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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第3章エルフの森
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粉塵爆発なんて自然現象だからね

???


「エルフの森ね」


エルフってあれだよな確か授業で習ったよな。人間よりも優れた魔力を有している種族。迫害されることもなく希少になっていることもない種族。それでそんな種族の人間が僕に何の用なんだろう。何かした覚えないしな。唯一考えられるのは最初に転移した森がってことだけどあそこは『麒麟の森』っていう名前だったしなにも関係ないよね。


「関係ないかはこちらで判断する。君はただ私たちの質問に答えたらいいの」

「ならなんで移動する必要があるんですか」


質問に答えるくらいだったわざわざこんなことしなくても別にいつでも答えたり手伝ったりすることぐらいするのに。むしろこんなことされたら印象最悪なんだけど


「んーとね、なんか君の話をしたら連れてこいって言われてね」

「確かにそれを言われたら断りますね」

「え、断るの?」


なんでお前驚いているんだよクレア。だってそうだろ?僕の話を聞いて連れてこいって僕の対外的な評価はかなり低いんだからそれを聞いて興味が出るってそれ絶対に悪い方向にだろ。おまけに僕は転移者だ。そのことについて知った上で僕を呼ぶのだとしたらこういうのはいい話なはずがないというのが異世界モノのテンプレだ。野心にあふれた醜い貴族とかにいいように使われてしまうに決まっている


「(それはさすがに飛躍がすぎると思うけど)」

「なんで?僕なんですか?」


怖いけど聞いておく、まあ答えられないって返ってくると思うけど


「ミライくんのさあの爆発についてなんだけどさ」

「そういえばそんなこと聞いていましたね」

「そうそれ!それについて聞きたかったの」

「はあ・・・」


確かこの世界は粉塵爆発についての知識がないっぽいから確かに珍しいか。でもあんなのって普通の爆発でしょ?そりゃ準備に砂鉄をばらまかなければいけないっていうのはあるけれど基本的に普通の爆発と同じなはずなんだけどね。わざわざ呼び出されるようなものでもないし


僕は砂鉄を使っているけど一般的には小麦粉が主流なのかな?いや主流といってもこんなことを日常的に行っている人なんていないからなんともいえないけど。とにかく細かいモノなら何でもいいんだけどね。表面積が大きいことで加熱しやすくそれが広がることで発火するから


「あれってさ、仕組みはどうなっているの?」


仕組み?まあ別に隠すようなことでもないし話すか。といっても僕は専門家ってわけじゃないから正しいことを言っているのかって言われるとわからないんだけどね。


「ふーん、そんな風になっていたんだ」

「もう話したのでいいですよね?解放してくれても」

「そうね、わかったわ」


馬車が止まる。あれ?この展開って実はかなりまずいのでは。もういいだろって主人公が言ったあとに納得されて移動が終わる。次に言われる言葉って大抵


「あなたたちがどうして私たちの森に火を放つのか教えてもらえないかしら」


ほらこうなる・・・は?


「あのー僕関係ないですよね?ミライだけですよね」

「お前なにしれっと逃げようとしてるの?」

「だって関係ないし」

「それが友人のすることか」

「それこそ関係ないだろ」

「はいはい、わかったから説明してくれるわよね?」


いや説明してくれるわよね?って言われても何のことやら全く分からないので説明するもなにもないのですけど。一体僕がなにをやらかしたっていうんだ。僕はまだ何の罪も犯してないだろ「不敬罪」ソンナコトモアリマシタッケー


「わからないの?自分たちがなにをしてるのか。じゃあその目で確かめさせてあげるわ」

「もう僕も入ってるのは変わらないんですね」


リンナ先輩がついて来いというので馬車から降りて歩いて行くことにする。なんでこんな押し問答を馬車の中でやっていたんだ。さすがに窮屈すぎる。


馬車を降りればそこは森の入り口!というのを想像していたんだけどそういうわけではなく、普通の田舎の村のような感じの風景が広がっていた。「田舎は余計よ」そうですね。少し固定観念に囚われ過ぎていました。イメージすると田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に里帰りしたような感じにすごく近いんだよな。きれいな川が流れているし家もそこまで多くないし、建っている家の数は4〜5くらいか?エルフって普通に暮らしているって聞いたんだけどそうでもないのかな?


