実力
マイペースではありますが、今後も投稿は続けます。よろしくお願いします。
「戦うってPVPってことか?」
「そうですわ」
「何で?」
「あなた達は私を信用出来ないんでしょう?なら証明の一つとして私の強さを見せれば良いと思いましたの!」
「???」
こいつは何を言ってるんだと思っていると
「なるほどな」
とジークが喋り始めた。
「俺達にPVPの指導をするってことはそれなりの実力が必要ってことだろう?ここで強さを証明すれば、少なくとも金目当ての実力が無い詐欺師ではないと思ってくれるってところじゃないか?」
「そう!それが言いたかったのです!」
「あー、なるほど…?」
一応筋は通ってる…のか?まあ、仮に通ってるとして…
(あんま強そうには見えないな…一応勇者らしいが…)
今まで話してきて詐欺師である可能性は低いとは思っている。ってかこの感じで詐欺師は無理だな。しかし指導するほどの実力があるようにも見えない…
「何ですか…その目は…」
「ん?ああ、悪い悪い」
「何か失礼なことを考えてましたよね…?」
妙なところで鋭い女だな…
「いやぁ、そんなことはないんだが…」
「まったく…本当に失礼な人ですね…」
「・・・」
心を読んでいる?いやまさかな…
「で?どうするんだロジャー?」
色々考えている内にジークが話しかけてきた。
「まあ、戦ってみるか…」
あまり乗り気ではないが、セイラがただ者ではないことが何となく伝わってくる。それを探るために彼女の提案を受けてみることにした。
「本当ですの!?」
すごく嬉しそうである。
「俺とこいつどっちが戦えばいいんだ?」
「2対1で良いですわよ」
「「は…?」」
一瞬理解が出来なかった。自分で言うのもなんだがレベル100を2人相手だぞ?それを1人で?
「本当にいいのか?」
「ええ、もちろん」
セイラが謎のどや顔をしている。どこからその自信が湧き出ているのか本当に分からない。
「分かった。今からできるか」
「もちろんですわ。移動しましょうか」
セイラがクエスト案内所から出ていった。
「おい…」
「どうした?」
「本当にいいのか?流石に女性相手に2対1は…」
「気持ちは分かるが相手は普通じゃない。あいつの正体を探るためにも素直に受けた方がいいぞ」
「うーん、まあそうなんだが…」
ジークがどこかやりにくそうな感じを出している。
「相手から申し出てるんだ。遠慮することはねーよ」
「そうか…」
俺達もクエスト案内所を出てPVPエリアへ向かった。
「じゃあ、始めるか」
「いつでもどうぞ」
また余裕そうである。
「ジーク、遠慮はいらねえ。全力で行くぞ」
「了解…!」
「ファーストブレイド!」
俺はいつものように技を使う。
「・・・」
セイラは無言でそれを盾で塞いだ。ダメージは無いかもしれないが、ターゲットは俺の方へ向くはずだ。
「ジーク頼むぞ!」
「ああ!聖魔爆烈弾!」
いつもの技を放つ。これで結構ダメージを与えてるはずだが…
「まだまだですわね」
「!?」
無傷とまではいかないが、全然ダメージを受けている様子はない。
「嘘だろ!?」
ジークもこの状況には驚愕せざるを得ない。
「今度は私から行きますわよ!スターラッシュ!」
「速っ…」
セイラが凄まじい速さで迫ってきた。しかし…
ブンブン!ブンブン!
「・・・」
移動の速さはすごかったが、剣の振りはまるで素人…まさしく見てから回避余裕でしたというやつだ。
「ちょっと、あなたタンクなのでしょ!私の攻撃を受けなさいよ!」
「タンクだからといってわざわざ敵の技に当たりにいかねーんだわ」
「むー!」
セイラが頬をパンパンに膨らませて怒っている。何だこいつ。
はっきり言ってプレイヤースキルは無いに等しい。最初のジークの攻撃も躱さなかったではなく躱せなかった説が出てきた。しかし…
(あの速さと耐久力は本物か…?)
そう思うと俺は…
「分かった。動かないから技を当ててみてくれ」
「本当ですの!?」
「ああ、やってくれ」
「お前そんな趣味が…」
「後で説明するからそんな目で見ないでくれ」
何やら変な誤解が生まれそうであったが、まあそれはいいや。
「行きますわよ。スターラッシュ!」
明らかに素人である剣捌きが俺に向かってくる。しかし…
「いった!!」
威力が異常に高い。ここまで痛さを感じたのは、初心者以来だ。やはりステータスは俺らより遥かに高い。
「え?おい、大丈夫か?『ヒール』」
ジークが困惑しながら回復魔法を使ってくれた。俺は起き上がってからセイラに言う。
「あんたのステータスの高さは本物だな」
「ふふん、そうでしょう。それで私の指導を受ける気には…?」
セイラのお願いが気になるが、どうせ聞いてもまた答えないだろう。それよりもあのでたらめなステータスの秘密を知りたいという気持ちが強くなり、
「これからよろしくお願いしますね。先生」
俺たちはセイラの指導を受けることにした。
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