努力って
第4章 努力って
ネットでモテる中年男性を検索すると、『清潔感』というキーワードが断トツに表示させる。
清潔感UPについては、スキンケア用品を揃えて活用することで対応できそう。
要するに女性達が行っている行為を参考にすればよいと気づいた。
妻や娘達を参考に準備進めて、用品準備を進めた。
しかし、驚いたのは、今や男性専用のスキンケア用品が多く品揃えがあることだった。
それだけ、需要があるのだろう。
暫くして、清潔感UP計画が実行され試行錯誤の上、ローテンションが決まった。
起床してからの流れ...
歯磨き、マウスウォッシュ、髭剃り、鼻毛処理、眉毛処理、洗顔、化粧水、乳液、
整髪、眉毛発毛剤、眉毛を書き、脇にデオドラントスプレー、香水を着けて完成。
帰宅してからの流れ...
入浴、スカルプシャンプー、リンスで髪を洗い、ボディーソープ、洗顔、足用のソープ、
髪の毛の発毛剤も毎日実行した。
隔週で、洗顔前にピーリングジェルでピーリング。
月一で、脱毛クレームで除毛して、残ればシェイビング処理。
『最初はこれは継続は難しいかな?』って思っていたが、継続できている。
それは、すぐに効果が現れるなのだ。
肌の調子や髪の毛、眉毛、口内環境もかなり良くなった。
周辺の方々からも、「肌が綺麗になった。」などと言われて、
俄然やる気が出たのだ。
やはり、『実感出来ること』は継続できるのだ!
次に着手したのが、身体を磨くです。
これまた、ネット検索すると女性視線では、『男性の鍛えている身体は魅力的』と
キーワードが出てくる。
幸いにも、以前から近所の24時間営業のスポーツジムと家族契約していたので、
ジム活用を開始した。
最初は、腹筋背筋を中心に鍛えていた。
ある程度ジムにも慣れてきたので、本格的にウェイトを使って身体を鍛えることにした。
鍛えると言っても、マッチョを目指す訳ではない。
この弛んだ、男性と思えない中性的になった身体を、男らしくしたい。
筋トレは、腹筋、背筋、ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、アームカールなどを
重点的に実施した。
週2は、ジムに行くようにした。
これまた、結果は表れ始めると面白くなり継続できた。
人間の体は、意外と効果が出やすいことが体感できた。
プロテインの効果は絶大だった。
周辺からは「ちょっと鍛えすぎ!」なんて、言われることもあるくらいになった。
しかし、筋肉量が増えてもなかなか減らないのが、『脂肪』なのだ。
『お腹周りの浮き輪のような脂肪や胸の乳首周りの脂肪』は、筋トレではなかなか取れない。
やっぱり、『ダイエット』が必要だと実感した。
ここで、自分磨き計画が躓いた。
168㎝75㎏は筋トレしても変わらなかったが、体脂肪率は21%から15%まで減少した。
カロリー制限ダイエットから、トライすることにしたが...すぐに失敗した。
営業部長という立場から、飲食接待も多く部下達との会食も多かった。
何よりも、妻の作る夕食も完食せねば殺されるだろう。
せめて間食制限をするべきだろうが、俺の『あんこ好き』は到底我慢できそうにない。
そうなると、ダイエットサプリメントと有酸素運動を併用して、
ダイエットを進めるしかない。
先ずは、金で解決できるサプリメントを購入した。
色々調べると、ダイエットサプリメントだけでは、効果は薄そうだ。
整腸剤、マルチビタミン剤、亜鉛等々のサプリを、同時に摂取する必要がありそうだ。
それプラス、有酸素運動は必要不可欠なのだが...
ダイエットが続かないのは、効果がなかなか出ないことにあると思う。
実際効果が出ないのは、余計なカロリーを摂取しているから、
もしくは、身体を動かさずカロリー消費していないからなのだが...
人間は勝手に、効果が出ないと思い込んで絶望しているのだ。
スキンケア、筋トレの効果はそこそこ早く実感出来るのだが、ダイエット効果は
体重減や体脂肪率、体形にしても認識しずらいのだ。
『このままでは、優希に好きになってもらえない!』
お客様の誘いで、富山マラソン大会、黒部名水マラソン大会のフルマラソンに、
参加していることもあり、ランニングをダイエットの核にすることにした。
フルマラソンに参加?『運動しているじゃん!』と思われるかもしれないが、
実際は完走がやっとで、実際はランニング嫌いランナーなのだが・・・
ここは優希に好きになってもらうためには、本当に努力するしかない。
10㎞を1時間程度のペースで、週1ランニングすることにした。
実はランニングはダイエット効果よりも、健康維持に役立つことは、
健康診断結果で明らかなのだ。
中性脂肪、コレストロール、尿酸値等々は体脂肪よりも効果が出るのだ。
実際ランニングは、月2回程度の実施にとどまっている。
もっと、努力せねば...
次に着手したのが、知性を磨く。
元々、頭の悪い俺には勉強をしてこなかった。
その場凌ぎで対応しきた人生なのだ。
逆に言えば、得た情報を整理してものにすれば、『知性の伸びしろは沢山ある』ように思える。
・ネットニュースで、話題、経済、ファッションの情報をチェックした。
・本を読むようにした。本は分野を選ばずその時の気分で選択するようにした。
・一期一会で相手の話を素直に聞くようにした。
ネット情報は、色々と役になった。如何に世間はネット情報をチェックしているか?
実感することになった。
お客様や経営陣には経済情報は不可欠な話題だ。
株価、為替、新規事業情報など皆金儲けは大好きなのだ。
問題はファッションだ。
中年男性が明らかに間違えるのは、現実の自分が今何が似合うのか?
把握していないことあることに気づいた。
昔好きだった、デザインやカラーを試着すると、イメージと違い愕然とすることが多かった。
要するに、中年男性は年相応の少し高価なシンプルで質が良いファッションを、
心掛けることが肝要だと理解できた。
そこで、量販店中心のファッションを一新して、多少金額を使ってでも
ブランド品を身に着けることにした。
それで変わったのが、ます心理だった。
何気に身なりに良い物を着ていると、自信が湧いてくるのだ。
何というか...背筋が伸びる感じがするのだ。
元々、貧乏性なので汚したり傷が着くと、ショックだったりするのは情けないところだが...
自分らしいファッションを探すのは楽しいことだと理解したし、妻や娘たちの気持ちも、
今なら理解できる。
『好きな人』ができると、
あらゆる思考が変わり、新しい自分発見に寄与することも、新鮮な感覚だった。
優希のスナックに月1ペース通いながら、自分磨き計画は継続していった。