僕は君と仲良くなるために、転職した
僕は彼女がとても好きだ。
彼女は業務用スーパーで働いている。
肌が白くマスク越しでもスキンケアに気を遣ってるのがすごくわかる、身長は148cmほど、アーティストで例えるとmiwaに近いだろう。
僕は彼女と付き合うため、スーパーの採用担当に連絡をした。
そして面接をした後、僕は内定をもらった。
スーパーでの業務は初めてだが、基本は商品の品出しや商品の陳列がメインの業務だ。
同じ環境で同じ仕事をしている、それが僕の生きがいだった。
ある日僕は、彼女と同じタイミングで休憩に入り、そして彼女が弁当を取り出し、食す。
僕は無言のまま、彼女を見つめる。
「えっと、どうされたんですか」
「僕が神話を記述できる立場にいるとしたら、君を女神として記述する」
「あ、ご飯食べないんですか?」
「僕は哲学者だから必要以上の経口摂取は行わない」
「よ、よくわからないけど、そうなんだ…」
僕は彼女をじっと見つめた。
「なんですか?そんなに見つめないでください」
「ああ、ごめん、凝視しているように感じたかね?」
僕は少しだけ申し訳なく思った。
「じゃあ、休憩あがりますので」
「え、早くない?」
「正直言います、少し気持ち悪いです」
見た目とは反し、彼女は気が強いようだ。
僕は仕事終わりの彼女を店舗近くの喫茶店で待ち、彼女が店を出ると、僕も喫茶店を後にした。
「待ってたよ」
「き、気持ち悪い」
「さあ、連絡先を交換しよう…」
「しつこ…」
「客だった頃から君のことが」
「キャーーーーーーーーーーー」
彼女は叫んだ。
偶然通りかかった警官に僕は取り押さえられた。
店長は、僕が取り押さえられる様を無言で凝視していた。
「見つめられるってこんなにも、嫌な気持ちだったのか」
俺は警官によってパトカーに乗せられた。
「ありがとう 千尋、少しでも多幸感を感じたよ。」
完