第3羽♡ララandルル、再び?♡
はぁ…なんであんなにキラキラしてんの…。
次の日の教室。
席に座った私は、朝のホームルームが始まる前からため息ばかりついていた。
「あの人…ティアラって言うんだっけ?」
隣の席の子が友達と話しているのが聞こえた。
「ねえ、あの部活、マジでやばくなかった?」
__そう、昨日の部活紹介で登場した『きせかえマグネット同好会』の強烈なインパクトは、今もなお教室中に残っている。
それはまるで、何かの魔法だった。
私の頭の中から、ダイヤ・ティアラ先輩の姿が離れない。
でも…。
だからって、私に関係あるわけじゃないし。
私はノートの端っこに、シャーペンでぐにゃぐにゃと落書きをしていた。
ハートのステッキ。リボンのドレス。ツインテールの魔法少女。
無意識に、あの頃好きだったモチーフを描いてしまっている。
……やば。
慌てて落書きをぐちゃぐちゃにかき消す。
こんなの、子どもっぽい。
いいかげんもう卒業しなきゃ。
そう思ってきたのに。
…『ララandルル』………。
口の中でそっと、あの名前をつぶやいた。
ティアラ先輩が言ってた。
「部室にあるんだ。今度一緒にやろっ!」
って。
え、ほんとに?あのララandルルが…?
またできるの…?
あのゲームは、昔ゲームセンターやショッピングモールの一角にあった。
100円を入れるとゲームができて、ゲームで使カードが1枚もらえる仕組みだ。
女の子に大人気のゲームだったけれど、何年も前にサービスが終了してしまって、私の『好き』も一緒に封印されたと思ってた。
ゲームのカードを入れたファイルたちは、本棚の隅にしまったまま。
今時々、こっそり見返してたけど…誰にも言えなかった。
でもティアラ先輩は、堂々と「好き!」って言ってたなぁ。
やばいやばい、なに考えてんの私…!
私は慌てて机に突っ伏した。
別に行きたいわけじゃない、たぶん。
ティアラ先輩、まぶしすぎるし…。
私とは全然違う世界の人だし…。
だけど____。
ララandルル、もし本当にまたやれるんだとしたら…。
ぐらっと、心が揺れる。
ピンクの魔法。カラフルなドレス。ワクワクのダンスバトル。
……。
一回だけ。ゲームだけやって、すぐ帰る!
私は机の下で、そっと拳を握った。
よし、放課後ちょっとだけ覗いてみよう。
ちょっとだけ!
でもこの時の私はまだ知らなかった。
その「ちょっと」が、私の世界を大きく変えることになるなんて。
♡つづく♡