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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第3章エルフの森
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浮遊魔法僕も使いたいな

水無月5周目風曜日


この状況においての手のひら返しはなにかあるのではないかって疑ってしまうんだけど、これは一体どういうことなんだろう。


「はあ、おじいさまを始め面倒な手紙が多かったのよ。神聖な森が汚されたから帰ってこいって。こっちは学生なのに」

「はあ」


急に身の上話しが始まったんだけど


「それで近い現象を引き起こしているから何か参考になるんじゃないかと思ってミライくんのことを話したら連れてこいってうるさくてうるさくて」


それ・・・完全に巻き込まれただけですよね。おまけに道中では僕のことを完全に疑っているような風にしていたし。今更そんな風に言われたところで何も変わらないんだけど。あ、でもご飯はおししかったです


「んーなんていうか、あなたたちのことを疑っていた方が色々と都合がよかったのよね。特におじいさまの前ではそうしておかないと面倒なのよ」

「どういうことですか?」

「おじいさまったら自分の言っていることが正しいって自信満々に言うんだもの。反対したらかなり反論してくるし」


あれか、完全なる老害というやつか。なんか少し先輩のことを同情しそうになるな。要は口うるさい人がいるからごまかすために一芝居打ったってことだろ?女は皆女優とかよく聞くけどまさしくそうだね。


「でもなんでそこまで自分を信じられるんですか?」

「なんか神託を賜ったって話しなんだけど所詮は戯言よね」

「そうなんですね」


神託ねぇ。『朱雀』とか『麒麟』みたいな神獣がいるから神クラスの生命体がいたとしてもなんらおかしくないよな。予言もあるって話しだし宗教とかがそれなりに栄えていたりするのかな。そこらへんのことをあとでクレアにでも聞いておこうか


「神託・・・か」

「クレアくんは聞いたことあるの?」

「それに近いものなら・・・ミライだってあるだろ?」

「いや、ないけど」

「・・・」


だって心当たりがないから。そんなこと言われてもな。


「(『麒麟』に会ったんだろ?この世界では神獣から言葉をもらうことを神託って呼ぶんだ)」


ああ、そういうことね。でも僕って『麒麟』から何か言葉をもらったっけ?


ー私に『理由』を求めないでくださいー


むかつくなぁ。思い出すだけでむかついてくるよ。なにスカした口調でそんなことを言ってくるんだ。そういえば僕の今の実力で『麒麟』とどこまで戦うことができるのだろうか。あれから強くなったとは思ってるけど・・・いや、まだだな。あのとき使った雷魔法は僕が使うのよりもはるかに高火力だしあの口ぶりだと他にも使える魔法があるっぽいからな。


「どうしたミライ?そ、そんなに怒った顔をして」


ああ、今でも思い出すと表情に出るくらい怒りの感情を持っているのか。うん、その感情はこれからも忘れないようしよう。また鍛錬を積むやる気が出てきたし。


「はあ、あなたたちもなのね。でもいいわ。少なくともそれで他人に迷惑をかけていないし」

「なんか・・・お疲れさまです」


そこまで哀愁を漂わせたため息をつかれるとこちら側もなんか誘拐・・・いや拉致か?のことについて怒る気力が全く湧いてこなくなるな。リンナ先輩も苦労していたんだな。てか、あのじいさんどんなことを普段から言っていたんだろう。逆にきになる。


「でも事件が起きているのは事実だから助けてくれるかしら?」

「もうここまできたら拒否権なんてないですよ」


もしかしたらリンナ先輩の目的って事件をただ解決したいそれだけなんじゃないのかな。だからおじいさんの言葉に従って僕らをここに連れてきて協力しなければならない状況に追い込む。それで万事解決だ。僕らの魔法にヒントがあるって思っているのは間違いないみたいだし。


「そう!なら助かるわ」


この満面の笑みを見るとさっきの考えがわりと当たっている気がするな。やっぱり裏表ありそうで怖い。


「何か言ったかしら?」

「なにも言っておりません」


本当に怖いよ。女性恐怖症になりそうだ。シェミン先輩とかなら癒されるのに


「それで、先ほどの続きですが、どうやって探索をしますか?粉塵爆発なら正直遠隔で起動も可能なのですが」

「僕とクレアで感知を行うってのはどう?二人でなら結構広範囲を見れないかな」

「だから遠隔起動されると僕らが見つけられるのはあくまで実行犯だけで爆発現場なんてわからないだろ?もし爆発されたら間違いなく立場が悪化するぞ」

「それもそうね。もしもう一度事件が起きてしまうとあなたたちのことを擁護できないわ」


まあ、言いたいことはわかる。でもそうなると今回のミッションはかなり難易度が高いことになるんだけど、やべえ、これ生きて帰ってこれるのだろうか


「だいたい爆発がokなら僕一人で対応できる、僕は熱感知ができるからね」

「それもそうか・・・でもさすがに遠隔といってもそんなに遠くないからこの森の近くにいるんじゃないか?」

「ミライはそれでいいよ。地上をお願い。僕はから探すから」

「「空から?」」


クレアが空を飛んで探すっていうのか?確かに障害物のない空からなら容易に探すことができる・・いや、これだと発火のためにばらまかれている粉を探すことができるのか。つまり作業効率が天と地ほどの差がある。探す視点も天と地だしね!


「急にどうした」

「滑った・・・でもどうやって飛ぶんだよ気球とかあるのか?」

「やけになるなって」


うわ、全部読まれたのかなり恥ずかしいんだけど。ここで自家用ジェット機って言わなかった僕の自制心を誰か褒めて欲しい。もしいっていたら今頃特大の爆発を巻き起こして自爆していたと思うし


「まあ、見てなって『浮遊(sky)』」


クレアが力を集中させるとクレアの体が宙に浮き始めた。え、こいつ今なにをしたんだ?


「クレアくん凄い!浮遊魔法って風系統のスキル持ち以外だとほとんど不可能だって言われてたのに」

「原理は用は空気の流れを利用した感じですね。さっきミライがいった気球みたいな」

「え?」


この世界には気球があるんだね。えっと、気球の仕組みって確か火で空気を熱するんだっけ?それでどうなるんだ?風が吹くのかな?


「ほら、暖かい空気って上昇するだろ?僕の周りの空気を温めることで上昇気流を作ってそれに乗っているだけさ」

「それで人の体が宙に浮くのか?」

「気球だって浮いてるだろ?まあ本音を言えば結構苦しいんだけどね。かなり熱しないと体勢を保つことができないんだ」


それでも凄いな。こいつ僕が新人戦の本戦を戦っている間にこんな力を身につけていたとは。僕もまだまだだし頑張らないとな


「奇想天外なのミライくんだけかと思っていたけどクレアくんもなのね」

「ほぼ毎日こいつを見てたらそういう考えも出てきますって」

「その言い方なにか釈然としない」

「まあまあ褒めてるから」

「どこがだよ!馬鹿にされてるように感じるんだけど」

「それはミライの心がよど・・汚れているからだよ」

「今淀んでるって言いかけたよね!よりにもよって淀んでいるってなにさ」


こいつだんだん僕に対して遠慮がなくなってきたんだけど。「それも移ったのかな?」おい、なにを・・・うん。これはさすがに否定できないっぽいし納得せざるを得ない


「本当にあなたたちって仲がいいわよね。私もそんな風になりたかったな」

「え?」

「ううん、なんでもない。さあ、探索を開始しましょ!」


よく聞こえなかったけど、なにか言いかけていたよな。まあ関係ないというか興味ないし、さっさと犯人探しをするとしますか

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