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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第2章新人戦編
74/317

チート能力『夢』を破れるか?

水無月三週目日曜日


「はいじゃあ次の組みーミライ対クスノキ」

「だからちゃんと説明してください。『盟友の誓い』のミライと『次元の境界』クスノキですよ」

「もうサリアが全部やってくれよ」

「生徒会長であるあなたがしなければならないことですよ!」


サリア先輩とセリア先輩の二人の解説を聞きながら僕と楠は対峙する。やっぱりちゃんとした大会だけあって解説役が付くみたいだ。相棒がセリアさんだと大変だよなサリア先輩。


「もういいです。私も面倒になってきたので、はい、試合開始」


いやまだ5戦目ですよ?あと11試合残っているのにそれでいいんですか?というかサリア先輩、あなたが投げたたいけないでしょうに。誰か常識ある人いませんかー。あ、僕の周りで常識ある人ってサリア先輩とシズク先輩しかいない・・・つまりもうこれお手上げじゃないか


「なんか大変だけど、始めようか?」

「もうつかれたよ」


うん、ここであの犬の名前を言いたいけど多分内輪ネタだから通じる人少ないんだよな。ま、気を取り直して楠戦がんばろう。僕の予想ではこいつはサポート型、異常なまでのサポート系魔法の使い手だろうと判断する。つまり何が言いたいのかというと


「『電気鎧(armor)』」

「ひえ、いきなり突っ込んできた」


当たり前でしょ。君の性能的に明らかに戦闘に向いていないでしょうが。つまりクレア以上に近接戦闘に持ち込めば勝てるってことになるんだよ。なら距離を詰めるのは至極当然のことでしょうが


「『予知夢』」


まあ僕だってそんなに殴り合いとか経験ないけど基本は抑えている。急所を狙うことと相手の注意を逸らしてその隙をつくことだ。さすがにこんな場で急所をつくのもどうなのかって話だけど


「もう僕には下がるだけの好感度ないから問題ないよね」

「いや大有りだよ!」


クレアがいい感じに突っ込んでくれる、いやあこういう時に全力で突っ込んでくれる友人がいると遠慮なくボケられるから心強いなぁ「誰か変わって」残念僕には君以外に友人と呼べるような人はいないんd・・・


「辛い」

「自分でなにダメージ受けてんの?」

「えっと・・・『夢の世界へ』」

「あ・・・」


頭が揺れる急に視界が揺らぎ出してきた。これはあれか強力な催眠術。頭がぼうっとしてくる。これは辛い・・・


「にゃろ・・・」


しかたなくまた距離を取る。距離をとったところで催眠が弱まるとは考えつかないけれどもまあ気休めだよね。人間の防衛本能とでも言えばいいのだろうか。危険なものから遠ざかっていきたいっていうね。つまり今危険だと思われる楠から遠ざかろうってね


意識がはっきりとしない。催眠にかかった時ってラノベとかアニメとか小説とかの登場人物ってどうやって回避というかかわしていたっけ?えっと・・・自分以外の誰かに物理的衝撃を与えたもらうか催眠術をかけている本人を直接叩くとかかな。今は1対1の戦いだから他の人になんとかしてもらうことは難しい。だから


「『放電(thunder)』」


狙いがかなり外れる。やっぱり制度がかなり落ちてしまうか。あとは・・・時間経過でなんとかするしかないか?あ、それともしかしたら


「『電気の領域(field)』」

「な、なんで・・・紅君には効かないんだ?」

「はあ・・・はあ・・・」


やっぱり『領域』で弾くことができるのか。本当に便利すぎる魔法だよ。シオン先輩には・・・感謝・・・したくないけど「結局しないの?そこ感謝感激雨嵐の場面じゃないの?」あ、感謝感激雨嵐ってこの世界でも通じるんだね


