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個人的な「なろう系アニメ」に対する偏見

作者: 冷水

・もくじ

 1.はじめに

 2.なろう系アニメに、なぜ「外れ作品」が多いのか。個人主観と、客観的基準の明確化。

 3.「なろう系」を「面白い」と印象付ける要素の推論。

 4.典型的「ざまあ」が、アニメだと幼稚に見えてしまう要因の推論。

 5.近年のメディア戦略とは。

 6.仮説に基づく、メディアとの不適合論。

 7.おわりに


 ※明確な出典や統計は無いので、このエッセイはただの駄文です。

 それっぽく書いただけの、曖昧な感想や推測、偏見を利用した普遍性の演出をしています。

 以上をご了承の上で、わずかな時間、読んで頂けたら幸いです。



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①はじめに

 このエッセイを書くにあたり、私が感じている「なろう系アニメ」に関する不満を述べておく。

 近年、ネット小説を原作としたアニメが増えているだろう。

 3か月を1クールとした周期で、おおよそ半数以上のアニメが「なろう原作・ネット小説原作」な事も珍しくなくなった。


 歴代にすれば大ヒットを記録する作品はあれど、多くの作品が埋没するように、人々に批判される事も少なくない。

 土台にすら上がらず、忘れられる事も。


 私が好きだったなろう作品も、アニメを見たら「???」となるような、意味不明な導入から始まり、原作時系列や人間関係を無視したような構成を、いくつも見た。

 例えば、子供時代から描かれる作品を、10代後半から描く作品、ネットの評価も低くて落胆したりもした。

 すでに成熟した人間関係をベースとしたはずの神回を、視聴者目線で「初対面」のキャラクターが、わざとらしく主人公を持ち上げ、疑問符と説明不足で駄作と呼ばれてしまう事態。


 挙げればキリが無いが、すべてに共通するのは視聴者に対して「世界観の共有」をするつもりが無かったり、原作のリスペクトを感じられない事だった。



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②なろう系アニメに、なぜ「外れ作品」が多いのか。個人主観と、客観的基準の明確化。

 まず、私が言う所の「外れ作品」とは何だろうか。

 以下に、例を述べる。

 (1)原作に一定の人気がある状態で、それでもアニメ評価サイトで☆2/5以下や、酷評が多いもの。

 (2)Amazonプライムや評価制度のある映像配信サイトにて、軒並み低評価が多い作品。

 (3)メディアミックスが打ち切りだったり、メディア化の失敗により原作自体が打ち切りになった物語など。

 

 私が述べる「外れ作品」とは、上記を例として挙げたいと思う。

 個人的に原作リスペクトがある作品が多い為、具体作品名についての言及は避けるが、心当たりはないだろうか。

 少なくともここ数年、1クール内でそういったなろう系作品を見る機会が、明らかに増えた。

 中にはメディア化の影響で、制作陣との軋轢が発覚した作品もある。これについては「なろう系」に関わらず発生する問題でもあるが。


 一方で、成功した作品もある。

 類似作品が出て、それすらアニメ化したり。あるいはプロ作家が影響を受けた作品を出したり。

 脈々と続くクリエイティブな世界に、一石を投じた作品もあるから、何もかもが失敗だとは言わないが、私は問いたい。


 制作陣はそれを「面白い」と思って作っているのだろうか。

 予算と納期の大半を使い果たし、後戻りが出来なくなって初めて「これ、つまんなくね?」ってなるのだろうか。

 だとしたら、コンテンツの寿命を著しく縮める行為に、何の意味があるのだろうか。


 元から、すべての作品が当たる訳でもないだろう。

 しかし、原作人気を薪にして、数を打てば当たるような焦土作戦を見せられているよう思える。



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③「なろう系」を「面白い」と印象付ける要素の推論。

 この項では、主観を多用したものになる。

 まず、なろう系が面白いと感じる一番の要素はなんだろうか。


 勧善懲悪のような、主人公が強くなって復讐を行う「ざまあ」だろうか。

 悪役令嬢+転生と聞けば、婚約破棄からの転生チートによる成り上がりを期待するだろう。

 キャラ転生と聞けば、物語の世界に迷い込み、底辺キャラの下剋上を期待するだろう。

 ファンタジー+転生と聞けば、現代知識チートや内政チートなど、胸躍る作品だと期待するだろう。


 私が感じる一番の強みは、ジャンクフードのように手軽に摂取できる「なろう文化」と表現するような「読者の基礎知識」に依存した作品構成だと思う。


 そう考える要素は何故か。

 元ネタを遡ったら、むかしの商業漫画や商業小説などがあるだろうけど、明確に「なろうミーム」とでもいえる物語構成が存在する。

 例えば。

 「トラックに引かれる」と「神様が現れて、すごい力をもらっ」て「現代(or神様)チートで無双する」とか。


 古くから存在する「ボーイミーツガール」など「少年は少女と会った」から始まっていた物語構成が、このネット小説界隈では「転生トラック」に成り代わった。

 それは「悪役令嬢」もしかり、「VRMMORPG」などのファンタジーVRもそう。


 あえてテンプレートを裏切る物語もあるが、ネット小説の代名詞として「なろう系」と呼ばれる数々の作品があるだろう。



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④典型的「ざまあ」が、アニメだと幼稚に見えてしまう要因の推論。

