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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第7章 第32ギルド
272/317

新たな契約者

ブクマありがとうございます

長月二週目火曜日


土煙が激しく舞っている。まあ僕と天衣お互いにかなりの高火力の魔法を使ったからね。天衣もかなり高火力の魔法を使えるんだ…って感心している場合じゃない。今この土煙で視界が遮られているという状況は奇襲を仕掛けるというチャンスでもあるし同時に向こうから奇襲が飛んでくる可能性があるので気をつけなければいけない


「『感知(feel)』」


感知魔法を展開しながら天衣の元へと近づいていく。天衣はどうやら動きているような気配が全くない。特に魔法を使っているような感じもしないしこのまま一気に蹴り飛ばしちゃえ


「『放電(thunder)』」

「!、紅来てたのか」


いや逆にこないと思っていたのかよ。この土煙とか本当におあつらえ向きじゃないかよ


「『風』」

「!!!」


天衣の周りにかなり強い風が発生して近づくことができない。うわっそこに何かあるのが視認できるぐらい…って土煙で見えるだけか。でも土の感じからしてかなりの強風なんだろうな


「まじかよ…」

「ふう、危ないところだった。教えてくれて助かった」

「ん?」


今天衣のやつ誰に向かって言葉を放ったんだ?もしかして外にいる人間からもらっていたのか?いや、それはない、はず。ハルさんがそんなことを認めるとは思えないし。それに僕が近づいていた時天衣は本気で驚いていた。かなり近くなってから反応していたし外の人間が教えたにしては遅すぎる(・・・・)。まさか…


「紅、やっぱお前強いよ」

「そりゃどうも」

「だから…俺も全力で戦わせてもらう!『精霊召喚・シルフリード』」

「やっぱり精霊かよ」


吹いていた風が一点に集まる。そしてそこから一人の少女の姿を見ることができる。ああ、あれが風の精霊、シルフリードか。


『ふふっ、初めまして。私は4大精霊の一角、風の精霊シルフリードです』

「あ、ああよろしく」


こんな場合ではないけれども思わず返事をしてしまう。いやまあ精霊に逆らったらどうなるのかイフリートで散々わかっているからね


『あら、シルフィじゃない。へえ、そいつと契約したのね』

『いいでしょ?』

『まあ構わないけど』

『あなたはその子と?』

『いいえ、違うわね』

「シルフリード、お前誰と話しているんだ?もしかして紅も精霊使いなのか?」

「いや、僕は違う…にしても精霊かよ」


それはちょっと予想外というか想定外なんだよね。精霊がいるとき…というか召喚された時の契約者の強さは身にしみてわかっている。いや、あれ人間じゃないよ。そりゃ魔法を使っている僕らも人間離れしているけどさ、精霊の力を借りている状態はありゃ頭がおかしいとしか思えない。


「精霊使いにあったことある…ああ、そっかサリアさんが精霊使いだっけ」

「ま、そういうところだな」


サリア先輩だけじゃないけどね。


「『感知(feel)』『電気鎧(armor)第三形態(third)』『創造(creat)』」


だから、まずは魔法を三つかける。そして天衣に向かって走り始める。そしてそのままジャンプする。空中に身を踊らせるとそのまま砂鉄の剣で斬りかかる。天衣に攻撃をさせたらダメだ。クレアと戦ってわかったこと。精霊使いの攻撃はどれも狂っているということ


「うおおおおおおお」

「『風』」

「砂鉄が…」


風にあおられ周囲に舞っていく。だが、舞っているのなら


「『爆発(dynamite)』」

「『風』」

「さらに…風を吹かせた」


舞い過ぎてしまった。砂鉄と砂鉄の感覚が広すぎてしまえば熱が伝わらない。つまり失敗だ


「粉塵爆発を狙ったんでしょ?知ってる。でも残念。粉塵爆発には適度な風が必要なんだ…でもそんなの俺が許すとでも?」

「ま、だよな」


それでも距離が詰まっているのは間違いない…この距離なら


「『電気の領域(field)』」

「!」

「からの『串刺し(skewer)』」

「『浮遊』」

「ちっ」


ギリギリ『領域』圏内に入っていたのでそのまま足を狙ったんだけど飛ばれてしまった。さっき集めた砂鉄がほとんど飛ばされてしまっていたので追い討ちをかけることができなかった


「それじゃ、今度は俺の番だね『精霊の息吹』」

「『電気鎧(armor)第五形態(fifth)』」


地面を強く蹴り、その場所から離脱する。僕が先ほどまでいた場所に今までとは比べ物にならないほどの巨大な塊がぶつかった。そこには巨大なクレーターが誕生していた。いや、あれまともに喰らったら体が吹き飛ぶんだけど


「え、ちょっシルフリード、これ紅にぶつけても大丈夫なの?」

『大丈夫ですよ。彼も「領域」の使い手ですから』

「遠慮しないでこいよ『電磁砲(レールガン)』」


威力に驚いたのは僕だけではなく天衣も同様だったようで天衣の攻撃の手がやんだ。ならばとばかりに僕は電磁砲を放つ。


「あいつさっきから不意打ちしかしてなくね?」

「まともに戦ったらテンイに勝てないからでしょ」

「テンイ、あんな卑怯な奴倒しちまえ」


うわー。いつの間にやら人がたくさんいますね『そして完全にアウェーな状態ね』まあこんなにも不意打ちとかを繰り返していればね…でもそれのどこが悪いんだ?


『そうよ。勝負の世界に不意打ちもなにもないわ…あるのは勝者と敗者のみ。だからミライ、全力で戦いなさい』

『まったく、イフが連れてくるのはいつもおかしな人ですよね…』

「だからイフって…まさかイフリート?」

「油断するなよ『放電(thunder)』」

「くっ『風』」


電撃を放つも毎回あの風に邪魔されるな。あれを吹き飛ばすぐらいの火力を出せればいいんだけど…粉塵爆発をしようにも相性が悪すぎるし、最大火力である『電磁砲』でも打ち破ることはできなかった。接近しようにも風のせいでなかなか近づけない…どうする。


「『鎌鼬』」

「ちい…」


風の刃を避けながら思考する。多分…『領域』を使えば打ち破ることができるだろうな。でもそれは当然相手も予測しているはず…この手の敵には


「天衣」

「ん?どうしたくれ「『(light)』うわあああああああ」」

「今だ!」


光で目が眩んだ隙に近づいていく。


「くっ『風』」

「『電気の領域(field)』」


予想通り、『領域』を使うことで風の壁を打ち破ることができた。あとはこのままの勢いで殴ればいいだけだ


『テンイ、相手が近づいてきているわ…前方に距離20』

「わかった『魔弾・風』」

「は?」


突然僕は両肩を撃ち抜かれた。え?いや、ライフルとかどこにあったんだよ。多分だけどこの突き刺さるような痛みはきっと銃に撃たれた時のものだよな。『あなた銃で撃たれたことあるの?』いや、ないけど…まあ予想でしかないね


「やべえ」


天衣の立っているところの少し前方に雨あられとばかりに降り注いでいる。1、2発食らっただけでもわかる。あれは何発でも受けることができる魔法じゃない。さすが精霊の加護だ。今も動いているのは『電気鎧(armor)第三形態(third)』のおかげだな…これで僕はこの魔法を解除することができなくなったな。でも…今までの戦いを見てわかった。活路がある

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