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境界線上の魔王  作者: 羽山一明
第一章 『ふたりの聖騎士』
9/212

1-5 一滴の寂寥

2021-07-10


最後のやりとりを改稿しました。


「ほんっ……とうに! 世話になった!」

「いえ、あの、わたくしは何も……」


 磨き上げられた重厚な机の上で、ファルマーが頭をあげた。鬼人特有の浅黒い肌に浮かぶ表情にはまだ翳りがみられるが、痛々しい生傷の数々は跡形もなく完治している。


 クリスの行使した魔剣術は、見た目以上に実用性を兼ねた代物であったようで、ファルマーは坑道を出て間もなく目を覚ました。が、怪我の治療が終わらないうちに意識を取り戻してしまったようで、痛みで文字通り飛び起きたのだ。体を乗っ取られていたときのことは何も覚えていないらしいのだが、日頃の行い、ということで、勝手に犯人に指名されてしまった。

 その後、ファルマーの案内で邸宅に招かれて今に至る。


「いや、セイジのやり口はいつもこうなんだぜ。俺たちの体が少しばかり頑丈だからって、ろくな配慮もくれないからな」

「言ってろ。悪評判と、貸し借りの有無は別問題だからな?」

「それはそうだが、あわよくば新しい魔法を試してみよう、とでも考えていたんだろう?」


 まったくの事実であったので、目の前に出されていた温かいカップに口をつけて、黙秘を決め込んだ。カップのむこう側で、マリーがなんともばつの悪そうに視線を落としていた。


「しかし、ついにここにもカオスが出るようになったか。どうするか、つっても何にもできねえか……」


 ぼやいたファルマーが、背もたれに体重を傾けて、自分の角をがりがりと引っ掻いた。


「あのタイプのはそこまで脅威じゃないけどな。たちの悪いのになると、宿主が死んでも気付かれないように立ち回って、混乱に乗じてまた手近な宿主に乗り換えたりしてな」

「やめてくれ。胃に穴があく」

「あーあ。そんなのを相手にして、用事も投げ出して大立ち回りしたんだけどなあ……」


 自分が言われたら殴りたくなること請け合いの、憎たらしげな口調で愚痴をこぼしてみせた。その甲斐あったのか、ただ憐れまれたのかは定かではないが、ファルマーは髪をくしゃくしゃにして両腕をあげた。


「……わかったよ。貸しはなしだ。言ってみろ」

「おし、じゃあこいつの手入れを頼む」


 隠すように仕込んでいた一対の剣を取り出して、卓上に並べてみせる。淡いオレンジ色の光を放つその剣をひと目見て、ファルマーが途端に渋い表情をつくった。

 それに反して、予想外の食いつきをみせたのはクリスであった。身を乗り出して、尻尾を振り出さんばかりに目を輝かせている。


「わ、綺麗。魔力の宿った剣ですか?」

「ええ。触ってみますか?」

「いいんですの!?」


 初めて見る玩具に触れる幼児のような、それは無邪気な反応であった。言葉遣いまで、どことなく砕けている。

 正確な年齢は聞き及んでいないが、おそらくこれが年相応かつ素の振る舞いなのであろう。業物の剣を見て素が出るお姫様という点は、掘り下げるべき問題ではない。

 宙に半円をえがいた剣の軌跡が、光芒の点線で彩られた。ぽつりと浮かび上がってはじわりと溶ける光が、刀身全体から蒸気のようにゆらゆらと立ち上っている。


「凄いですね、この剣。握り込んでいるだけで、魔力が増していくみたいですよ」

「剣としても実用に足る業物ですが、厳密には剣術用ではなく、純粋な魔法具として打たれたんですよ」

「魔法具ですか? では、剣はどちらに?」

「持ち合わせておりませんが……?」


 途端に、クリスがわずかに俯いて押し黙った。何かまずいことを口走っただろうか。


「そう、でしたか……では、やはり、これはお返しいたします」


 両手に握った剣を静かに卓上に据えて、クリスは腰にさげた剣鞘をとりはずした。

 青い宝石が散りばめられた、実用性と鑑賞性を兼ね備えた意匠。夜空に浮かぶ星のような、するどく磨き上げられた刀身を、セイジはよく見知っていた。


「飛天龍……?」


 それは、かつて人の世の英雄として送り出されて踏み込んだこの大地で、亡失してしまったと思っていた双剣の名であった。まさか、称号とともにクリスが受け継いでいたとは思いもよらなかったが、さしあたっては別の疑問が唇から飛び出した。


