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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第7章 第32ギルド
274/317

次の試合に向けて

ブクマ登録ありがとうございます

これからも頑張ります

長月2週目火曜日


「にしても、負け惜しみじゃないがよく勝てたな」

「?」


ハルさんと歩いていると突然ハルさんがそんなことを言ってきた。先ほどの天衣との戦いについてのことを質問された。やっぱり気になっているみたいだ。


「まあ、天衣はまだ戦ったことない(・・・・・・・)ですからね」

「?」

「以前おっしゃっていたじゃないですか。死にかける経験はまだ早いって」

「ははは、そういうことか」


僕の言葉を聞いてハルさんは笑い出す。僕が言いたいことが伝わったみたいだ。そう、僕が勝つことができたのは単に経験の差。


「あいつもそれなりに戦闘経験はある…でも死にかけたことはないしさらに言えば格上と戦ったこともない」

「そうなんですね」

「?、知らなかったのか?」

「昨日かなり久しぶりに話しました」

「えぇ…」


なんでそこで引かれるんですかね。だって事実ですし仕方がないじゃないですか。天衣がそれなりに戦っていることは昨日の戦いでわかっている。なによりそうでもなきゃシルフリードと契約していることの理由がわからない…あれ?


「そういえば天衣が精霊使いなの知っていましたか?」

「ああ…僕らがダンジョンに潜っていたときに契約したと聞いている」

「ダンジョンが二つ出たんですか?」

「いや、クスノキが水の国の問題を解決したことは聞いているかい?」

「なんとなく…」


誰がいっていたんだっけ?どこかで聞いたことがある気がする。あれは…イフリートがいっていたのかな?でもそれが何の関係があるっていうのだろう


「その時にテンイもいたらしくてね、そこで風の精霊、シルフリードと契約したって話だ…たっく、正直少し嫌になるよ。こっちはあれだけ死にそうな目にあったっていうのに」

「ははは、そして全部クレアに持ってかれちゃいましたからね」

「君も責任あるんだけどね?」

「それは…すみません」


クレアと僕がいなかったら誰がイフリートと契約していたのだろうか。それはちょっと気になるな。まあでもハルさんの気持ちは少しわかる。あそこまで死にかけて、ギリギリの戦いをしてそれでも届かなかった者を天衣は普通に手に入れているんだもんね。いやあいつがどんな戦いをしていたのかは知らないけどさ


「僕の聞いた話じゃ水の国の権力争いに巻き込まれたらしいけど」

「なんで『風』の精霊なのに『水』の国にいたんですかね」

「まあ精霊は気まぐれだからね…そんなこと言ったらイフリートも『月』の国でしょ?」

「それはそうですね」


もしかしたらシルフリードが天衣のことを最初から目をつけていてそこで学校の外に出たから会いに行ったとかそんな感じなのかもしれないね。これは後で少しイフリートに聞いてみても面白いかもしれないな。


「あいつら『水』の国で戦っていたのか」

「もしかしてそっちに行きたかった?」

「…それはありえませんよ」


少しだけ想像したけど絶対にあり得ないな。だってそうでしょ


「僕にクレアを見捨てるという選択肢はありませんよ」

「それもそうだな」


僕が水の国にいるということはイフリートのダンジョンにいないということ。つまりクレアを助けに行っていないとうこと。あれ?そういえば僕その時殺人を犯してしまった出来事がトラウマになってしまっていた時期だよな。『水』の国に行っていたとしてもそのトラウマを克服できたとは思えないし行かなくて正解だよ


「はぁ、過保護にしすぎたか?」

「正直僕がおかしいだけらしいみたいですけどね」

「それもそうか…はぁ、次だ次来たぞ」

「みたいですね」


ハルさんと歩いていると向こうにハジキさんとアクアさんの姿が見える。そういえばあの2ギルドも戦ったのだろうか


「二人ともお疲れ様…」

「お疲れ様です…どうしたんですか?」


ハジキさんが僕の方をジッと見つめてくる。ん?僕の顔に何か付いているのかな?


「君、さっきまであんなに激しい戦いをしていたのにもうそこまで動けるのかい?」

「あー」

「お前まだ魔法使い続けていたのかよ」

「そうですね」


実はずっと『電気鎧(armor)第三形態(third)』を使い続けていた。だってそうしないと動けないからね。天衣の魔法を何発か足に食らっていたから絶対に歩けなかっただろうし。


「へえ、君の魔法の効果、と。どんな能力なんだい?」

「それを教えると思いますか?」

「…まあ思わないね。でも調べればわかると思うよ?『電気』使いさん?」

「…調べればいいでしょう」

「釣れないね、君」


そこで誘導尋問にかかっていう人間がいますか。てか僕の魔法のほとんどは僕のオリジナル…この世界の魔法と、僕の世界の科学の知識を合わせたものなので調べられたとしてもわかるはずがないんだよ。


「ま、これから戦う相手に情報を与えるはずないよな」

「そういうハルは知っているのか?」

「まあ仕組み自体は聞いた…よくわからなかったけどね」

「それはますます気になるな」

「今はそれよりも次の対戦のことを決めましょう?そうね…ミライくん、次は私たちと戦ってくれるかしら」


アクアさんが逸れかかってきた話題を修正してくれた。そして僕に次の試合のことについて聞いてくる。


「はい、大丈夫ですよ…では、具体的な日時はどうしますか?」

「そうね…また二日後はどうかしら?少し休んだ方がいいでしょ?」

「まあそうですね」


またしても特に揉め事が起こるわけでもなく次の試合の日程が決められていった。まあうちは人数が少ない分決めなければいけないことが少ないからね


「あ、そうだ。ミライくんに私からも質問があるんだけど」

「なんですか?」

「君の魔法形成速度…あれは誰から習ったんだ?」

「へ?」

「ああ、それは僕も興味あるね。テンイと比べてもかなり速度が速い…もしかして気がついていなかったのかい?」

「そ、そうなんですね」


えーっと、確かダンジョンで戦っていた時に今のままの魔法の使い方ではダメだっていうので意識を変えたんだよな…でもなんて説明したらいいだろう。ハルさん、助けてください


「はは、それもミライの秘密かもな…つーかお前らこれから戦う相手にそんなペラペラ話すわけないだろ?」

「これも…か。少しぐらい話してもいいと思うけどね」

「ははは」


多分ですけど話しても絶対に通じないと思いますよ。というかもう無意識で発動しているから覚えていないというのが実情ですけど


「それじゃあ今回の会議はこれで終わりでいいですかね?」

「僕の方は特にないかな」

「私も大丈夫」

「僕も同じ」


皆さん特に伝えるようなこともないようなのでこれで解散となる。ふぅ、なんとかなったな


「では明後日に、また連絡します」

「はい、よろしくお願いします」


次の試合は…誰が来るかな。僕としてお希望はやっぱり楠だね。負けっぱなしというのもやっぱり癪だし。そんなことを思いながら僕はシェミン先輩がまつギルドへと戻っていった

感想とかいただけるととても嬉しいです

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