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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第9章 みらいへ
310/317

クレアとのラストバトル

???


「僕を止める、か」

「そうだね」

「ふふっ」

「何がおかしい?」


僕の答えを聞いてクレアは笑う。どこか変なところでもあったのだろうか。特にないと思うけど


「いや…まさかこんなにも早く僕のまえにたつとは思ってもみなかったから…しかも全部理解した上で」

「そうだな」


さすがに友人を死ににいかせるなんてそんなことを許容できるはずもない。白虎も言っていたじゃないか。このままだとクレアは負けてしまうって


「ミライがしようとしていることはわかるよ」

「…なら」

「でもそれは、僕から言わせれば君が死ぬことになる」

「…」


逆からみれば…きっとそうなのだろうな。僕がここで残ってここに来る奴らと戦えばきっと…僕は死ぬだろう。でも、それは覚悟してきた。


「ミライはこの世界の住民じゃない…だから君が死ぬ必要なんて全くないんだ」

「…」


クレアの主張もわからなくもない。もし地球にクレアがきて…同じようになっていたとしたら…僕はそれを許容できるだろうか。こうして立ちふさがる友を…死なせることができるのだろうか、僕には絶対にできない


『お互いに譲れない思いでここに立っているのね…どちらもこの世界のために命を賭けようとしてくれてる。ごめんなさいね。そんな…辛いことを選択してもらって』

「「別に構わない」」


僕とクレアの声が重なる。お互いに考えることは変わらないみたいだ


「「クレア/ミライが馬鹿にされないなら」」

『あんたたちねぇ…』


別にこの世界のためじゃない。あの時に自分がどんな扱いを受けたのか、それがこれから永遠と繰り返されるとしたら…それはきっと、とても悲しいものだろう。悲しいから、終わらせたい。世界のためなんかじゃない、自分たちのためだ


『…それでいいのよ、それで』

「だからミライ…ここは引け!」

「だからクレア…ここは僕に任せろ!」


お互いに宣言する。やっぱり…お互いに譲る気なんて全くない。それだけの覚悟をして、僕たちはここにいるのだから。それほどまでに僕たちは互いの身を案じているのだから。


「やるしか…ないか」

「絶対に止めてやるよ」


にらみ合う。もう…するべきことは、これから何が起きるのかは、わかっている。こうして対峙した時から…できれば避けたかったけれどそれは無理みたいだ。


「「絶対に…僕が、勝つ!『電気/火の世界』」」


お互いに『世界』を発動させる。僕たちは何度も戦ってきた。だからこそ互いの防御能力はわかっている。だから…長引かせることはいくらでもできる。でも、それでは意味がない。ここに…この場所にクレアを殺そうと向かってくる集団がいる。だからこそ、明示していないが僕たちには明確なタイムリミットが存在する。それを終わらせるためには…圧倒的な攻撃力で打ち砕くしかない


「『(flare)』」

「『(thund)(ervolt)』」


手を上に掲げ、電撃の雨を降らす。一方でクレアもかなり凶悪な魔法を放ってくる。多分『火』が進化した魔法なんだろうな。お互いに得意魔法を打ち合った感じなんだろうな


「『電気鎧(armor)第三形態(third)』」

「『炎の鎧・霊華』」

「新しい鎧か…」


クレアの纏っている炎はいままでとは何かが違う。何より色が青い。青い炎ってだけでそれだけで威圧感がすごいよな。特別な炎見たいな感じもするし


「それじゃあ…」

「始めよっか」


僕たちは互いに一気に距離を詰める。僕の方が近接戦闘が得意なはずだけど…あえてきてくれたのかな?いや、違うな。遠距離だとどうしても時間がかかる。避けることができるから


僕たちは互いに右手を突き出す。最初は安直に受けようと決めていたからそのまま拳を受ける。向こうも同じように考えてくれたのか僕の拳はそのままクレアに直撃した。


「お互い考えることは」

「同じみたいだね」


だから次の手段も分かりきっている。そのためにお互いに自分の魔力を付与したからな


「『遠隔起動(remote)』」

「『発火』」


自分の肩が爆発する。左肩が痛む。血が流れでたみたいでゆっくりと滴り落ちていく。ふと横を見れば爆発していた。いやまあそりゃそうだよな。血が噴き出している。ミライの方も見れば僕と同じような感じになっている


『二人とも…』


イフリートの呆れたような声が聞こえてくるけれどもしょうがない。というかこれしかない。今まで何度も戦ってきたけれど今回はちょっと違う。お互いがお互いのために命をかけて相手を助けるために戦っている。だから…回りくどい戦い方ではあるのだけど、それでもこれ以外の勝ち方ではお互いに納得できない


「『創造(creat)』」

「『炎の剣』」


「「うおおおおおおおおおお」」


互いに剣を手に持ち…ってかクレアのやつ、それ炎の剣を持てることができたのかよ。後ろで他に剣があるけど…僕のもまあ伸ばしたりある程度の自由が効くからお互い様だよね


クレアの剣が振り下ろされる…それと同時に後ろの剣が飛んでくる。それらをすべて察知したから片手でクレアの剣を受けつつ、もう片手に砂鉄を集めてそれを後ろの剣に合わせる


「…未来予知、か」

『名前の通り、その力を手に入れたのね』

「よく一回の攻防で見切ったな」

「動きのタイミングがやや早かったからね…見切られてるって感じたよ」

「なるほどね」


それでもすぐにわかっちゃうもんなんだな。てか今、さりげなくやってみたけど砂鉄の剣を二本用意することってできたんだな。両手持ちか…格好いいけど…扱いづらいな。両手の方がしっかりと力を込めることができるし


「『太陽(the・sun)』」

「!…でっか」


巨大な火の玉が出てくる。てかあれ火っていうよりかもはや名前の通り太陽だろうそれほどまでに巨大な火の玉が飛んでくる。あれ?これどうやって防げばいいんだろうか


「それじゃあ…いくよ?」

「にゃろっ『電磁砲(レールガン)』」


向かってくる火の玉には貫通能力が高いこれで反撃するしかない。これで中心に穴を開けることができればうまいこと避けることができる、気がする。


「ちっ」


火の玉と鉄の塊、それらがぶつかり合う。でも、鉄は熱に弱い。徐々に、徐々にだけど押されてきている。いや、あれに少しの間でも持つことができたのならそれで上等だ


「一発でダメなら…何度でも打てばいいんだよ『感知(feel)』」


そして僕があの擬似太陽に夢中になっている間に攻撃してこないように僕は感知魔法を発動させる。さて、と。


何発も打ち込んで…やっと相殺することに成功した。それで、クレアはどこに…


「『火の剣』」

「そこかっ」


警戒はしていた。でも、それでも防ぐことはできなかった。右脇腹に突き刺さる。


「うぐっ」

「心臓を狙ったはずなのに…さすがだね」

「『放電(thunder)』」

「おっと」


至近距離で電撃を放ってみるけど余裕で避けられる。ならば「『針金(needle)』」


「地中から直接攻撃とはね」

「はぁ…はぁ…」


こちらもお返しで一回突き刺すことに成功した。そして、互いにまた距離を取る。あいつが倒れるまで先に、倒れるわけにはいかないからな

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