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遠い空に何を思う

作者: 林檎丸

オリキャラが苦手な方はお控え下さい

カウンセラ:軽く目を閉じてリラックスしてください。(暫くして)では、始めます。

竜崎 恐(以下、竜崎と呼称):お、お願いします・・・

伊賀甲賀 忍(以下、忍と呼称):竜崎さん緊張しすぎでしょw

大神 美男(以下、大神と呼称):こくり(軽く頷く)

カウンセラ:では最初の質問です。「あなたは今どこで何をしていますか?」

竜崎:台所で料理をしています。晩御飯用の鶏肉を捌いて、下味をつけています。恐らく、今晩は唐揚げですかね

カウンセラー:ありがとうございます。美味しそうですね。では次の方どうぞ

忍:遊園地に彼女と居ますね。お化け屋敷、観覧車、ジェットコースターにメリーゴーランドとかがありますね。

カウンセラ:彼女さんは何か食べていますか?

忍:クレープとかポップコーンとか食べていますね。食べきれんのかなーw

カウンセラ:では大神さんどうぞ

大神:雨が降っている。戦場の跡地だろうか、泥や鉄のような匂いがする。懐かしいな、以前傭兵として駆り出された場所だ。

カウンセラ:あ、ありがとうございます。では次の質問に移ります。リラックスしてくださいね。「あなたの幼少期と聞いて何を連想しますか?」

では、竜崎さんどうぞ

竜崎:黒いカバンに黒い制服、これは高校時代ですね。当時は色恋沙汰よりも徴兵の時代だったので、規則も厳しかったの覚えています。基本頭も丸刈りでしたし

カウンセラ:なるほど。ありがとうございます。では忍さんお願いします。

忍:黒いランドセルなんでこれは小学校かな?部活動は剣道部だったなー、めちゃ厳しかったけど楽しかったっけ。

カウンセラ:ありがとうございます。では、大神さんどうぞ

大神:(数秒の間が空く)

カウンセラ:大神さん?

大神:・・・ダメだ・・・何も出来てこない・・・(体が小刻みに揺れる)

カウンセラ:・・・何も・・・ですか?

忍:お、おい大丈夫か?(大神の体を支える)

竜崎:薬、今持ってますか?

大神:いいえ・・・大丈夫です・・・

カウンセラ:分かりました・・・では次で最後の質問にします。あなたは開けた平野に立っています。何も思わず、ふと空を見上げました。「遠くの空に何を思い見上げましたか?」

竜崎:そうですね。ぶぅっと空高くに大きな鳥が飛んでいますね。あれはなんですかね?燃えているようにも見えますね。あれは不死鳥ですかね。こちらに向かってくるようですね。

大神:燃えて・・・いる?

カウンセラ:大神さん?どうかなさいましたか?

大神:い、いや、なんでもない

カウンセラ:? 分かりました。では忍さんお願いします。

忍:うーんなんだろなー、黄昏の空に首の金具は処刑場ですかね。首が切られ・・・あっ切られましたねー、坂をコロコロ転がってます。うわっ、下のめちゃんこ首が転がってるわ。

大神:(小刻みの震える)

カウンセラ:大神さん?大神さん!大丈夫ですか!?呼吸できてますか!?

大神:俺を・・・みるな・・・あの時に俺ができることなんかなかったんだ!そんな目で俺を見るな・・・あれは・・・あの作戦は上層部の決定だったんだ・・・おれは・・・ただ・・・さくせんの・・・すいこうを・・・ゆうせんしただけなんだ・・・

?:いいや、アンタは俺たちを体のいい捨て駒として、巻藁として利用しただけだ

?:お前だけが被害者面してんじゃぁねえよ

?:ほんとにその作戦しか無かったのか?えぇ?参謀さんよう

大神:・・・まれ・・・だまれ・・・だまれ・・・だまれ・・・だまれ!だまれ!黙れ!!(ホルスターに入れていたカバメントを抜き銃口をこめかみに突きつける)亡霊共が!いい加減!消えて・・・無くなれ!(引き金を引く)・・・バンッ!


朝日がカーテンの隙間から差し込む寝室で大神は目を覚ます。いつも通り、目覚ましの一時間前に目覚めてた。竜崎もジョギングから戻っており、台所から朝食を作っている音がする


大神:おはようございます

竜崎:おや、お早い起床ですね。おはようございます。


忍はまだ起きてはいないようだ、そもそもまだ4時半すぎであるからだ


竜崎:随分寝汗をかきましたね。あとで洗濯しますので着替えておいてくださいね

大神:久々に悪夢を見ました・・・

竜崎:ほう、詳しくお聞きしても宜しいですか?(コーヒーを差し出す)


大神は夢の経緯を説明した


竜崎:なるほど。では、最後の質問であなたは一体どんなことを考えたのですか?

大神:私が関わった最後の作戦「骸の墓廟作戦(Operation Skulls Garden)」のことでした。俗に言う、神風特攻です。型落ちの戦闘機に片道分の燃料、積める限りの爆薬を積んで敵地に向かうという作戦でした。私自身も作戦の一員として先陣をきるはずが整備不良を起こし、飛び立てなかったのです。あの作戦以降ずっと付きまとってくるんです。ヘッドセット越しに聞こえてきたあの隊員達の悲鳴、嗚咽、怒号、泣き声が取り付くように・・・

竜崎(?):本当に・・・十分な報いを受けたとお考えですか?


大神ははっとして顔を上げて竜崎の顔を見た

そこには目や口に暗い穴があいた男がいた。声はまるで空洞の奥から聞こえるようだった。

突然、視界が真っ暗になった


大神は開けた平野に立っていた。遠くの空から戦闘機が向かってくる。悲しい顔をした骸骨が操縦し、敵地に突っ込んで行った。


ふと考えた、まだ償いは終わっていないと。黄昏色の空は轟音と爆音が響き渡っていた。



初の小説でした

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