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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第1章 失われた学校生活の続き
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この世界を生きるもの

皐月一週目日曜日


学校が始まって初めての休日。のんびりするべきかそれとも鍛錬をするべきか・・・


「ミライーちょっと模擬戦しよー」


あ、クレアからきた。じゃあ今日は模擬戦で1日つぶれる感じかな。クレアがどれだけ強くなっているのか確かめるのもいいだろう。「いや、僕の方が強いから」いいや僕の方が強いから




「・・・負けた」

「よし!ミライに勝った」


負けてしまった。まじかよ・・・もう一回だ。今度は僕が勝つ。「今やっても変わらないと思うよ」確かにクレアの言う通りだな。よし、じゃあ来週の日曜日にまた勝負だ。


「わかった。いいよ」


よし、じゃあ一週間本気で練習をしてこいつよりも強くなってやる。・・・あれ?僕の目標ってなんだったっけ。なんか離れて行っている気がするなぁ


「時間もいい具合だし、昼ごはん食べない?」

「そうだね。ついでに食材も買っておこうと思う」


クレアと他愛のない話をしながら街へでかける。放課後とかなら少し気合を入れないと行くことは難しいけど休日とかなら時間を気にすることなく行ける


昼ごはんは普通の定食屋だ。僕はそこでカレーっぽいものを食べる


「なあ、サクヤのことだけどさ」

「ん?昨日のか?」


いたなーそんな自分にものすごく自信を持っていたやつ。あの振り切れっぷりは少し羨ましさを感じるな。


「そう、気になってシズクさんに聞いてみたんだけど、実力は折り紙つきみたいだ」

「そうなのか」


聞けばサクヤもゴブリンの集落を一つ潰したとか。いやだかた多すぎるだろ。でも僕が驚いたのはそこではない。


「青目に勝った?」

「うん、そうみたいだよ。転移者の中の実力者の一人、アオメに勝ったって」


青目ってあれだよね『勇者』のスキルを手に入れたいわゆるチート系の一人。それが負けるなんて・・・やっぱりあの自信はそれなりの結果に基づいているのか


「まあそれは入学直後の話らしいけどね・・シズクさんいわく、今ではアオメの方が強いだろうって・・・いやアオメは強すぎる」


推測になるのは再選が行われていないから。お互いに特にそんなことを気にしたいとは思っていないみたいだ。どのみち、同じギルドだから新人戦の頃には再選できるだろうと思っているとのこと。青目って第1ギルドだったんだね。


「強すぎるってどういうことだ?」

「・・・これは噂というか、シズクさんでさえ聞いた話なんだけど。彼はもう上級生を相手にしても互角に戦えるとか。サクヤがどれだけの実力かはわからないけどでもまだ上級生には負けるからね」


それでも一概に青目の方がつよいとは言い切れないのは単純に相性の問題もあるからだ。まあ青目の場合は『勇者』だからそんなもんいっさい関係ないだろうけど


「ま、そのうちわかるさ。でも、僕たちがしなければならないことは」

「わかってる、『領域』使用中に別魔法の使用ができるようになること」


先輩たちから言われていることの中で一番強く言われているのとだ『領域』を今まではオーラ的な感じで使っていて一回吹き飛ばしたらそれでハイおしまいっていう状態になっている。それではまずい、らしい。なんでこんなことを言っているのかはわからないけどそれでも先輩たちがいうのだから今は従うことにする


「よし、じゃあ帰ってから各自で特訓だな」

「うん、じゃあまた」


そのまま別れる。そのあと帰ってから自主トレを行った。まあ少しづつ進歩はしたのだろうけどやっぱりなかなか進まないな。それに休日ってこともあって少しゆっくり目のメニューで行った。もしかしたらクレアはもっともっっと努力をしているのかもしれない。そんなことが頭をよぎったけれど、ここでキツイメニューでしてしまったらきっと僕は長続きしない。悲しい話だけど自分の性格は自分自身がよくわかっている。それに明日は下手したらドラゴンと戦うなんて展開もありえるからね。


そんなわけで緩やかでゆったりとした休日を過ごすことができた。体力も大分回復したようなきがする。やっぱり人間休憩も時にしないとダメだね。神様だって6日間働いたあとに1日休みの日を作ったっていうし、人間がずっと動き続けるなんて無理な話だよね。え?神様の件間違っていた?ごめんうろ覚え。







皐月二週目月曜日


二週目が始まる。さあ今週も頑張っていこう。というわけで気合十分で歴史学の授業に臨む。あれ?実はあまり関係ない?まあいいか。


「よーし授業を始める。今日はこの世界に存在する種族についての説明をするぞ」

「先生!この授業って歴史について学ぶんじゃないんですか?」


でたでた。なんでもかんでも先生に聞くやつ。まあうちの場合は三在とか山本とかだ。どこのクラスにもいるものだよね


「まあそうだけどこの学校では授業カリキュラムなんてあってないようなものだしな。それに歴史を学ぶにおいて種族に関しては切っても切れないと思うぞ」


確かに僕たちには知識が圧倒的に足りていないからなんでも説明されるとありがたい。魔族がいるってことはわかっているから他にどんな種族がいるのかな。ドラゴンも一つとカウントするなら結構多い気がする


