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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第2章新人戦編
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展開は突然に2

4000pvありがとうございます

これからも頑張ります

皐月4週目日曜日


ドラゴンを倒した次の日、朝起きると心なしか寮の中が騒がしい気がした。


「あ、ミライおはよ〜」

「おはようございます、スバル先輩。どうしたんですか?こんな朝早くに」


スバル先輩だけでない、先輩たちがみんな集合していた。今日って一体なにがあったっけ?


「いやぁ、明日視察の人たちが来るからさ〜慌てて整理しているわけ」

「そういえばそんなこと言ってましたね」


「光」の国の王様だっけ。この世界の王様って「人」の国の王様しかまだ知らないから偏見しかないんだけどいい印象はないんだよね。どうせまた上からの物言いで横柄で権力に固執した偏屈ジジイなんだろうね


「ミライ?君って時々肝が冷えることを言うよねまさかと思うけどそれ本人たちの前では言わないでよ?」

「もちろんで「無理でしょ」ちょ、サリア先輩!」


な、なんてことを言うんだ、確かに僕は思ったことを口に出してしまう性格だけど、そんな王様の前でそんな口を聞いたことはないって


「ミラから聞いた。ジンスフィアの王様に無礼を働いたとか」


ソンナコトモアリマシタネもう記憶から消したから忘れたけど。で、僕は何かできることはありますか?手伝いますよ


「じゃあ食堂の掃除をお願い〜」

「わかりました」


今まで行ってなかったけど僕は掃除自体は嫌いではない。「掃除は心の鏡です」なんて教訓も中学校の時にはあったっけ。まあ教室とか掃除していて床とかが綺麗になってゴミが消えていくのはなんとも言えぬ心地よさがあったんだよな〜。


というわけで掃除開始!・・・そこまで目立った埃とかはないから、普通に雑巾を水で洗って拭いていくか。布とかはちゃんと存在してるんだよね。まあ服とかがあるし今更か。拭いてみて・・・雑巾を見てみると以外と汚れていたな。実はこそっと週一回くらいのペースで掃除をしてたんだけどね。


「あ・・・ミライくんお疲れ・・・ありがと」

「いえいえ、他には何かすることはありますか」

「・・・もうないかな・・・クレアくんが来てるし・・・二人で模擬戦でも・・・してきたら」

「ありがとうございます」


大丈夫そうだし、シェミン先輩に任せてクレアと旧修練場にでも行きますか。やりたいこともあるし


「クレア〜」

「あ、ミライ。ちょうどよかった。練習したいことがあるんだ」

「僕も頼みたいことがあるんだ・・・多分同じことだよね」

「そりゃね」


というかクレア〜お前『領域』についてのあの使い方知っていたのなら教えてくれてもよかったのに。一言「『領域』って防御にも使えるんだよ」って


「いや〜僕しか使えないってなんか優越感を覚えちゃって。でもミライもすぐに使えたじゃないか」

「それはそうだけど」


ま、今回頼みたいこともそれに関係することなんだけどね。もっと自分の技について研究したい。そのために一番頼みやすいのがクレアだから


「じゃ、ついたしやろっか。僕からでいいか?」

「いいよ。『放電(thunder)』」


僕はクレアに向かって電撃を放つ。きっと同じことを考えているだろうからこその打ち合わせ無しの行動。


「やっぱりわかってくれたか『火の領域(fire・field)』」


それをクレアが『領域』で弾く、威力は控えめで撃ったから簡単に弾き返される。そして僕の予想が正しければ次に来ることは


「次はミライだよ『火の玉』」


やっぱりきた!だよねだよね。


「『電気の領域(field)』」


そして僕も同じように弾き返せ・・・ない!まじかよ


「ちょ、もう少し威力抑えめにしてよ」

「ごめんごめん、ついつい」


つい、じゃないでしょうに。僕たちがやりたかったことは要は、研究。僕たちの力で今の段階でどれだけの力の魔法を弾くことができるのかを知りたかったから。こうすることで相手の魔法に対して避けるのか、それとも弾いてからカウンターを仕掛けるのかで選択をすることができる。戦略の幅を広げるって意味でも、大切なことだった。


