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第2話 インターン生と怒りの早退

席に戻ってきたが仕事をする気にはなれない。

とりあえず、いつも通りパソコンを開きチャットを見る。

すると開発メンバーだけの部屋には既にいくつかのメッセージが投稿されていた。



開発をしているインターン生は週3から週5とバラバラだが今日は全員が揃っている日だ。

インターン生はそれぞれ自宅で開発をしている。


「おはようございます。今日はチケットの27の続きをやります。」


「おはようございますー今日はチケットの15やりますー」


「おはようございます。カレンダーアプリのレビューで気になった点あったので見ます。チケットは追加しました」


みんなそれぞれ今日やるタスクを書いてくれている。

私も書くかと思いクビになったことを入力をする。


「おはようございます!先ほどクビになったので引き継ぎ資料作ります!みんなお元気で!」


チャットくらい元気にしようと思い、ビックリマークを多用して入力をした。

逆に泣けてくる。。


すると、すぐにメンバーから発言があった。


「えっ本当ですか??」


「いやいやwそれはないですよねw」


チャットを見て入力する


「いや、それがマジなんですよ。自分もビックリです!」


すると、インターン生からのメッセージが続々と入力されていく。



「今、小嶋さんいないと大変なことになりますよ。社長にメッセージ送りますよ」


彼は数学科の院生で最初はプログラミング初心者だったがすぐに頭角を表し、今ではバックエンドの開発、運用を手伝ってもらっている。


家で古いパソコンでサーバーを立てて開発をしたりしているらしく、とても勉強家である。


「あ、そうなのですね。。」

彼はとても静かな性格で、まだ大学2年生なのにプログラミングが趣味らしく、ネイティブアプリは提供している2つのOSで両方ともかなり綺麗にコードを書いてくれる。

学校が忙しくらしく休みが多いが空いた時間にタスクをこなしてくれる。


ちなみにそれらの勤怠は簡易的に作った勤怠ツールで管理している。


「それが本当なら、俺ならすぐに帰りますねw」

彼は結構いい大学の学部生で他の会社に内定も出ている。なので来年の3月にはここを離れる。

学部が情報系というのもあるが、よく趣味で様々なアプリを作っているらしくそこそこ人気があるようである。

結構見た目もいいのでモテそう。

たまに遅刻をするが、頼んだタスクはきちんとこなすしとても助かっている。


続けて彼が「マジで見る目ないですね!返って小嶋さんのOSS全部使えなくしましょうよww」

と入力してきた。


OSSとはオープンソースでライセンスによっては誰でも使えるコードで会社が使っているコードの多くは昔、私が作ったOSSのライブラリが使われている。


「いやいや一応社会人だし、ちゃんと最後まで仕事するよw」

そうチャットに入力している間、遠くでCEOと秘書がイチャイチャしているのが見えた。


そういえば、会社が儲かり始めた頃からあの秘書いるな。仕事何しているんだろう。

っていうか、あの秘書は新しく雇えて私はリストラってどういうことだよ。

しかもCEOは駅直結のホテルに住んでいるし。

ホテルに住むってなんだよ。ホテルは一時的に泊まる所だろ!!!


2人を見ていて、今度は一気に怒りが込み上がってきた。


やっぱり、もう帰ろう。

全部有休は足りない気がするけど、休日出勤も長くさせられたし勤怠なんてないようなもんだろう。

何か言われたら今まで勤務時間で反撃してやる。


そう思い、デスクの上のたくさんのスマートフォンやタブレットをカバンに詰め込みはじめた。


すると、スーツの男がコーヒー片手に歩いてきた。

「会社の端末は社内に置いといてくれよ」


「いえ、これは私物の端末なので」


そう、これは個人で買った端末なのである。

昔使っていたのもあれば、検証用に中古で買ったものもある。


「えっ・・」

とスーツの男が言うとそのまま離れていった。


バックに詰め込むだけ詰め込み、入らない分はもっていたエコバッグに詰め込んだ。


「体調が悪いので早退します」

そう会社全体のチャットに書き込んで会社を後にした。


エンジニアの学生達は何かを察したのか「お大事に!」や「ゆっくり休んで下さい」などの返信をしていた。

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