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   ・同志よッ!!

 

   ---<戒視点>ーーー


 とりあえずリルチェ王女の馬車に乗せてもらった俺たちは、目下大変な問題に

 直面していた。・・・しいていうとあれだ。車のクッションに慣れている現代人

 が馬車に乗ると必ず通らなければならない試練だ。つまり何がいいたいかというと、


「ケツが・・割れる・・」

「これは、・・・キツイね。」


 固い床でしかも道が悪い。馬車が揺れるたびに跳ねるから、こっちとして

 はたまったもんじゃない。二人で何とか耐えてると、レッドが話しかけてきた。


「戒、だっけか?聞きたいことがあるんだが・・」

「何だ、レッド・・さん?」

「レッドでいい。・・・あのな、間違ってたらわるいんだが、」

「早く言えよ」

「お前、女・・・なのか?」

「は?いやいや、何いってんの?俺はおとk「すごいッ!良く分かったねっ!!」


「「・・・は???」」


 俺とレッドは、蓮が言ったことを一瞬、理解出来なかった。二人して固まってると

 蓮がどんどん続けた。俺にとってむしろ迷惑な事をガンガンと。


「一発で見分けた人初めてだよねっ!戒はいっつも自分の性別に無頓着だから、僕と

 してはもう少し、女の子っぽくしてもらいたいんだよね~」


「・・テメェ何いってんの、何言ってくれちゃってんのっ!隠しといたのにッ!!

 勝手にカミングアウトしてんじゃねェッッッッ!!!!」

「ごめんごめん~」


 全く反省の色が無い蓮の声を聞いたとき、俺の中の何かがキレた。


「・・・おい、蓮」

「なっ、何かな、戒?」

「・・・・・・。」

「かっ・戒?」

「・・・テメェ、歯ァくいしばれ」

「・・戒?えっと、本気?」

「マジに決まってんだろ。」

「ちょっと待ってッ!!話せば分かるからっ!!」


「いいから・・・おちろ」

「ぐはっ・・・(バタリ)」


「・・・ふう。すっきりした!」


 一連のやりとりが終わった後周りを見てみると、皆なんとも言い難い顔でこちらを

 見ていた。俺はそれに対して曖昧な笑顔で返した。・・車内の空気が若干気まずくなって

 きたとき、レッドが俺に問いかけてきた。


「で、話の続きってなんなんだ?・・そいつを眠らせたのはそういうことだろう?」         「話が早くて助かるよ。・・・さっき言ってた記憶の抜けっていうのは嘘じゃない。」

「十歳から今までっていうあれか?」

「正確に言う十歳から十二歳までの二年間だがな」

「そりゃまたなんでだ?」

「・・・俺たちは十歳のとき、両親をある事件で亡くしている。多分、そん時のショック

 で抜けちまったんだと思う。」 

「ずいぶんと割り切ってるんだな」

「あいにく、俺は蓮と違って図太いんだよ。で、ここからが本題だが」

「なんだ?」


「どこからきたのか分からないって言うのは嘘だ。俺たちは自分がどこに居たのかは覚え

 ている。だがな、どうやってココに来て、ココがどこなのかが分からないんだ。」


「・・・・は?」


「つまり、簡単に言うと、どうやら俺たちは違う世界から来てしまったらしい」


「「「・・・はぁぁぁぁっっっ?!!!」」」

「うぉっ!声でかいなッ!」


「えっ、じゃ、じゃあなんだ?二人は異世界人なのか???」

「まあ、そうなるな」

「なんでそんなに落ち着いてんだよ!!」

「いやだって・・・最初がインパクトありすぎたし」

「まあ、確かにな」

「あと何と言うか、慣れてるからな。こういうのに」

「・・へ?」

「いや、このクソ野ろ・・いや、蓮が行く先々でトラブル拾ってくるからな」


「それは・・・心中察するぞ」

「レッド?」 

「そうだよなぁ。そういう奴に限って行く先々で拾ってくるモン全部ヒトに丸投げ

 してくんだよなぁ。しかも、その後始末までさせやがってあの野郎マジありえねぇ」

「・・・いるのか。身近に。トラブル収集野郎が。」

「・・・あぁ。しかも本人に自覚が無いタイプの野郎が」


「「・・・同志よッ!!!」」


 


 


 

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