 私の中で「ざまあ」に関して、思ったことがある。

 外れ作品と感じてしまう要素の一つに、アニメ化に際して「主人公の動機が弱く見えてしまう」ことが往々にしてある事だ。


 今まで見てきた作品の中で「主人公が、自殺寸前までいじめられていた」という要素が、アニメにて削除された作品を見た。

 あるいは典型的な「村社会」で「村八分」にされたなど、えぐい描写が削除されていたり。


 映像倫理的に、作れない作品もあるだろうが、主人公が命の危険を身近に感じるほど追い詰められたからこその「狂人設定」など、設定が削除されることで、現代サイコパスが突如として力に溺れたように見える作品がある。


 あとは前述したように、トラックの影を見せて衝突の瞬間を見せず、いきなり転生していたり。

 よく馴らされた「なろう読者」に通じるミームが、映像化すると陳腐に見えたり、意味不明に見えたり。

 それが「なろう読者」でさえ思うのだから、一般人に分かるはずがない。


 なろう小説において。

 主人公が死んで転生するまでに、理由なんて無い。

 でも映像化した作品において、死ぬまでに理由のひとつを見つけないと面白くない。

 例えば私の好きだった作品の話をする。

 クリアすると願いが叶う世界に転生して、元の世界に戻る事を願うと同時に、その後の幸せを願う。そこに自己中な事の葛藤だったり、出会ったキャラクターとの関係性だったり。

 これ、私が10年以上前に読んだ作品だけど、アニメ化も成功しているし、なにより私は作者が好きだったりする。

 でも、なろう作品の転生フェーズに、そこまでの深さはいらない。


 5分のプロローグを挟んでも、なろう系では最初の1ページ(転生フェーズ)の価値より、その後にどれだけ物語を積み重ねたかを重視する文化とでもいえばいいのか。

 最初のプロローグでは「主人公が可哀そう」だと分かれば十分。

 でもその後に、それを覆すほどの幸せを手に入れていると実感できればいい。


 もしくは、自身を主人公に投影して、言葉足らずな部分は読者の脳内補完に頼った作品が、多くを語らない事で主人公のちぐはぐさが目立ってしまう事も往々にしてある。


 そして、不要なコマのカット。

 小説だと20文字くらいで説明された、さりげない仕草や説明がカットされる事もある。

 そうする事で、主人公の行動に矛盾が生まれる事もあって、それが物語に歪を生む場面を何度も見た。

 例えば(実際とは違うけど)、プロローグで孤児に対して一瞬目を向けたが、相手は子供だけど自分に力が無いから素通りした。これを映像で挟めばいいが、無視したことで2話目でいきなり、孤児だったけど奴隷にされた子供を救出してた。だけど3話目で(カットしたことで初登場した)子供は救わない(例えば、スリの加害者)だったり。それが後々、逆恨みで主人公の敵になったり。


 詳細は違うけど、ここまで露骨なカットしたアニメを見た。

 好きだった作品だけに、本当に絶望した思い出がある。



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⑤近年のメディア戦略とは。

 近年、なろう発のアニメなどが増えた背景には、多分に「原作人気を利用して、失敗しにくい映像づくり」があるだろう。

 10~20年前のアニメのリメイクやドラマ化も、この系譜に分類できるだろう。


 予算が確保しにくい。

 宣伝コストを抑えたい。

 でも作品は失敗したくない。


 その中で、例えば権利買い切りで、アマチュアからプロ未満の金額でメディアミックスを確保できれば、失敗してもコストが抑えられ、成功の見返りが大きいのだろうと、愚考する。

 これは何も、映像化分野に限らず、さまざまな分野で似たような行為があって、それ自体が悪い事だとは言えない。

 私だって、分野は違えど似たような構造を経験している。


 コンテンツを享受する側で、それを悪い事だと言う権利は無いが、リスペクトが足りてない作品が多いのではないかと、思う自由くらいはあるだろう。



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⑥仮説に基づく、メディアとの不適合論。

 総じて、なろう系アニメで失敗する要因は、なろう系の小説のプロローグや本文で伝えたい内容が、視聴者に伝わりにくいこと。

 意味のある部分と意味の無い部分が、なろうミームに依存している部分があること。

 その上で、作品が一番大事にする要素が、アニメで表現しにくいのだと思う。


 原作>漫画>>>>>>アニメ


 こんな感じで。


 あと、ゲーム系の作品において、Lv1でLv30のモブモンスターが倒せるか。

 これには、原作だと紹介された要素が説明しにくくて、アニメだと簡単に倒しているように見える、とか。

 今まで見たことない美少女が――映像だとそこまで唯一無二の美少女が表しにくいとか、デフォルトでアニメキャラが可愛く書かれていたり。


 文字や、百歩譲って漫画だと表現できた要素が、アニメだと表現しにくいのだと思う。




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⑦おわりに

 長々と語りましたが、八つ当たりです。

 私は、この文章と同じような内容を定期的に書いてるんだけど、原作が超好きな作品が、アニメで面白くなくて、レビューでも酷評されている作品を見ると、発狂しそうになるので、ストレス発散に書いてます。


 私の好きな作品は、こんな陳腐なものじゃない、と。

 どうせ続編は期待できないけど、本当は〇〇編の映像まで見たい、と。


 もう5年以上、続編待ってる作品もあります。

 ずっと、ずーーーっと、待ってるアニメ作品があるのに、多分、続編としては映像化しないだろう作品を待ち続ける呪いにかかっているのです。

 アニメは酷評すぎて失敗だし、なぜか最終話が打ち切りエンドみたいな無理やり見せ場作りましたって作品なんだけど、アニメで動く場面(一部の内容を許容して)を見たいって。

 でも3話くらいまで絶望的につまらない。

 原作はもう、何周も読んでる。

 内容知ってる人が、ぎりぎり楽しめるアニメ作品を、私はずっと待っている。




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