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プピローグ

「プピローグ」はプロローグとエピローグをかけたもので、特に深い意味はありません。


 アトラスは敵味方問わず目の前に映る存在を攻撃していく。

 魔武装者隊の人達は何も知らないみたいで、アトラスが突如出現した事にパ二くっていた。


「…….....。

 .........…。

 .........…。

 よっしゃあ!解析(わか)った!

 シナ、渡辺! 胸元を攻撃して、そこがソイツの核となってるようだから」


 

 シュスドとスルシュの敵討ちを兼ねてアトラスの弱点を突き止めた唯がそう告げた。

 二機(ふたり)が最後まで頑張ってくれたおかげでノアの損傷被害はかなり抑えられて、シナと晴香も無事でいることができた。


「照準、アトラス。 アークイザー、撃てー!」



 デッキの砲台から強力なビームが発射された。

 アトラスは即座に胸一帯にバリアを張って防いだ。


(後は頼んだぞ。シナ、晴香…)


 ビームは囮。アトラスが放つ攻撃はどれも強力すぎて撃たれたらどうしようもない。

 遠距離攻撃が無駄であると分かった以上、接近して直接叩くしか方法が見つからなかった。

 これ以上破壊規模を広げない為、一刻も早くアトラスを倒すことに専念したのだ。





「胸以外の部分だけを攻撃してください」

「どういうことだ?」

「何故かは分からないんですが、そこだけは攻撃してはいけない気がするんです。

 室内で斬ったとき、フリューゲルに似たものを感じたから。

 だから核と繋がってる部分だけ攻撃すれば停止するはずです。だから!」


 アトラスには強力な再生能力が備わっていて、どの部分を破壊してもすぐに再生してしまう。

 だが胸元辺りを狙った攻撃は全てバリアで防いでいた。まるで、ここだけを失う訳にはいかないと必死に守って。


「お前が言う事が荒唐無稽すぎるが、そう言うからには何かあるんだろ」

「…信じてくれるんですか?」

「勘違いするな、信用してる訳じゃない。 私はただ、お前が感じ取った直感にかけるだけだ」



 晴香が胸一帯周りを斬り裂いていき、シナが晴香へ向く腕に向かって全力でぶつかりに行く。

 シナは近接武器の扱い方が下手な以上こうする方がいい。

 本来はスペルサーベルを突き刺したいところだが、シナに残った魔力が少ない以上、過度な消費は自殺行為に等しい。


 羽をもがれた鳥がただ無力であると同じように、魔力が空となったウィッチはただの小娘と化してしまうからだ。



「――! やっぱり…」


 動力源であるパッチの中に赤い長髪をした女性、ホムラがいた。晴香がパッチを傷つけて出てきたエメラルドグリーン色の液体が出尽くした瞬間に直視して。

 全身のあちらこちらにチューブに繋がれたまま眠っていて、ホムラの身体はきっちり固定されていた。


 すぐに左手にスペルサーベルを持ってホムラにくっついているチューブを全て斬った。

 ホムラを″核″として動かしていた以上、アトラスは完全に停止した。




















「…あの時の子供が大きくなって私を助けてくれたなんて、なんか運命を感じるね」

「たまたまです。それに、私はただ、守りたいものを守った。ただ、それだけです」



 10年前のとある研究施設で晴香はホムラたちによって助けられた。

 非人道的実験で精神(こころ)に深い傷を負った晴香はゾハールによって記憶を消去された後、施設に引き渡された。


 施設の生活から少ししてある家庭に引き取られて育ったことをホムラさんに話していた。


 ホムラさんの身体の損傷がとにかく酷かったけど、何とか一命を取り留めて現在は点滴をうたれたままベッドで横になっている。

 完治するまで数カ月かかるらしいけど、ウィルドを身に着けて戦えば身体がもたず壊れてしまうらしい。

 つまり。ホムラさんはもう、戦えなくなってしまった。


 ごく普通の生活を送る事自体は何も問題ないらしい。



「あなたからフリューゲルを受け取った瞬間(とき)から、既に覚悟は決めていました」


 私がフリューゲルを身に着けて戦った以上、私は世界の敵となったも同然。

 合身魔武装に仮面などの素性を隠す機能がない以上、私の情報は既に世界に散らばっている。

 考えなしに敵になってしまった事は後悔してるけど、決断した以上逃げる気はない。

 だって、あんな事が起きるのはもう沢山だから。



 私はこの手で大切な人を、親友を殺した。

 そうするしか選択肢が無くて、実験体として生まれた私は、上の人の指示に従うのが絶対だったから。

 背いたり抵抗したりしたら力づくで押さえつけられて、最悪の場合処分される。

 目の前で仲間たちの断末魔を身に染みる程見て聞いてきた。



「大した覚悟だが、戦う事だけが全てじゃないし、まだ時間は沢山ある。

 過去に負ったトラウマを克服できないにしろ、

 残った時間でよく見つめ直して考えてから、もう一度答えを聞かせてくれ。

 それに、

 お前は私達とは違う。自分の幸せを投げ捨ててまで戦いに身を投げる必要はない」



 ジパングは中立国。人もウィッチも平等に受け入れる国で、ゾハールのことを少し良く思っている人はいる為陰ながらに強力している。

 ノアの補給と整備、そして事情の説明にUUEの事で少し時間がかかる以上、考える時間はたっぷりある。



 













「私は、ここに残って戦い続けます」


 「守りたいものを守る為』に戦う。私の信念に変わりはない。

 UUEというろくでもない存在を知ってしまった以上、敵はどんな手を使ってでも私を追い詰めてくるのは目に見えている。

 家族に友達、知り合いたちを守れるのは私しかいない。

 ゾハールのみんなの助力を得たい気持ちもあるけど、この人達にはこの人達の″戦い″がある以上、邪魔する訳にはいかない。



「それがお前が選んだことなら、私から一つ。

 何があってもその心だけは見失っても絶対に取り戻して思い出し、選択し続けろ!

 でなければお前自身は何もかも失って完全に死んでしまうからな!」

「……ありがとうございます。」



 ホムラさんに答えを言った。

 自分で立って動けるまで回復しているようだけど、まだ点滴を行っていた。



 ホムラさんとの対談を終えた後、私はノアにいる全員と一人ひとり会ってあいさつを済ました。

 ノアが飛び去って行くところを陰から見送った。


シュスドとスルシュには唯以外によって停止、もしくは「これ以上の活動は不可」とみなされた場合に自爆する機能が取り付けられている為、敵に塩が渡ることは全然ありません。

 なぜ自爆機能をつけているかというと、自分の子(機械)を盗作されたり寝取られるのが最も嫌いだからです。


 もし唯の地雷を踏んだ場合、唯はどんな手を尽くしてでもソイツを徹底的に追い詰めます。

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