』と『一時間大好きなテレビ番組』どっちかしかとれないならどっちとる?」
「『テレビ』かな」
答えはわかった!
「じゃあ太ってない!」
私はきっぱり言い切って、
「じゃあって……」と困惑している彼女を置き去りにした。
『太っている』とストレスを抱え、『ダイエット』でまたストレスを抱え、『痩せない』とストレスを抱える。
それで毎日幸せなのか。
ならばいっそ最初から太っていない事にしてしまえばいい。
彼女が太る事も痩せる事も、彼女以外の他の誰にも左右出来ない。
ダイエットか他の事か、どちらかをとらなきゃいけない場面でも、選択権は彼女にある。
世間がなんといおうとも、あなたの基準はあなたが決めればいい。
そうすれば無用なストレスは抱えずにすむ。
だって、太ってないから痩せないんだから。
『うぷぷ。いる、いる、こういう人』って作品にしたかったのですが、ちょっと毒気が強かったかも……そこは笑ってご容赦ください。さぁ、作者もダイエットです。もちろん『明日から』、ね(笑)