「さっきのがどれくらい?」

「僕は半分くらいかな・・・技の威力は距離が近ければ近いほど高まるからなんとも言えないけど」

「でも昨日は弾けてたよな」


いくら距離が離れていたとはいえあの時の竜の攻撃を弾けたなんて考えにくい。・・・いや、考えるまでもなかったか


「ああ、ごめん、昨日は四万十さんの補助があったから」


なんの魔法を使ったのかはわからないけど何かしらの補助魔法を使っていたとしてもおかしくない。彼女は戦闘系ではないけれども普通にチートの一つ『聖』のスキルを持っているのだから


「そういうことか・・・なあミライ彼女も転移者だろ?僕たちとは桁が違うな」

「そうだね」


なんで僕が転移者であることを確かめようとしないだ?天衣たちが言っていただろ僕のことを「紅」って。肝は僕をミライと呼んでいる。そこに違いがあることに気が付いているはずだ。それでも何も入ってこない理由として考えられるのは


「クレア・・・」

「ん?どうしたんだい」

「・・・いや、なんでもない」


君も、僕と同じで何か隠しているんだろ?僕に何も言う資格はないけれど、それでもいつか話せたらいいな


そのあとはお互いに魔法を打ち合い弾きあった。軽く模擬戦をしようかと思ったけど、今日は特にやる気が起きなかったからやめておいた。なぜだかわからない。それでもなんとなく、したくなかったんだ


「そろそろ帰ろうか」

「そうだね」


いい時間だから帰ることにする。僕が訪ねてから少しだけ気まずい空気が流れている


原因はわかっている。僕が早く告げたらいいんだ。でもなぜか言いたくなかった。なんでだろう。自問自答する。・・・ああ、僕は転移者としてクレアと向き合いたくないんだ。ただ一人の人間として向き合いたい。大丈夫だとはわかっているけど、それでも異世界モノの小説では「転移したモノ」ってだけで色物で見られてしまう。天衣が注目されているのだって今でこそゴブリン集落潰しだって言われているけど最初はチート持ち(異世界から来た者)ってことで噂されたに違いない。そこで少し強そうだったから討伐隊に組み込まれた・・・そんなところだろう。似たようなことも言っていたし。


少し気まずくなりながらギルドに帰ってくるとそこには立派な馬車が止まっていた。あれ?誰か来たのかな


「やっぱり貴様はこの学校にふさわしくない!さっさと去れ!」


そして見るからに偉そうな空気を醸し出しているおっさんが現れてそんなことを口にした。なんだよ偉そうに。つーか誰に言ってるんだ?誰もいないけど・・・もしかして幽霊でもいるのかな


「何言ってるの?・・・ほら、きたよ」


かなり冷たい声。本当にクレアから出てきた言葉なのか。でも言いたいことはよくわかった。そのあとに現れた騎士っぽい人が誰かを抱えていたから。いや、抱えていたという言い方は適切じゃないな。あれはもはや引きずっていたよ。あいつは人権って言葉を知らないのか・・・あ、この世界には人権という概念がないのか


「・・・え?」


でも、今はそんなことを気にしている余裕がない。だって、なんで・・・どうして・・・そんな言葉が僕の頭を埋め尽くしていく。


「シェミムグムグ・・・何するんだよ」

「待って様子をみよう・・・見なきゃダメだ」


その声がかなり悲痛な声だったから、僕は素直に従った。でも、どうして何だろう。なんでシェミン先輩が


「ほら、いくぞ。お前を連行する」

「どうしてですか、あなたたちにそんな権利はないはずです!」

「・・・こいつは我々に無作法を働いた。なんでギルド員総出で出てこない」


・・・え、まって、ということは、今この状態になっているのってもしかして、


ーぼ く の せ い な の か

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