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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第9章 みらいへ
305/317

拝啓 牢屋にて

最終章開幕です

???


あれからどれだけ経ったのだろう。僕は目を開ける。最初は慣れなかったがしばらく生活していれば慣れるものだ。…この牢屋の生活も


そう、僕は今、牢屋、の中にいる。逆に言えばそれしかわからない。幸いなことに持ち物だけは無事だった。持ち物といってもコンパスだけだけど。でも…もう意味をなさない。恐らくだけど術者であるシバさんが死んでしまったからもう効力を発揮しなくなったのではないだろうか…それとも一週間が経過したからなのか?


いや、そんなことはどうでもいい。シェミン先輩も大事だけどそれよりも…クレアが心配だ。あいつは…間違いなく人類の敵になっている。どういう理由でなったのかはわからないが、魔王としていることに決めたみたいだ。でも、そんなのは間違っている。だから、あいつを止めなくてはいけない。魔力も…大分回復してきた。少々きになることはあるが、それは別にいいだろう


「囚人番号304」

「…」

「お前に面会だ」

「は?」


僕に面会?そりゃ最初は僕からクレアの情報を得ようと様々な国の人間が接触してきたけど僕が何も口を割らないことに苛立ちを感じて僕を拷問にかけたが…結局二度と来ることはなかった


「久しぶりだな」

「お前は…」


来た人たちに驚く。それはいつぞやの…シェミン先輩を拉致しようとしたどっかの間抜けな王様と僕とクレアを剣で貫いた騎士じゃないか


「おい…こいつを殺せ。失礼な奴だ」

「しかし陛下、このものはh…あの吸血鬼の情報を持っています。せめて話を聞いてからにしましょう」

「…」

「そうか。おい、我の質問に答えよ」

「断る」

「ふざけんなっ」


いやふざけるなって言われてもさ、お前のことを何一つ尊敬していないからこんな態度を取ったとしても仕方がないよね。


「『天』の国のとある村で、吸血鬼にまつわる何かを手に入れたはずだ」

「…!」


こいつは…なぜ、そんなことを知っている。僕が、あのコンパスを手に入れたことを知っているのは僕とクレアと、シバさんとソニアさんそれだけのはずだ。まあ精霊たちもみていたから…こいつは精霊使いなのは?


「ほお、顔色が変わったな」

「何を知っている。吐け!」


両腕を引っ張られ乱暴に扱われる。うっかり表情にだしてしまった。でも、それでも、僕は口を決して割らない。割るわけにはいかない


「お前らに…話すことなんてない」

「貴様…おい、こいつの持ち物を調べよ」

「はっ」


そして僕は騎士に掴まれ、調べられる。くそっ、僕は抵抗することできずに、あの、コンパスを取り上げられてしまった


「これはなんだ?」

「…」

「言わねば刑期が伸びるだけだぞ?」

「…」


それは別に構わない。好きなだけ伸ばせばいい。そういう思いで僕はこいつらを睨みつける。


「貴様は…我を何と心得る」

「頭の固い老害」

「老害?」

「鏡を見たらいいよ」

「陛下…一応お伝えしますと悪口にございます」

「なっ」


騎士の言葉を聞いて陛下(笑)は激昂する。ははは、好き勝手に喚くがいいさ。お前にはそんな姿がお似合いだよ


「貴様…死刑、死刑だ!今すぐにも死刑にしてやる!」

「では、私はこのものが脱走しないように見張っておきます」

「頼むぞ」


そう言って陛下は階段を上っていく。向こうから時々囚人がやってきたり看守の人間がいるのを見たことがあるからそっちが入り口なんだろう。出口という言い方をしないのは…入り口の反対側の方に扉があるから。あそこに行けばきっと出ることができるだろう。あそこが開いたところは見たことがないが


そしてここには僕と騎士の二人だけになった。正確なことを言うならば他の牢屋に他の囚人がいることはいるけれども…基本的に他の人間の会話なんて聞いちゃいない


「それで?」

「何か?」

「…お前は誰だ?」

「私は陛下に仕える…」

「くだらないことは言うなよ…さっき先輩を姫っていいかけてたぞ」


僕はそれを見逃さない。こいつは…すぐに訂正したからあの間抜けな陛下は気がついていないようだったけど僕は見逃さなかったぞ。シェミン先輩のことを姫と呼ぶ奴らなんて基本的に精霊か魔王、それくらいだ


「それに…お前、人間じゃないだろ?纏ってる空気が違うぞ?」

「…」

「以前は気がつかなかったけど、今はわかる。多分だけど僕が『世界』の力を手に入れたからかな」

「やはり、『世界』まで使えるようになったか。電気使い」

「認めるんだな」

「ああ、だが本当の姿は見せることはできない」

「わかってるよ…お前神獣のどれかだろ、いや、『白虎』かそれとも『青龍』かどちらかだな」

「…そう判断した理由を聞かせてもらおうか」


じゃあ一つ一つ丁寧に説明しておこうか。まずはさっきも言ったけれどシェミン先輩のことを姫と呼んだことから精霊、魔王、それから神獣のどれかだ。だがさすがに精霊がこうして実体化しているとは考えにくい。だからまずは選択肢から消した。次に魔王。闘蛇が言っていたけど今この世界に存在しているのは水の王と蟲の王の二人。水の王ならさすがにわかる。あいつは僕と同郷だからな。それから蟲の王だけどあいつは…女性だったもんな。そりゃ偽装している可能性もあるけど…あいつはずっと風の国を裏から操っていたわけだしそれで護衛も同時に行えていたとは思えない。だから除外してもいい


「なるほどな。一応筋は通っているとだけは伝えておこう。それだと確かに残りは神獣だけだな。だがどうして白虎と青龍にだけ絞ることができた?」

「さすがに『玄武』じゃないことはわかる。あいつには一つ貸しがある。だから何も言わないで助けてくれるはずだ。次に『朱雀』…それから『麒麟』もだけどあいつらは性格が悪いからさ。人間に仕えるとか口が裂けても言わないだろうな」

「はははは、なるほど。それでか。だが神獣は他にもいるぞ?」

「他は…知らない」


有名どころってそこら辺だろ?あ、あとは鳳凰か。伝説の生き物とかならユニコーンとかも考えられるのかな。高校生が知っている知識とか大体そこら辺だろ


「そうか…まあ貴様が転移者ということも踏まえて…ギリギリ及第点というところだな」

「うるせえよ」

「慌てるな。お前の言うとうり、我は神獣、白虎だ」

「『白虎』、か」


これで神獣4体目。朱雀の野郎にはまだあったことはないけれどもまああいつがどんなん最悪な奴であるのかっていうのはクレアの話を聞いている限りでわかっているからね


「まったく、あいつはやり過ぎだな。ここまで恨まれるとは、まあそれは麒麟も同じか」

「『玄武』も言っていたけど…やり過ぎって何をだ?」

「それを伝えに来た。我々神獣がしてきたこと、精霊と魔王の関係…貴様が知りたかったことを教えよう」

「…なぜ今」


僕はそれをずっと知りたかった。知りたくて知りたくて仕方がなかった。でもイフリートは教えてくれなかった。それなのになざ急に教えてくれると言うのだろうか


「…予言された魔王が誕生したからだ。予期せぬタイミングで」

「予期しない?」


予言された魔王ってそれクレアのことだよな。でも予期しないってどういう意味なんだ?


「時期尚早なのだ。それでは魔王の意味がない(・・・・・・・・)

「どういうことだ?」

「だから説明しよう。この世界の仕組みを」

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