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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第1章 失われた学校生活の続き
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学校の基本的ルール

入学式は明日ということなので今日は特にやることがない。ジュリエットさんがきちんと話を通してくれていたのでスムーズに進むことができた。


「さて、みなさん。明日から学校が始まるのですが、この国立魔術専門学校は全寮制です。ですが、どこの寮に住むのかはみなさんが決めてください」

「決まっていないんですか?もしかして自分たちで契約をしろってことですか?」

「いえ、そうではありません。そうでした。みなさんは知らないことですもんね。簡単に説明しましょう」


簡単にまとめる。要は、この学校は32のグループに大まかに分かれているらしい。グループというよりかはどちらかといえば僕らでいう大学のサークルといったほうがわかりやすいかもしてない。もっと直接的な表現をいえばギルドといったところか。


まあ『星』の国の目的の一つに世界平和があるみたいだし、様々な国の学生間で交流してほしいっていうのが狙いだろうな。それで、新入生は入学してから一ヶ月経つまでにどこかのグループに所属しなければならないとのことだ。ちなみに一度決めてしまったらもう変更はきかない。また、学校からの援助は一切ない。


「え?援助が出ないんですか?」

「はい。援助をだすとなると色々と面倒ですので。もちろん、食事や日々の雑務などもすべて自分たちで行うことになりますよ」


なるほど、ちょっと早いけど一人暮らしをするような感じかな。食事の話題になったから話すけれど、食事は各自で準備するところもあれば寮内に食堂を作ってそこで食事をとるところもあるとのこと。ここで、だいじになってくるのが食材を調達するための資金だ。先ほどギルドという説明をあえてさせてもらった。この言葉から連想されるように、僕たちは国の掲示板などで依頼を受け、その報酬の一部をギルドに還元する。つまり。僕たちは生活をするために依頼をこなさなければならない。


「依頼については大丈夫です。入学後、速やかに国のギルド会館へ移り、一人一人ギルドカードを作ってもらいます。これは卒業後も使うことができますので大事に取っておくといいですよ」


ギルド会館にはこの国の人からの依頼だけでなく、様々な国の人の依頼を受けることができる。中には明らかに自国で解決できそうな依頼もあるとのこと。これは昔からずっとあるそうなので、おそらくこの制度が始まった直後に、国家間の協力という形で違いに援助し合おうと考えたんだろう。それが残っている国はまだこうして、定期的に依頼を出してくれるのだとか。


なんとなく、全体像が見えてきたかな。唯一の中立国家に学校がある意味。昔の魔族との戦いに関して後継者をみんなで育てるという側面から発足したんだろう。


グループごとに特色があるみたいなのでいろいろと見学をしてから決めるといいとか。もちろん無理矢理な勧誘は禁じられているが優秀な生徒の取り合いは毎年起こっているらしい。毎年行われるグループ間対抗の交流戦で優秀な成績を残せば世界中にアピールできるため、どのグループも優秀な新人を欲しているのだ。


「あなたたちで言えば、クスノキさんやアオメさん、サミダレさんにホシガキさんあたりが争奪戦が起きそうですね。みなさん貴重なスキルを持っていますし、さらに、クスノキさんに至っては未知のスキルですので」


争奪戦ね。僕は今度こそ無関係になると思うから気楽に見学でもしていようかな。


「次に授業についてですね」


授業はどうなのかといえば、これも大学の授業に近く、自由に授業を選んでいいみたいだ。依頼によっては遠出をしなければならないこともあるみたいなので自分で決めよといったところか。ただ、自由だからといって何もとらなくてもいいのかというとそうでもなく、年間最低8コマ以上4年間で最低40コマ以上を取らなければならない。ただし、授業に関してはすべて平等で、同じ授業でも何度でも受けていいことになっている。さらに絶対に取らなければならない授業というものもない。


「ですが、みなさんはこの世界について全く知りません。なので申し訳ないのですが『歴史学』だけは取ってください」


言われなくてもこの世界を知るためには必要なことだしな。ああ、授業の量なんだけど、午前中に2コマ、午後に3コマの1日計5コマになっている。一週間のうち、ああ、一週間は月火水風土日の六日間で一ヶ月は5週間。木曜日と金曜日が合わさって風曜日になった感じかな。一週間の長さは地球と違うけど一ヶ月の長さは地球と変わらない。そして一年はこれも地球と同じで12ヶ月。ああ、あと、これも地球と同じで日曜日が休み。土曜日(正確には読み方がつちようび)は休みではないみたいだけど。これはまあ昔の日本と考えればそこまでおかしな話ではない。今も土曜日は午前中だけ授業をする高校だってあるからね


