召喚されたけどゴミくそでした
初めての投稿です。小説を書くのが初めてで誤字脱字や色々甘さがあるとは思いますが宜しくお願いします!楽しく自分の世界を書けたらと思います!!
1話 召喚されたけどゴミくそでした
眩しい光が、まぶたの裏を焼いた。
「……う、あつ……つい……っ!」
全身を包む熱と圧迫感。焼けるような光に目を開けた瞬間、身体がふわりと宙を舞った。
ーードンッ!!
「ぐっ……!?」
石畳の上に叩きつけられ、肺の空気が一気に押し出される。鈍い痛みに耐えながら体を起こすと、そこには、巨大な王宮のような広間が広がっていた。
大理石の床に、重厚な赤い絨毯。頭上には豪奢なシャンデリアがぶら下がり、壁には謎の紋章と煌びやかな旗が並んでいる。
目の前には、金の冠をかぶった中年の男が、玉座にふんぞり返っていた。
「ふむ……召喚は成功か」
その声は無機質で冷たく、まるで実験の結果を確認するかのようだった。
「ようこそ、異世界よりの来訪者よ。名は?」
「……俺は、リク。浅葱リク……です」
まだ混乱の中にある頭を働かせながら、なんとか答える。
「ふむ。リク、か……よし、鑑定しろ」
王の合図で、一人の白衣の男が前に出てきた。男が杖を掲げ、リクに向けて淡い光を放つ。
ーーピコンッ!
空中に淡い光が浮かび、文字が浮かび上がった。
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《ステータス》
名前:浅葱リク
種族:異世界人
魔素:0
魔力:0
《スキル》
理性
《装備》
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白衣の着た男は思わず笑いが吹き出る
ーーブフォッwww
一瞬、空気が凍った。
「魔素ゼロ?魔力ゼロ?スキルが……“理性”? ぷっ……くくくっ!」
白衣の男は吹き出た笑いが止まらない。周囲の騎士や文官たちも、嘲笑を隠さずに笑い出す。
嘲笑われる中でリクは叫ぶ
「な、なんなんだよ……!?魔素も魔力もないって……理性ってなんだよ……!」
玉座の王が、吐き捨てるように言う。
「ゴミよ。ゴミ。まさに、“ゴミクソ”とはこのことよな」
「理性など、誰しもが持っておるわ!!下らん!!スキル:理性など……“使えぬ”どころか、存在すら“無駄”じゃ!!」
リクの胸に、ドクンと痛みが走る。いきなり意味分からない所に来て…いきなり自分の価値を否定され……リクの心が軋んだ。
「……帰してください。俺は……こんな世界、望んでない……」
「ははは、馬鹿を言うな。召喚された者が自らの意思で帰れると思うか?」
王は鼻で笑い、片手を振る。
「処分しろ。……死の島にでも、放り込んでおけ」
「しょ…ぶん…?…は?」
「そうだ。“瘴気”に満ちた、忌み地。誰一人として生きては戻らぬ島だ」
背筋が凍った。だが王は、楽しそうに言葉を続けた。
「せいぜい、理性とやらで、生き延びてみるんだな」
そして、目の前が、闇に包まれた。
――リクの、異世界での地獄の始まりだった。
読んでくださりありがとうございました!!!