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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第7章 第32ギルド
280/317

覚醒・前編

本日二話目の投稿になります

今日この後3話目も投稿予定です

長月二週目日曜日


「さて、続きを始めるわけだけど…一応聞くよ?場所変える?」

「別にいいです」


ハジキさんの言葉に僕は拒絶を返す。だってそれが言葉だけのものであるとわかりきっているから。変えるにしたってこの周りの観客が付いてくることは確実だからね。それに…


「みんなの前であなたを倒したいですから」

「へぇ…」


苛立ちを覚えているからね。シェミン先輩をあそこまで晒し上げるようにする必要なんてまったくなかったじゃないか。いや、聞いたのは僕か。僕が聞かなければこんなことにならなかったのか。


「自分に対しても怒りが抑えきれない」

「僕をここまで侮辱してくるとはね。君、覚悟はできているのかい?」

「黙れよ…正直あなたに敬語を使うのが苦しいんだよ」


悲しいかな。日本人の性質がこれでもかと主張してくる。年上の人間には敬意を払いなさいってね。それと同じくらい目の前の人間は敬意を払う必要がないって思っている自分もいるんだけどね


「さっさと始めましょう」

「ああ、そうだな」


お互いに言葉を掛け合い…そして同時に魔法を放つ


「『電気鎧(armor)第三形態(third)』」

「『土壁』」


地面から大量に土の壁が生まれてくる。これってなかなかに攻守に優れているよな。相手の司会を遮ることができるし逆に相手の裏から攻めることもできるからね


それを僕は『電気鎧(armor)第三形態(third)』で強化した筋力を利用して走りながら避けていく。感知魔法で探してみてもいいけど…それだと今までみたいに『土人形』でごまかされてしまう可能性がある。だから…


「『創造(creat)』」

「へえ、空から攻めるか」

「見つけた…!!」


作り出した砂鉄を壁に突き刺してそれを足場にして壁を越える。地に足ついて戦っていたらそれは相手の戦場だ。ならば上から見れば一発でわかる


「『電気の領域(field)』」

「空中に陣を敷いた?」


遠距離で電撃を放ったとしても無力化される。ならば電撃を使わない魔法を放てばいい。先ほど『創造(creat)』で操っていた砂鉄の残りを使って…


「『電磁砲(レールガン)』」


砂鉄の塊をハジキさんに向けて放出する。…ん?今クレアの補助とか天衣と戦った時みたいな集約力とかがない状態でも使うことができたな。以前よりも砂鉄のバラツキが少ない?


「『土壁・二連』」

「!」


土の壁の上にさらに土の壁が生み出される。でも僕の砂鉄の塊を防ぐことができなかったようでその壁は粉々に打ち砕かれる。


「へぇ、裏で電撃を放っているとはね」

「距離がありすぎたか」


電磁砲を放った直後に放電を放っておいたのだけど距離がありすぎたのか壁が砕けたことで目くらましになると思ったけどそんなことはまったくなかった


「今度こそ終わらせる『大地の鉄槌』」

「やばっ」


砂の巨人が現れて僕は地面に叩き落される。『領域』を使っていたから発動して躱すことができなかった。


「『アリ地獄』」

「!、『電気鎧(armor)第五形態(fifth)』」


両手を地面に叩きつけて『アリ地獄』を回避。あっぶな。呼吸を整える余裕がないなんてね…まあこれが戦いか。


「反応が早い…もったいないね。そんなに戦い慣れているのに付く相手を間違えてるなんて」

「そんなことはない…シェミン先輩はいい先輩だ」

「そうかな…『土の槍』」


土の槍がこちらに飛んでくる。それをかわさないといけないわけだけどってまじかよ。さっき出されている土の壁が邪魔をしていて思うように動けない…くそっこういう意味でも攻守に優れているのかよ


「ほら、最初の威勢はどうした?『起爆』」

「なっ」


壁際まで追い詰められてしまった。でも逆に言えば後ろからの攻撃を気にする必要が全くなくなったと思ってもいいだろう。だから壁際に立って応戦しようとしたら…その後ろの壁が爆発してしまった。まじか、この壁…いつでも爆発することができるのかよ


「この起爆札を使っているだけさ。それを僕が産み出した土の中に仕込む…何も全て自分の力で行う必要なんてないだろう?」

「そういうわけですか」


それでも、自由自在にここまで扱うことができるなんて相当練習をしたのだろうな。ちょっとでも失敗すると自分をも巻き込みかねない。狙ったところだけを爆発させるなんてとても簡単にはできない技術だろう。


そのまま連続して周囲の壁が爆発の連鎖を始める。なるほど全ての壁に仕込んでいたわけね。僕はピンボール玉みたいにあちこち吹き飛ばされる。最後の壁が爆発した時、僕の体は大分ボロボロになっていた。でも、まだ、負けるわけにはいかない。「『電気鎧(armor)第三形態(third)』」その思いだけで、僕は魔法を使い、立ち上がる。悲鳴をあげる体の声を無視して、僕はまた何度でも立ち上がる。そして、壁がなくなり目の前に立つ、ハジキさんを見据える。


「へえ、まだ立ち上がるんだそんなにボロボロなのに」

「『(light)』」

「目くらましか…」


でも、爆発させるついでに壁を全て取っ払ったのは失敗でしたね。僕は平地になったところを突き進んでいく相手の目を潰すことに成功した。だから一気に攻めることができる


「ま、わかっていたけどね」

「え?」


近づいている途中で急に、ハジキさんが上に登って行った。いや、違う、僕が落下してしまっているんだ。僕とハジキさんの間にいつの間にやら落とし穴が作られていた。それを僕は踏んでしまったので地中に落下してしまう


「君のパターンはすでに学習させてもらったよ…それから僕はテンイとは違う。君を…殺す覚悟はできている『閉まれ』」

「!!」


落とし穴の四方がゆっくりと閉じられていく。このままだと圧迫死…いや窒息死してしまう。どうする、どうすればいい。『電気鎧(armor)第五形態(fifth)』で空を飛ぼうにもまだ地に足ついていないから飛ぶことができない


「隙間なく、埋めてあげるよ」

「ハジキさん!さすがに殺すのはやりすぎです」

「吸血鬼が絡んでいるんだ…これくらい許されるだろ」

「っ…」


なるほどね。僕の死というのは吸血鬼を殺す大事の前の小事というやつなのか。それはちょっと嫌だな。でもクレアの声を聞いて一つだけ思い出したことがある。そういえば一回挑戦してから一回も使っていなかったな。でも、そうだな。『領域』を使えばもしかしたら…


「『電気の領域(field)』」

「その魔法を使っても防ぐことはできないよ」


その言葉が耳に入るよりも早く、僕は暗闇の中に閉じ込められてしまった。僕が落ちた落とし穴は今、完全にふさがれてしまった。

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