「ここが少し特殊なだけよ」

「そうじゃの、おかえりリンナ」


あ、なんか老齢の方が出てきたんだけど。おじいさんエルフか。いやエルフなのかわからないんだけどね。でもさっきのリンナ先輩の反応からして間違いなさそうだけど


「それでこやつが」

「ええ、放火魔よ。ついに捕まえたわ」

「放火魔ってなに?僕はここにくるの初めてだしなんのことかわからない」

「なにを言ってるのよ。あの爆発はあなたがしたんじゃないの?」

「爆発?」


なんか僕とリンナ先輩との間でズレが生じているような気がするんだけど。これは一度全部聞いたほうがいい気がするな。


「なにがあったのか教えてくれますか?」


せめて僕がここに連れてこられたことに納得するだけの理由があってほしいなぁ。というか今の日付が知りたいんだけど今何日?また学校を休んでしまったんだけど・・・はあもういいか


「あくまでしらばっくれるつもりかしら。なら全部話させてもらうわね」


まず、ことが起きたのが半年前。まあもうその時点で僕が犯人でないことは明らかなんだけど一応最後まで聞くことにしますか。森から爆発音が聞こえたので不審に思って行ってみたところ森が燃えていたらしい。


「山火事じゃないのか?」

「それなら爆発音が聞こえるわけないじゃない」


山火事の起きる原因は主に二つ。人間が人工的に行う場合と自然に発生する場合があるらしい。全部説明してくれている。まず、人工的。これはまあ僕でもわかる。人間が火を放つんでしょ。周りには木や枯葉といった燃えやすいものが沢山ある。だから火はすぐに広がっていくだろう。次に自然現象。木に雷が落ちることによる発火や山が活火山で噴火することによって火災が発生するのだとか。他にも滅多に起きないらしいのだが枯葉がこすれ合うことによる摩擦によって発火することがあるとのこと。ふーん、いい勉強になったな。発火手段は多彩にあるってことだな


「なに納得してるのよ」

「だってそれ僕関係ないですし」

「話を最後まで聞きなさい」


そしてこれが連続的に発生することになる。爆発音が聞こえたと思ったらそこで火災が発生している。これが自然現象だとは考えられないから誰かが意図的にしたものだと考えた。そして村から毎晩毎晩森を見張ることにした。しかしなかなか発火のタイミングを確認することができずなにも手がかりを得られなかった


そんなある日のこと、ついに現場を捉えたのだとか


「そこに僕がいたとでも?」

「いいえ、でもなんで爆発音がしていたのかわかったの」


その人曰く発火の前に大量の花粉が舞っていたのだとか。そこから急激に火の手が上がり爆発し、火災が発生したのだと


「花粉と発火の仕組みがわからなかったけど、あなたの説明を聞いてわかったわ」


まあ花粉でもできなくはない、か?でも僕が使うのは砂鉄だ花粉じゃない。それに僕はずっと学校にいたんだ実行できるわけないじゃないか。


「そうね、最初のはともかく最近のはあなたには不可能ね。でも発火のやり方を知っているのはあなたしかいないもの」


いや他にもいるでしょうに。確かに粉塵爆発なんてこの世界の人間は親しいものではないかもだけど普通に発生するからね?誰か気が付いてる人がいてもおかしくない


「でもおじいちゃんたちは知らなかったわ。物知りとされるエルフの長老たちがよ。だからあなた以外知ってる人はいない」


クラスメートたちは知っているんですけどね〜。でもそんなこと言えないし。


「だからさ。誰に頼んだの?そしてこんなことする理由を言いなさい」


理由もなにも僕全く関係ないから知らないし・・・さて、この危機をどう切り抜けようか・・・といってみる

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