第7羽♡私たちだけの変身アイテム♡
「つまり、きせかえマグネットの“オリジナルアイテム”を、手作りするってことよね?」
「どうやってどうやって?」
二人の先輩たちの目が輝いている。
「え、えっと、100均とかで売ってるマグネットシートに自分で服とかの絵を描いて、それを切って作れないかな、って。
今思いついただけなので、上手くできないかもしれないけど…。
できたら、すごく楽しそうだなって思って…。」
自信なさげに私がそう答えると、サファイア先輩がそっと紅茶を置き、微笑んだ。
「リリィちゃん、それ、最高に素敵な提案よ。」
「そんなのが100均で売ってるんだ!知らなかったよ!」
自分で言ってみたは良いものの、あそこまで細かいイラストを綺麗に描ける自信は全くない。
なんだけど…。
すっかり夕方になり、同好会をお開きにした後、私が帰り道に寄ったのは最寄りの100円ショップで…。
*・゜゜・*:.。..。.*:.。. .。.:*・゜゜・*
♡次の日♡
「試作ですが、作ってみました…。」
放課後、今日もまた私はきせかえマグネット同好会の部室にいた。
そして先輩たちに差し出した手のひらに乗っているのは…。
「手作りアイテム、作ってきてくれたんだ!!」
「はい。一応これ、台形スカートとヒールとバッグのつもりです。
下手だし、黒いマジックしか無かったから全部真っ黒の無地ですけど…。」
自分で出しておいて、恥ずかしくなった。
さすがにこれはクオリティ低い上に子どもじみてたかな。
そう思っていたけど…。
「そう!こういうのが欲しかったのよ!」
「…え?」
思わず声が漏れる。
サファイア先輩から出たのは、まさかの肯定の声で。
「リリィちゃん、これ本当に素敵よ。
この台形スカート、コンパクトで何も飾りのないシンプルなものだからこそ、どんなトップスにも合わせやすいし。」
「そうそう!ただの真っ黒のヒールとかバッグも、今まで意外と無かったんだよね〜。コーデ全体を引き締めてくれる~!」
二人の言葉に、顔が熱くなる。
私が適当に__いや、できる限り丁寧に描いたつもりの形たちが、こんなにも好意的に受け取られるなんて、思ってなかった。
「…ありがとうございます。嬉しいです。」
「ねえっ、こういうのもっとみんなで作れないかな?色とかももっと増やしてさ!」
「そうですね、今回はただマグネットに直接マジックで絵を描いただけだけど…もっと工夫して綺麗なのができそうです!」
白黒だけの“わたしのきせかえマグネット”は、少しずつ彩りを持ちはじめた。
♡つづく♡