「蒼龍だけですか? 片割れの緋龍は……?」

「折れました」

「…………折れた?」

「ええ。セイジさまの剣と真っ向から衝突して、このとおり」


 言いながら、クリスはべつの鞘を手に取った。鞘に巻きつけられるように固定された柄を手にとると、半ばから先を失ったひと振りの剣が、力なく手のひらにおさまった。

 同時に、クリスの言葉の意味を理解して、セイジは息をのんだ。

 王都の空の上、場をおさめようとして咄嗟に加わったあの剣戟。思わぬ逆境の前に、やむなく折ることをえらんだ彼女の剣。


 笑い話ですらなかった。探すことを諦めていたかつての相棒は、探し当てた直後、それを知ることすらなくみずから折ってしまっていたのだ。


「折った、だと?」


 もうひとり、笑い話ですまない人間、もとい鬼がいた。表情を確かめるまでもなく、絞り出された声は、およそ恩人に向けて発される音色をしていなかった。


「てめえ! 俺様の渾身の一振りを、よくも――」

「八つ当たりかい、親父?」


 勢いよく開け放たれた扉の音と、溌剌とした中性的な声が、激昂した鬼の言葉を中断させた。その場の視線が集中した先に、職人然とした格好の女性が嬉しそうに佇んでいた。


「こんな所までやってくる力のある人間に、使い手としての能力を求めるのは、ちょーっと無理があるんじゃない?」

「……盗み聞きとはご苦労なこった。ずいぶんと嬉しそうな顔してんじゃねえか、ミスラ」

「そりゃ、自分の打った剣が、親父の剣に勝ったとなればね」


 沈静化させにやってきたのか、煽りにきたのか、はっきりしてほしい。

 そんな思いなど一縷すら掬う様子をみせず、ファルマーの娘ミスラは満面の笑みを浮かべながら近づいてきた。


「セイジ、ここは任せて」


 ささやくように告げて、彼女はふたたび実父に向き直った。


「まあでも、しょうがないよね。あの双剣はクリスさんにあわせて打ったものじゃないから、セイジのために打ったあたしの剣のほうが、使い手との相性がよかったのよ」


 暗く表情を沈めたファルマーが、ぴくりと体を震わせた。名を引き合いに出されたクリスが、鬼人ふたりを交互に見比べながら、かけるべき言葉を模索するように口を開閉させている。

 目的は明快だが、その手段が手順を二、三段すっ飛ばしているのではなかろうか、といった具合のミスラの揺さぶりは、果たして最短にして最大の効果を発揮した。


「クリスさん、といったか」


 ファルマーの肩肘から緊張と憤怒の色が抜け落ちて、ミスラが後ろ手にピースサインを見せつけてきた。


「今回の謝礼とは言わねえ。緋龍と蒼龍、ふたつで一本の双剣、飛天龍。お嬢さんのために打ち直させちゃくれねえか」


 机に角をこすりつけて叩頭する姿に、少しばかり悔恨の念を覚える。が、今ここであれこれと口を出せば、今度はクリスが頭を下げかねない。


「ですが、その……」


 よそよそしくこちらに視線を運ばせたクリスに、頷き返してみせる。


「この剣は、私たち聖騎士に代々受け継がれているものです。力不足でないのならば、旅路のお供にしてやってください」


 剣が折れたことに紐付かないよう、選んだ言葉は功を奏したようであった。影をさしこんだようなクリスの表情が、たちまち晴天の明るみを帯びた。


「ありがとうございます!」

「よし、今日はもう遅いから、泊まっていくといい。セイジたちもそうしろ」

「あ、おい……!」


 勢い良く席を立ったファルマーを呼び止めたが、微塵も反応をみせずに部屋を去ってしまった。


「なにか、まずかった?」

「いや、世話になる予定はなかったからな。なんの準備もしてないし」

「大丈夫ですよ」


 マリーがにこりともせず、背負っていた荷物を持ち上げてみせた。


「洗濯物は部屋干ししていますし、着替えの用意もありますから」

「……ほんと、よくできた奴だよ、お前」


 妙に大きな荷物を背負っているとは思っていたが、万全の備えもここまで先読みが光ると感心するしかなかった。満足げなマリーの髪に掌をあてて、軽く撫でてやった。

 本音を言えば、浴場は借りうけたかったのだ。炎の魔法をはでに使ったせいか、衣服のあちこちに汗がにじみ出て、そこに大立ち回りで巻き上げた粉塵が付着している。気持ち悪いうえに、とても気兼ねなく他人の家の中をうろつける格好ではない。


「よし、じゃあ三名さまご案内!」


 意気揚々と歩きはじめたミスラに付き従って、見慣れた廊下をぶらぶらと歩く。先を歩くクリスの足取りがたどたどしいのは、疲労のせいか、はたまた物珍しげに視線を動かしているからなのかはわからなかった。


