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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第2章新人戦編
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1戦目を終えて

水無月二週目月曜日


「おーミライにクレアとりあえず一勝おめでとう」

「「ありがとうございます」」


月曜日の授業を終えて先輩たちと依頼を受けながら道すがら僕らの状況について話していた。僕としては格上に当たる「雷」スキルについての対策ができればいいなって気持ちで話し始めたんだけどね


「そのことですみません。二人を同じグループにしてしまって・・・」

「かまいせんよ」

「ええ、どうせいつか当たるんです。それが早いか遅いかの違いですよ」


サリア先輩から謝罪が来るけど僕らは別に謝罪を求めているわけではない。あの空気なら僕たちは不参加になりかねなかったし、それでもまだ参加させてくれたのだから感謝こそすれ謝られるなんて思ってもない。


「ありがとうございます・・・それで次の相手は『雷』なんですね」

「ミライの上位スキルか。まともにやりあったらまず勝てないだろうな」

「そうなんですよね」


授業で習った。基本的に上位互換のスキルには勝つことが難しいと。だから先輩たちになにかしらのヒントを求めているわけで


「それを俺たちが言うのは少し違うよな」

「そうですね。もちろん、あなたたちに勝って欲しいですがこれは自分で考えた方がいいと思いますよ」

「そうですか」


生徒会の人間だし教えちゃったら公平性に欠けてしまうのかな。それなら仕方がないな。自分で考えよう。それにクレアはあいつに勝ったんだしな。クレアにできて僕にできないとかきっとないだろう。


となれば・・・ってそもそも「雷」のスキルがどんななのか全く知らないんだけど。いや、それだけじゃない。スキル自体についての知識が全く足りていないんだよね。よく麺山に勝つことができたな今更感あるけどさ。


「ま、それはそれとして、今は目の前のこいつに集中してくれよな」


そうですね・・・でもあなたたちを見ていたら気が抜けてしまうんですよ。あなたたち強すぎなんですよねー


「諦めようミライ・・・今回の討伐相手、『スライムキング』を」


もはや恒例となった『キング』系統狩り。今回はスライムだね。うん。というか見た感じ巨大な水の球体の塊にしか見えないんだけど。色もなんていうのかな・・・水色?これって差別用語ではないよね?昔は当たり前のように使っていた『肌色』って言葉も差別用語になっているらしいからね。こんなこと言ったら何歳だよって話だけどこないだ聞いた時には驚いたんだよな〜。僕らがイメージする『肌色』と黒人がイメージする『肌色』が違うからっていうのが主な理由だけどまあ理由を聞いてみたら納得だよな。


それで『キング』系統というのはこの世界に生息している生き物の中の特殊個体、優れた個体のことである。群れの長的な感じなのかな。で、まあ普通の個体に比べてかなり強く大きい。モンスターの群れが大きい時は大抵こいつがいる。普通の個体がどうやって『キング』系統になるのかはまだ解明されていないけどどのみち面倒なのは変わりない。


「*****」


なんか言っているんだけどなにを言っているんだ?誰か、翻訳頼む


「お前たちを喰べると、言っていますね」

「わかるんですか?」


逆になんでわかるんだ?*****しか言っていいないんだけど。てか、どこで声を発しているんだよ。口どこにある。あ、口なかったら喰べることもできないか。じゃあどこかにきっとあるんだろう。見えないけど


「私には精霊の加護があるので」


精霊万能すぎないか。え、じゃあいわゆる全てのモンスターの言葉がわかるってことなのか。あのゴブリンたちのグギャア、グギャギャギャアとかも全部。


「普段は使わないんですけどね」

「よーし、さっさと討伐するぞ。スライム系の基本的な攻撃は触手だ絡みついてきたら気をつけろよ・・・幸いこいつは触手から卵を産み付けるタイプではないから心配するな」


ということはそんな奴がいるっていうことですね。気持ち悪いなぁ。やっぱりR−18定番のスライムさんですよ。触手プレイやら、触手からの産卵やらお手の物ですかって。ちなみに双璧をなしているのがゴブリン・・いやオークか。姫騎士の定番セリフくっころがあるからね。なにを言っているんだか。僕。ただの変態じゃないか。