「というわけで説明して聞くぞ。この世界には人間の他に魔族がいることはわかっているな」


そうだね・・・さっき思ったけどでもうなづいておく。僕と同じようにうなづいているクラスメートも多い。日本人はこういう時に素直なのだ。でも一応滅んだことになっていますけどね


「他にはエルフ、鬼、竜種まあ古竜種もいるがそれらを纏めて竜種、獣人ぐらいかな。これからひとつひとつ説明していこう」


エルフとか急にファンタジー要素を出してきたな。てかやっぱり竜種いるんだでも普通に討伐しているみたいなんだけどそこのところどうなんだろう


まずエルフ、妖精とも言われるこのファンタジー定番の種族はやはりというべきか人間よりも高い魔力を有しているらしい。精霊との関わりも強く自然系のスキルが発動していることが多い。エルフといえば迫害されていたり希少種であることが多いがこの世界では特にそんなことはなく普通に生活しているらしい。人間とエルフのハーフも生まれたりしているとのこと。それでもそんな数はそこまで多くないらしいが。


次に獣人。これも定番。人間と比べて力のかなり強い種族。その代わりに保有している魔力量はそこまで多くない。エルフと同じく自然系のスキルが発動していることが多い。というかそもそも自然系のスキルが発動することが多いのが普通らしいから種族の特徴と言われても違うって話になるっぽいけどね。こちらはエルフと違って国を作って生活している。一口に獣人といっても犬系や猫系などそれなりに種類がいる。


「君たちには人間と動物のハーフといったほうがわかりやすいかな?そして竜種。これは知っているものも多いが討伐対象になっていることもある。それについて説明しよう」


基本的に僕たちとは相容れない存在らしい。理由として竜種は僕たち人間を下に見ている。竜種は人間よりも・・・いやエルフよりも強大な魔力を持ち獣人よりもはるかに強大な力を持っている。ゆえに竜種は自分達こそがこの地を統べるべきだと思っている。それでは魔族と同じではないかと思うが竜種は思っているだけで行動には起こしていない。だから危険だとはされていても他の種族でまとまって滅ぼすなんて考えにはいたっていない。それに魔族との戦いで互いに肩を並べたこともある。魔族の危険性をわかっているからこそ彼らは行動を起こさないらしい


「でもね。若い龍に限って馬鹿げた考えを持つんだ。それが各地で暴れている竜種の正体だね。人間の言語を話すことができるのは一部の龍のみだから意思疎通なんて取れない・・・」


幸運なことに暴れている竜種は基本的に一匹らしい。だから大勢で具体的な人数は100人前後で討伐することが可能らしい。一人一人の力では負けていても力を合わせれば勝つことができるってことかな。いやそれを4人で倒そうとしていたのかサクヤは。そんなの無理に決まっている。10人弱で倒している先輩たちのことは考えたくないけど


「さて、最後かな鬼と呼ばれる種族だ」


鬼、古来より人間に恐れられている存在。強い力を持ち金棒を持っている妖怪の一種。泣いた赤鬼とか色々と逸話もあって意外に親しまれてるよな。節分にはよく豆投げるし。悪い子はいねえかーって襲いかかってくるし・・・それはなまはげか。


「まあ出会うことはないと言ってもいい。もう滅びた種族だ。生き残りがいるかもしれないが数は少ない」


なんで滅びたのかは全くわかっていない。しかし人間から嫌われている。理由は単純で彼らは人間を食べる種族だからだ。その中で最も恐れられているのが『吸血鬼』と呼ばれる存在のこと。吸血鬼っていえば西洋の化け物だっけ?人間の血を飲み太陽の光を嫌い暗闇を生きる、不死なる生き物。苦手なものが十字架とニンニク、銀の板で心臓を刺されれば死ぬとか太陽の光を浴びると灰になるとか鬼と同じくらいそれらしい話が広まっている。まあ日本の妖怪ではないから逸話自体は少ないけどね。それでもマントを被って格好いいって感じで有名なのは間違いない


高度な魔術を扱うとされる生き物で自然系というよりも邪悪な魔術ーいやよくわからんーを使うらしい。らしいらしいばっかりなのは生きている例がいないからまったく研究することができないし昔の資料から推測するしかないそうだ


「ま、こんな感じか。君たちが生きていく上で必要な知識をこれから伝えていくから。ではまた来週」


吸血鬼なんて絶対に出会わないだろうからどうでもいいよね。さ、次はスキルの授業だ。頑張ろう

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