「――あ、ちょっとここで待ってて」


 客間の扉の前で、ミスラが何かを思い出したかのように振り返った。返事を待たず、勢い良く閉ざされた扉から、鍵の閉まる音がした。


「殿下。私は汚れを落としたら別の寝床を探しますので、それまで同室するご容赦をいただけますか?」


 沈黙を埋めるための発言であったが、礼節はかえって不適切であるかもしれない。彼女は王族としてではなく、聖騎士としてこの地にやってきた。しかるべき手順を踏んで試験を通過したのであれば、口にするのも躊躇する、血と泥をすするような経験も豊富なはずなのだ。

 どちらかというと、居心地が悪いのはこちらのほうかもしれない。王族というだけでも引け目を感じるというのに、年若い女の子という条件付きだ。


「お断りします。わたくしは今日、セイジさまの土産話を耳に眠る予定をしておりましたので」

「はっ……? それは……どういった……?」


 言葉の隙間を補間するように、背後の扉がゆっくりと開いた。首から上だけを突き出したミスラが、妙に嬉しそうな笑顔を浮かべてこちらをのぞいている。


「……なんだ、どうした」

「なんでもないよー。晩餐の準備ができたら、迎えを遣わせるからね!」


 それだけ言い残すと、ミスラは言及を避けるかのようにさっさと歩き去ってしまった。親の血が引き継がれているであろう逃げ足の速さに、もはや声をかける気にもなれなかった。

 おそるおそる身を滑り込ませた客間は、ひと目変わったところはない。無駄のない開放感のある内装は以前訪れた時から変わりなく、昼光色を基調とした照明と、ひかえめな趣向を凝らした家具と調度品の数々が立ち並ぶさまは、人の国にあるものによく似ている。クリスにも違和感なく受け入れられることだろう。

 とりあえず荷物をおいて、部屋の隅に据えられていたベッドに腰かけた。身が沈み込む勢いをそのままに、体を投げ出して天井を仰いだ。


「隣、いいですか?」


 天井に向けて広げた掌の隙間から、クリスが顔をのぞかせた。


「……どうぞ」

「では失礼して……てい!」


 寝転がっている相手の隣とはどういうことかと逡巡しつつ了承の意をしめすと、一拍の間をおいて、背面からベッドに身を投げだしてきた。


「ふふ、びっくりしましたか?」


 呆気にとられて硬直した表情に、嬉しそうに顔を向けてくる。その笑みは、だがすぐに薄れて消えた。


「セイジさま。わたくしは、明日にでも人の世へと発ちます」

「……お言葉ですが、それは性急に過ぎるかと。せめて魔力だけでも快癒するまで逗留なさいませ」


 我ながら普遍的な意見であるとは思ったが、事実、復路で何が起こるかまではわからない。クリスはベッドに頭部を預けたまま首を振って、否定の意思をしめした。


「もとより、セイジさまのお名前を免罪符にした出立だったのです。目的を果たしたうえ、剣の修繕まで叶ったいま、これ以上を欲するのは独善が過ぎますわ」

「私の名が免罪符になる時点で、端を発するのは私の出奔でしょう。独善どころか尻拭いですよ」

「ですが、お戻りになれるのなら、すでにそうなされているでしょう?」


 沈黙に後ろ髪を引かれるように、セイジが身を起こした。つられてクリスもそれに倣う。


「……事情は伺いません。お父さまも、セイジさまを連れ戻せとは仰っておりませんでしたから」

「陛下が?」

「ええ。ただ一言、すまなかった、と言付けを賜っております」

「そう、ですか……」


 遠くを見つめるような目で、セイジは頷いた。うなだれた姿勢のままふらりと立ち上がって、口を開こうとしていたクリスを振り返った。


「短剣の修繕を依頼してまいります。殿下はどうぞ、ごゆっくりなさっていてください」


 ぎこちない笑顔で放たれた言葉は、紛れもなくつづく会話を拒絶する意思をしめしていた。遠ざかる背を見送って、クリスはふたたびベッドに体を預け、ゆっくりと目を閉じた。


「もう、よいのですか?」


 セイジが開いた部屋の扉の脇、誰もいない肌寒い廊下に、マリーがひとり佇んでいた。


「なんだ、気ぃ遣ってくれたのか?」

「聞かれたくない話もあるかと思いまして」

「お前に隠し立てするような秘密は持ち合わせてねえよ」

「広まると困る秘密はたくさんありそうですけどね」

「やめてくれ。いよいよ人の世に帰る場所がなくなる」


 マリーはいつもこうして、すました顔で棘のある言葉を放つ。おおよそはからかっているだけなのだが、ごくたまに冗談で済まない表情をつくる。ちょうど今のように、吸い込まれるような大きな瞳にうつる紅色を深く沈め、遠慮のない物言いが鳴りを潜める。


