第5羽♡きせかえ魔法バトル、スタート!♡
『私はララ。よろしくねっ!』
『私はルル。がんばりましょう♪』
声が流れるだけで胸が高鳴る。
あの頃、何回も聞いたセリフ。
『きせかえ魔女 ララandルル』というゲームのタイトル画面を前にして、私はすでに心がふわふわしていた。
画面の中の二人が手を振る。
幼いころ、画面越しの彼女たちと本気で友達だと思っていた。
「さあ、きせかえバトルスタートだよっ!」
ティアラ先輩が得意げに言う。
バトルの得点は、きせかえカードを使ったコーディネートと、リズムゲームの出来によって決まる。
バトルステージに合ったアイテムカードを選び、ゲーム機に取り付ける専用カードリーダーにスキャンしていくのだ。
今回のステージは「星の舞踏会」。
髪型、服、靴、そしてその他+αの魔法カード…。
自分のセンスが試される…!
「私はこれっ☆」
ティアラ先輩がさっとカードを手に取り、選んだのは…。
『ピンクリボンデコドレス!』
ララのセリフ、そして彼女がくるりとターンしながら、パジャマ姿から一気にドレスへと変身する。
「ティアラ、いつもそのドレスばかりね。」
「だってこれが一番好きなんだもーん!
それで、これに合うヘアとシューズは…っと…。」
そして私の方はというと…。
「ええっと…。」
時間内にコーデを決めないといけないこの焦り感も含めて当時を思い出した。
─当時、星の舞踏会ステージに着ていきたかった、でも手に入れられなかったレアカード…。
選んだのは…。
『エメラルドロングドレス!』
「このカードが使えるなんて夢みたい…。」
今思えばガビガビのこのゲーム画質でも、この緑色のゴージャスなドレスは輝いて見えた。
それに合わせた髪型とシューズを慌てながら選んで…。
『さあ!リズムゲームに、レッツゴー!!』
*・゜゜・*:.。..*:.。. .。.:*・゜゜・*
「やったー!私の勝ち〜っ!」
ティアラ先輩のリズムゲームフルコンボによって私は余裕で負けた。
新入生相手でも手加減なしってところか。
「ティアラ先輩強すぎます…!
でも、負けても超楽しかったです!」
「リリィちゃんも頑張ってたわ。」
「思ったんですけど、このリズムゲーム、女児には難しすぎませんか?」
「今の音ゲーのようなノーツは出てこなくて、ボタンを押すタイミングは覚えていくしかなかったのよね。」
「私は全曲覚えてた〜!」
「えっすごい!」
緊張していたはずなのに、ゲームをしているうちにいつの間にか自然と話せるようになっていた。
それはまるで、あの頃のゲームセンターで出会った見知らぬ女の子と私のように…。
「“女児活”って、意外と奥深いわよね。」
サファイア先輩が、おかわりの紅茶を差し出しながら言った。
「子どもの頃の気持ちって、ただの思い出じゃない。
今の私たちを作っている、大事な一部だと思うわ。」
その言葉に、胸がじんわりした。
あの頃の私が好きだったもの。
たしかに今の私の、根っこにある。
なんて話していた間にも、サファイア先輩は『本題のあるもの』を用意してくれていた…。
♡つづく♡