「まあ最初の一ヶ月は特に何もしません。昔は授業をしてたみたいなのですが、そのせいでグループに入れなかった学生が続出したみたいですので」


その分、期間中にしっかりそのグループのルールを学んだり先輩について行ってギルドの依頼を受けたりとして過ごすことができる。さらにもう一つ言えば、時間割は配布されないので各自がそれぞれ自分で探さなければならない。その時に先輩からの助言があれば助かる。なのグループ決めの期間は一応一ヶ月としてあるが、実際は一週間から2週間ぐらいで終わってしまう。遅れないようにボチボチなところにはいろう。


「私から言えることは以上です。あ、みなさんのギルドが決まるまでは新入生寮で過ごしてください。全員に個室が与えられています。食事は残念ながら出ませんので各自でお願いします」


これはしばらくの食事代です。といって渡されたのが銀貨一枚。この世界の貨幣は金貨、銀貨、銅貨になっている。100銅貨=10銀貨=1金貨=1万円かな。馬車での移動期間中はジュリエットさんが準備してくれていたし、なんと衣服に関しては各自2着ずつあの王様が用意してくれた。(案の定盗聴器類が仕掛けられていたので放電(thunder)で破壊しておいた)とにかく衣服に関しても心配はいらない。


その後、ジュリエットさんは報告することがあるからってことでどこかに行ってしまった。僕たちは残されたわけだけど、ここにずっといるわけにはいかない。ということで、解散になり、部屋に移動することになった。


そして僕はやっと、誰にも邪魔されない時間を手に入れることができた。


「さて、どうするか」


暇になったら暇になったらで何をしたらいいのかわからなくなるな。食事代分もそこまで多くないしーまあどうせ新入生を勧誘するために最初はいろんな先輩が奢ってくれるのだろうがーそもそも食欲がない。森での生活に慣れてしまったのかみんなと合流した初日を除いてほとんど食事が喉を通らなかったんだよな。それでも最低限は食べているし大丈夫だとは思うけど


一人になったところで自分のするべきことを考えよう。今は力をつけるべきだ。それはわかっている。でもだからと言って受け身になってはいけない。それは確かだ。


「うーん、どうしたら僕は自分を認められるんだろう」


わからないな。人によってはちっぽけな悩みになりそうだし。とりあえずは交流戦で優勝とか?個人でどこまで頑張れるか難しいしそうすると逆にちゃんとしたギルドにはいるる必要が出てくるのかな。


「はあ、考えても仕方がないか」


外にでるか。別に止められてないし。どこか散策でもしようかな・・・寮から出るとすぐに地図がある。なるほどわかりやすい。これで今日の散歩のコースを決めよっかな。今日で終わりそうだけど・・・お、修練場ね。技の修練もいいかもな。この一週間ほとんどできなかったし。よし、そこに行こう。なになに、修練場はいくつかあると、でも僕がしたいことはあまり近くに人がいない方がいいんだよな。んーああこの少し離れたところにある旧修練場とかいいかもしれないな。知る人ぞ知るというかほとんど誰も使ってなさそうだし


そこに向かって進むことにする。さすがというべきか。広いな。歩いているだけでいい運動ができるんじゃないだろうか。そうして進んでいってたどり着く。


旧といっても最低限の手入れはしてあるみたいでそれなりに綺麗だ。まあ漫画などではここで練習しているツワモノがいるんだろうけど・・・どうなんだろ。


「あれ?珍しいね。こんな時期に修練場を使う人がいるなんて」


突然声が聞こえてきたからびっくりしたなぁ。やっぱりここを使う人はいるのか、そしてここを使う人はきっとかなり強いはず・・・ん?珍しいと言われているのが時期に関してだけで特に使うことに驚きがないぞ。そう思って振り返ってみると


「見ない顔だね。もしかして新入生かな?」

「はい、そうですけど」


多分先輩なんだろう人がいる。でも、言いたいことが一つ、なんでお前イケメンなんだよ。明らかに強いキャラ確定じゃねーか。

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