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第19回:花子さんの提案

花子に対峙したシャーリーズは微笑んでいた、花子はシャーリーズをその眼で殺したいようだった。アルトンは、その展開に怯えた。


「ヘイ、ガールズ...」。


「黙れ」。


花子は冷たい視線でアルトンに黙るよう命じた。


「落ち着け花子。アルトンにネッサのことを教えてやっただけだ」。


「いつも通り正直でいたいのはわかるが、その表現方法は好きではない」。


アルトンは体が重くなり始めた。シャーリーズは何か変だ。彼女は恐ろしいオーラを放っているが、花子はこの圧迫感に影響されていないようだ。


「あなたの話し方は好きではない」。


「誰もあなたの汚い口から真実を聞きたいとは思わない」。


花子はシャーリーズと同じように前に出た。アルトンは自分が花子のレベルに達していないことを知っているし、シャーリーズもまた別のレベルにあると推測することができる。


「真実を封じ込めたいのなら、私には表現する権利がある」。


「あなたの口を叩くことになりそうです」。


花子とシャーリーズは、互いの息遣いを感じることができるほど近くにいた。


「おいやめろ、喧嘩するなよ」。


女性の声が割り込んできた。アルトンには聞き覚えのある声だった。戦いが始まろうとしているところに駆け寄ってきたのはネッサで、花子とシャーリーズの間に割って入ってきた。


「やめておけ、友達になるんだ」。


「彼女と仲良くするつもりはなかったんだ、彼女はかなり横柄だしね」。


「花子と仲良くしようと思っても、結構厳しいんです 」。


アルトンはようやく動けるようになったが、まだ震えている。花子はアルトンを見て、腕組みをした。


「彼女が話していたことを 彼に話したらどうだ?」。


「旅先で聞いたことを話していたんだが、彼はこれから起こることに備えなければならないんだ」。


2人は仲が悪そうで、どちらも納得がいかない。


「そんなことより、喧嘩するなよ、これからはパートナーなんだから」。


「戦う つもりはなかったんだ、シャーリーズにはっきり言っただけなんだよ」。


「私も戦う気はありません。ただ、花子さんに攻撃されるのが怖くて、守りに入っていただけです」。


争いが落ち着いたかと思うと、次の瞬間、動かなかったアルトンが少し押され、その胸に何か柔らかな温もりを感じるようになった。


「え?」。


「...」。


「...」。


皆が沈黙した。アルトンが感じた柔らかさは、実は突然抱きついたネッサの均整の取れた胸だったのだ。アルトンは、あまりの暖かさと快感に、トマトのように真っ赤になっていた。


「本当に心配してるんだ、一瞬毒殺されたかと思った」。


「毒入り?」。


「そう、あなたが意識を失ったのを見たとき、私はあなたが死ぬと思ったわ」。


アルトンは、自分もネッサに抱きつき、ネッサの頭をなでて安心させた。


「心配かけてごめんね、大丈夫だから」。


ネッサはアルトンにしがみついたまま、花子とシャーリーズはその光景を衝撃的に見つめた。


「無事でよかったと思っています」。


「はい、私のことを気にかけてくれてありがとうございます」。


ネッサ、アルトンに抱きつくのをやめ、まぶしい笑顔を見せた。


「お腹空いてない?」。


「え?」。


ネッサは素朴な疑問を口にしたが、アルトンは数秒前の体験で心臓がバクバクしているため、どう答えていいのかわからなかった。


「お腹が空いてる?と聞いたんだ」。


花子はアルトンに歩み寄り、素手の空手チョップをお見舞いした。打撃音が大きく、アルトンは舌を噛んだ。


「痛い、何してるの?」。


「バカな反応を助けてるんだ」。


「花子その必要はない」。


ネッサが花子を叱責し、アルトンはシャーリーズに腕を取られ抱きしめられるが、抱きしめるには少し位置が変だった。


「そう、かわいそうに...残酷な花子さん...もうちょっと女らしくしないと」。


アルトンの頭はシャーリーズの胸に埋まり、シャーリーズはまるで優しい母親のように彼の頭を揉んでいた。


「女々しくなくていい、それにストーカーもやめてくれ」。


「ストーカー行為?」。


「ううう、ううう」。


アルトンはシャーリーズの胸に息を詰まらせていた。シャーリーズが手を離すとアルトンは深呼吸をするために手を離した。


「ああ、死ぬかと思った...そんなふうに遊ばないで」。


「そうだシャーリーズ、彼の変態的な面が出ているのがわからないのか?」。


「変態じゃない!!!」。


アルトンが叫んだのはトマトのように真っ赤だったが、それは怒りからではなく、自分の世界ではやったことのない、2人の美少女を抱きしめたからだ。


「ふふふふふふふふふ」。


「え?」。


「レディ・ネサ?」。


ネッサは笑い出した。みんなはネッサを見て、なぜだか理解できなかった。


「すみません、思わず笑ってしまう状況です」。


一同はため息をつき、アルトンがネッサに歩み寄る。


「いじめの被害に遭った後、ちょっとお腹が空いたかなという感じです」。


アルトンの言葉を聞いて、ネッサは微笑んだ。


「いいよ、何か食べてくるよ」。


ネッサは、耳から耳まで笑顔で町に飛び出した。


「ネッサ様!!!」。


花子は声をかけたが、ネッサは聞く耳を持たず、姿を消してしまった。


「ネッサ様は料理ができないので、挑戦しないでほしい」。


「ネッサさんが火事を起こさないように見てきた方がいい」。


シャーリーズはそう言うと、頭に手を当ててネッサの行く先に歩み寄った。


「一緒に行った方がいいと思う」。


アルトンがネッサとシャーリーズを追いかけようとしたが、花子がその肩を掴んで止めた。


「待てよ、話があるんだ」。


「え、何かあったんですか?」。


アルトンが花子の方を向くと、花子は真剣な眼差しで彼を見つめた。


「そうだ、君の将来について話そう 」。


「私の未来?」。


「そうだ、これからどうするか分かっているのか?」。


アルトンは一瞬考えたが、短期的な計画は特になかった。


「そうでもないよ。自分の人生をどうしたらいいのか、よくわからないんだ」。


「なるほど、じゃあ私の提案を聞いてくれるんですね 」。


「どうするんだ?」。


花子は目を閉じ、腕組みをした。


「私たちと一緒に冒険者になってほしい 」。


「ハァ?」。


拙作をお読みいただき、ありがとうございました。


私の作品を評価してください、ありがとうございます


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