「ミライって変態でもあったのか・・」

「さすがに引きますね」


いろいろつっこみたいけどまずクレア、でもってなんだでもって。そしてサリア先輩引かないでください。こっちは健全な青少年ですよ


「ははは、ま、そういうのがお前の世界では定番なんだな」

「有名なだけですよ・・・」


オタクだけでもなく、最近はそれなりの若者なら知っているんだろうな。最近は主人公チートあんどハーレムものが増えてきたし。そういったものに結構定番化されてきているからね。


「*****」

「!きたぞ。ミライお前は俺と一緒に最前線に立て。さっき失った信頼を取り戻すんだ」

「結局信頼は失っているんですね!」


そりゃたしかに信頼は作るのに数年失うのは一瞬だってよく聞く話だからね!というか前線に立っただけで回復する・・・わけないよね。くそう。グレン先輩が余計なことを言わなかったら


「それ俺のせいなのか?どうみても自爆だろ」

「うるさいです・・・『電気鎧(armor)第二形態(Second)』」


怒りの赴くままに拳に力を込める。とりあえずぶん殴ってやる。


ポヨ〜ン


軽快な音がなったきがして僕の拳は弾かれた。そうだよ。こいつスライムじゃん。打撃攻撃に強いって有名じゃないか。


「なんなんだ〜『想像(creat)』」


斬撃に弱いって聞いたことがあるから砂鉄で剣を作ってそれで斬りかかる。ああ、もう、上手くいかない!


「****?」

「いい調子ですよ。『神降ろし』」


再びサリア先輩の髪の色が赤から銀色に変化する。そして、


「ではお願いします」


スライムに氷の柱が突き刺さっていく。よくよく見れば飛び出している触手が凍っていないか?


「ないすだサリア。ミライ。俺たちは触手を防ぐぞ・・・『雷の拳』」

「ちょ、なに僕と同じ技使ってるんですか・・・そして触手が切れてる?!」


スライムからかなりの数の触手がうねうねと湧き出てきた。うわぁ。気持ち悪い。そしてそれを雷を纏った(・・・・・)拳で続々と切り裂いていっているグレン先輩。


「まあ俺はいろいろなもんを拳にまとわせることができるからな。今回もほら、空気をありえない速度で切り裂くことで空気中の原子から電子などを回収しているんだ」


なにを言っているのかわからん。理解したらダメな部類だと思う。


「ミライ、グレンのいうことは放っておくように。脳筋馬鹿ですので」

「脳筋ってひどくない!」

「あなたが力こそパワーでなんでもかんでもできるのがおかしいんですよ」


二人が言い争っている間にもスライムからの触手が伸びてきている。つまりなにが言いたいのかというと、この間。僕とクレアの二人でなんとかしているんだよね。でも徐々に押されてきている。あと1、2分持つかどうか


「いや〜クレアとミライに任せすぎたね〜」

「・・・そうだな」


スバル先輩とレイ先輩が代わりに戦ってくれる。なにをするんだろう・・・って少し息を整えた間に倒されてる!いや、さすがに早すぎでしょ


「サリアちゃんが結構削ってくれてたからね〜おまけにこいつは『キング』なりたてっぽかったし〜」


まあたしかに配下のスライムが全くいませんでしたけどね。・・・・?レイ先輩どうしたんですか?


「やる。クレアも」


そうして手渡してくれたのは、剣の柄。ん?柄だけってどういうこと?てか、クレアにはちゃんとして剣をあげてるじゃないか。


「砂鉄の剣を作るときこれを使え」


つまり、これを握った状態でこれの先に剣があるようにイメージすればいいと


「『創造(creat)』・・・おお!」


さっきよりもかなりスムーズに組むことができた。時間がかかっていたのがネックだけどこれなら解消できる


「ありがとうございますレイ先輩」

「ただの柄だ」


それでもありがたい。これなら戦いの際においてもっといい感じに使うことができるからね。よし、先輩から激励ももらったことだし明日の鳴村との戦いも頑張りますか

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