「帰られるのですか?」


 どこへ、とは言わないのは、マリーなりの配慮なのだろう。


「……いや。少なくとも、今はそのつもりはない」

「では、これを。ミスラからです」


 後ろ手に持っていたのだろう、ミスラに修繕を依頼しようとして失念していた短剣を差し出される。いつ、おれの手元から掠め取ったのか、『では』という前置きはなんだったのか、反射的に言及したくなることだらけであったが、あとが怖いので触れないことにした。


「手入れするところはなにもない、とのことでしたよ」

「よかったのか悪かったのか、わからんな」


 ファルマーと顔合わせをせずに済んだことは、間違いなく前者である。そういう意味では、マリーの独断は結果的に英断であった。


「ともかく助かった。おれたちもひと息つこうか」

「はい。あ、そういえば、ミスラが妙に嬉しそうにしていましたが、なんだったんでしょうか」

「ろくでもねえことだよ、どうせ」

「悪戯好きですからね、あの人……」


 少なくとも、このやりとりよりは不毛だろう。その答えは、すうすうと寝息をたてるクリスを発見すると同時に解明された。妙に大きなベッドだとは思っていたが、寄り添うように設置されたふたつの枕と、その脇に『ごゆっくり』と書き置きされたメモ。間違いなく恣意的なものだ。

 そして、部屋のどこに目線を配らせても、残りのベッドはひとつしかない。


「……ごゆっくり、されますか?」


 そのベッドは、二度と起きることのできないベッドではなかろうか。


「ソファで寝るよ。お前はむこうのベッドを使ってくれ」

「ダメです。クリスはもちろん、あなたも平然と振る舞っているだけでしょう」

「大丈夫だっての……」

「他人に問われて言い訳のように大丈夫だと口に出す人は、おおよそ大丈夫ではないんですよ」


 人を片手間で嗜めながら、寝ているクリスの姿勢を正して、布団をかけてやっていた。言われっぱなしなのも癪だったが、図星なうえ正論なのだからどうしようもない。

 背を押されるがまま、部屋の反対側に据えられていたベッドに腰を下ろす。と、一息つく間もなく、身の丈ほどのソファが鼻先をかすめるように落下してきた。腹の奥が震えるような低音につづいて、クリスの声高な寝言が聞こえた。


「おかまいなく。私はこちらで眠りますので」


 どこからか引きずってきた毛布と枕を並べて、マリーは空を舞ってやってきたソファに寝そべった。あれこれ言い立てる気力もなければ、自分ひとりだけ起きているのもばからしくなったので、おとなしく横になることにした。

 明かりを消すと、夜もすっかり更けていたことに気づかされた。銀冠をかぶった山々が月と星の明かりを反射して、窓際の天井にほどこされた不規則的な模様を浮かび上がらせた。


 そうして何十分経ったろうか。疲労は感じる一方で、戦闘の後だからだろうか、目は妙に冴えていた。寝息だけが聞こえる部屋のなか、ぼんやりと天井に視線を貼り付けたままでいた。寝付きの悪い日は、決まってあの悪夢を見る傾向にあることを考えると、なおさら寝付けない。


「帰る場所、かぁ……」


 クリスはおそらく、本心からおれを連れて帰りたいと願っているのだろう。


 そのうえで、陛下からの伝言を素直に口にするあたり、自身がもつ称号の価値をめぐって、どれほどの謀略が水面下で交錯していることか。彼女は、まだそのことに直面する機会を与えられていないのだろう。

 それでいいと思う。同じ肩書を名乗っているとはいえ、彼女は王族だ。人の世に定住する理由など十分すぎるほどにあるし、将来的には国を担う義務も生じる。ただ才能が開花しただけの庶民とは、立っている場所からして違うのだ。


「……眠れませんか?」


 夜に混じる、ささやくような声が体を震わせた。身をよじって視線を転じると、こちらを覗き込むようなマリーと目があった。

 星空のような光を髪にたたえ、大きな紅色の瞳に静かな憂慮を溶かし込んで、おれの返事をじっと待つように動かない。


「正直、ちょっと怖い。今日は黒い魔力も使っちゃったし……」


 マリーに嘘偽りはできない。漠然とした不安をそのまま口にしてみせると、マリーはふっと口元をやわらげた。


「大丈夫。私がいます。安心して体を休めてください」


 ……この地に残った選択が正しかったのか、今はまだわからない。だが、今ここにある平穏を、この少女を守ろうとする意思は間違いではないはずだ。


「ああ……ありがとな。おやすみ、マリー」

「はい。おやすみなさい、セイジ……」


 月光のようなまっすぐな笑顔を見つめ続けていると、ふいに気恥ずかしさに襲われて、慌てて毛布にくるまった。

 わだかまっていた不安は、熱っぽい感情にゆるりと溶けてしまったようだった。

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