なんとか催眠術を解くことができた。そっか、楠にはこの魔法があったのか、竜さえをも眠りに落とすことのできる強力な催眠術。・・?竜さえ眠るっていうのになんで僕は意識を失いかけたけども大丈夫だったんだ?人間には効きにくいとか?いやそれだと楠の驚きようからいって違う。というか楠はこれで予選を勝ち上がってきたのかな。眠ってしまうっていうのもある意味戦闘不能だからね。意識を失っているから


「僕だけが軽減された理由・・・僕だけがしていたもの・・・」


考えられることといったら『電気鎧(armor)』をしていたことだな。でもこれで催眠術を防げただなんて全く想像もつかないんだけど。電気を纏っていたって催眠なんて目で見えないものを防げるわけないでしょうに


「ま、なんでもいいか『電気鎧(armor)』」


もう一度近づいていく。保険として魔法は使ったままだ。なにによって防ぐことができたのかわかんないしまあ楠の調子が悪いとかそういうわけではなさそうなんだけどね


「『予知夢』」


なんかさっきは見逃しちゃったんだけどなんかつぶやいていないか?不穏だなあ。あ、催眠術の準備かな。それなら納得。それならあまり時間をかけることができないな。早めに一撃入れよう。強力な催眠術ってそれだけ準備に時間がかかりかつ、かなりの集中力を必要とするからね


「『電気鎧(armor)第二形態(Second)』」


最大火力で叩く。左手の拳をしっかり握りこみ、振りかぶり、殴っていく。それを陽動にして踏み込んだ左足を軸に体をひねって右足で回し蹴り。足にはまだ砂鉄を纏わりつかせることができないんだけどそれでも電気だけでも十分な火力になる。最悪当たらなくてもかなりの衝撃がいくから・・・あ、間違えた電気が擦りでもすれば痺れるからねそれで充分さ


あ、躱された。まあそりゃ一通りの体術は習得しているから当たらないか。僕も経験ないし。でも向こうも慣れていないみたいで攻撃を避けるのも簡単。なんて起動が読みやすいんだ


「え?」


普通に当たりました。なんで、死角からの攻撃だったな。でもあんな初心者のような動きなのになんで僕に当てることができるんだろう。もしかして油断してた・・・?


油断なく行こう。そしてせっかく接近できたんだ。この機会を逃すわけにはいかない。ちょっとよろけちゃったけど相手をしっかりみて少し当てに行こう。


「まじか・・・」


そしてまた避けられてカウンターを食らってしまう。なんでだよ。なんで僕の攻撃は当たらなくて楠のは当たるんだよ。力は弱いみたいで全く効かないけど。・・・もしかして、いやそんなことはない。だって、まるで、まるで


「まるで。僕の動きを知っている(・・・・・)みたいじゃないか」


それはまさしく未来予知。そんな芸当人間ができるとは想像つかない


「よ、よくわかったね。そう、これが僕の魔法『予知夢』対象の未来を見れるんだよ」

「それ、反則、だろ」


やっぱりこいつ僕の動きを読んでいるな。話しながら殴ってい・・・すみません殴りながら話しているけど全部躱されるんだよな。声かけたら少しそっちに注意がむいてくれるかなって思っていたんだけどそれも全く無意味だったし。


「で、でもこれで終わり。さっきなんで効かなかったのかわかんないけど・・・『夢の世界へ』」


きたな催眠魔法。こんな近くでやられたらかなり強い力になりそうだな・・・でも今は効かないと信じてなぐる。さっきのが偶然かもしれないけど僕はまた偶然にかける!


「な、なんで楠君には効かないの?」

「いや効いてるって・・・」


ふらふらするけど・・・なんとか耐えられるか?さっきよりもふらつきが小さいように感じるけどなぜだ?さっきと違う点って言ったら『電気鎧(armor)』が『電気鎧(armor)第二形態(Second)』になったぐらいだけど・・!そうか。そうだよな考えたら当たり前の話だった。催眠術って結局そうだよな。これは・・・僕の新しい魔法が生きるな!

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