第1羽♡早乙女リリィはリボンを付けない♡
女の子はみんな、背伸びをしたがる。
背伸びして背伸びして、いつしか本当に大人になっていく。
その時私たちは、一体何を想うんだろう…____。
【平成女児集合っ】
♡きせかえマグネット部へようこそ‼︎♡
第1羽♡早乙女リリィはリボンを付けない♡
春風にリボンが揺れていた。
けれど、それは私のじゃない。
青錆色の校門をくぐっていく新入生たちのセーラー襟を飾る、ブローチが付いた大きな赤いリボン。
ふわっと広がるスカートは、丈も短くて可愛い。
みんなまるで雑誌から出てきたみたいだった。
「わぁ……。」
そう声を出しそうになるのを、慌てて飲み込む。
私、早乙女リリィ。
今日から私もここ、ジュエル女学園の1年生です。
朝の光をいっぱいに浴びて、眩しそうに笑う同級生たちを横目に、私は下を向いて歩く。
革のスクールバッグには小さなチャームがついているけど、それも制服の袖で隠している。見られると、また何か言われる気がして。
(可愛いって、眩しくて、苦しいかも…。)
胸の奥が、ちくんとした。
襟にはじめて結んだスカーフが曲がっていないか、右手で確かめるようにぎゅっと握った。
*・゜゜・*:.。..。.:*・'・.。.:*・゜゜・*
新しい学校、新しい生活、そして『部活選び』。
クラスで仲良くなった子たちは、さっそくテニス部だ、吹奏楽部だと盛り上がっていたけど……私は、まだ決められずにいた。
放課後、混み合っている廊下を避け、少し遠回りで別の階段からそそくさと帰ろうとしたら…。
もしかして、迷った…?
全く人気のないところへ来てしまった。
「変に人混みを避けようとしたからだーっ!私の悪いクセ…。」
今自分がどこにいるかも分からず、とりあえずふらふらと廊下を歩いていると…。
ある教室の壁に貼られた、一枚のチラシが目に入った。
それは目がチカチカするほど極彩色で、キラキラのストーンシールめいっぱい散りばめられていた。
『きせかえマグネット同好会 新メンバー募集中!』
「きせかえ、マグネット…?」
その言葉はなんだか聞き慣れないようでいて、懐かしい響きのような気もした。
チラシの写真に目をこらすと、小さな紙でできたような人形と、それに合わせて作られた紙のお洋服や靴、アクセサリーなど、いろんな小物が大量に並んでいた。
「か、、かわいい、、。」
思わずそんな呟きが出た。
小さい女の子向けの、おもちゃかな。
でもなんでそんな写真が?
あれ、私これ知ってるかも。
たしか昔、小さい頃に…。
気がついたら、じっと見つめていた。
でも、すぐに視線をそらす。
だめだって、私が『そういうの』に近づいちゃ!
その場を去ろうとしたその瞬間___。
「興味あるの?」
視界の端に、花が咲いたようだった___。
つづく