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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第7章 第32ギルド
270/317

予選の準備

長月一週目日曜日


昨日の発表から一夜明けて、僕はシェミン先輩と話をしている。まあ伝達していると言った方が正しいのかもしれない


「というわけで僕たちは予選で3、5、10のギルドと戦うことになりました。そしてうちは僕とシェミン先輩の二人しかいないのでどちらかが負ければその時点で即、負けとなります」

「なるほど…わかった」


まあどちらかが負ければって言っているけどシェミン先輩が負けることなんて想像つかないので負けるとしたら多分僕の方だろう。これは気が抜けないな。


「それで、ハルさんからいつが都合がいいかって聞かれているのですけど、どうしますか?」

「私は…いつでもいい…ミライくんの好きにして」

「わかりました。他のギルドにも同様でいいですよね?」

「うん」


あの後いつ試合を行うのか具体的な話はないままわかれてしまった。まあ試合を行わなかったら困るのはお互い様なので心配はないけれどそれでも日にちがわかっている方が気が楽なんだよね。それに試合前にクレアと全力で戦っていたりしたらそれはそれで困るし。さすがにヘトヘトな状態でハルさんレベルの人と戦ったら確実に負けるだろうし


「さて、それじゃあ伝達事項はこれで終わりです…この後はどうする予定ですか?」

「…サリちゃんが来ることになってる…ミライくんもいる?」

「僕がいて大丈夫なんですか?」

「多分…大丈夫」


それ本当に大丈夫なのかなぁ。『まあ姫がそう言っているのなら大丈夫でしょ』でも女子同士の会話ってやつがあるかもしれないしってえ?


「うわああああ」

『何急に大声を出しているのよ』

「そりゃ急に第三者の声が聞こえたらびっくりするでしょうよ」

「あ…イフリート」

『やっほー姫。暇だから遊びに来たわ』

「クレアの練習に付き合わなくてもいいのかよ」

『だってクレア私の力を使わないっていうのよねー。まあ確かに私の力は表に出せないけどさ』


まあ…炎の精霊なんていなかったっていうか。ユンさんやヤマトさんがダンジョンに突入したはいいけど契約できなかったってことに表向き(・・・)はなっているからね。このことを知っているのはあの時ダンジョンにいた人や今僕らと親しい人のみ。


「それで僕のところに来たのか」

『まあねー。にしても精霊がこんなに一箇所に集まっているなんてね』

「普通はそうならないのか?」

『契約者一人で国と争えるのよ?だから誰もが私たちを求めているわけだし』

「なるほど」


今ここにはイフリート、フェンリル、ウィンディーネと精霊が集まっている。いやもしかしたら他にもいるのかもしれない。うちのクラスの五月雨(さみだれ)さんみたいに『精霊』スキルを持った人がいるからね。まあイフリートクラスはそうそういないと思うけどさ


『ま、だからクレアは私の力無しね…でもそれくらいがちょうどいいわよウィンディがいるのにさらに私までいたら相手に悪いでしょ?』

「あーそりゃ確かに。ってかあいつ選ばれたのか?」


僕と違ってあそこはそれなりに人数がいたはずだ。にもかかわらずあいつは選ばれたと言うのだろうか。まあクレアだしそれも当然と言えば当然なんだけどね


『今やってるわよー。ま、あの程度の集団の代表に選ばれるくらいでないとね』

「あの程度って…」


どれくらいなのかはわからないけど第7ギルドって確か優勝候補の一つだよな?それをあの程度って言い切るこいつは恐ろしいわ『だって精霊だし』ごもっともです


「こんにちわ」

「あ、サリア先輩こんにちわ」

「ミライくんも…いて、いいよね」

「まあ私としては構いません」


そうこうしているうちにサリア先輩がやってきた。サリア先輩とシェミン先輩がどんな話をするんだろうか


「それで、シェミン。あなた対抗戦どうするつもりなの?」

「うん…一応本気でやるけど」

「そう、能力の暴走だけは気をつけてね」

「多分大丈夫」

「あの…これ僕いて大丈夫ですか?」


正直かなり気になる話だけどさ。セリア先輩だけでなくシェミン先輩も昔暴走したことがあるなんてね。シェミン先輩が暴走したらどうなるんだろうか


「別にいいですよ。それに今からが本題ですから」

「今から?」

「はい、シェミン、私と模擬戦をしてくれるかしら?」

「え?…うん、いいよ」

「用事って…模擬戦を申し込むことなんですか?」

「ええ、そうですよ。シェミンは私が本気で戦える数少ない友人ですから」


サリア先輩ほどとなれば本気で戦うことができる人もかなり限られるだろうな。『どうするの?二人の戦い見に行く?』それはできるのならば見に行きたいね。特にシェミン先輩の戦いはなんとかしても見たいんだよね


「あの、僕も言ってもいいですか?」


それにあわよくば二人と戦うことができるかもしれない。そんなチャンスはきっとなかなか来ないだろうしこのチャンスを逃してたまるか


コンコン


「ん?」

「こんにちわ。ミライいる?」

「あ、ハル。どうしたの?」

「ミライと打ち合わせしたくて…アクアとハジキもいるからさ…まあシェミンでもいいけど」

「僕が行きます」

「ごめんね…」

「いえ、大丈夫ですよ。それじゃあ僕は行ってきますね」


シェミン先輩とハジキさんを会わせていけない気がする。なぜだかわからないけど…ハジキさんのシェミン先輩への言葉を見るにあんまりいい感情を持っていないんだろうなぁ。正直言えばサリア先輩と戦いたい。でもそれよりもシェミン先輩の方が大事だ


『それじゃあ私はミライについていこうかな』

「お前ここまで付いてくるのかよ」

『だってクレアのところにいてもつまらないしーそれよりはミライの方が面白そうでしょ?姫の戦いを見てもいいんだけど私の姿見えないだろうしさ』

「もしかして…今イフリートいるのか?え?ミライが契約したの?」

「いえ…契約したのは僕じゃなくてクレアですね」

「え?じゃあなんで今ここにいるんだ?それともミライの幻影?」

「さりげなく失礼ですね」


ハルさんと行きながらあの時、ダンジョンで、ハルさんたちと別れてからどんなことがあったのかそれを説明する。二人であのキメラアントの女王を倒してそれからイフリートをかけた戦いをして…そしてその死闘の末にクレアが契約したことを


「そっか。ユンさんとかは知っているみたいだったんだよね」

「あの後セリア先輩と出会ったのでそこ経由だと思います」

「なるほどね〜あ、ここだよ」

「こんにちわ。ハジキさん、アクアさん」

「こんにちわ」


僕はそこにいる二人に挨拶をする。そりゃ日本にいたんだもの。先輩に対しての言葉遣いとかを気をつけることぐらいはできる。敬語とかね


「それで…日程を決めるという話でしたが」

「そうね…ミライくん?はいつがいいとか希望ある?」

「僕も…シェミン先輩も特に希望はないです。いつでもだいたい大丈夫です」

「そう。ハジキくんやハルくんは?」

「うーん、メンバーを決めるのに少し時間がかかるかな」

「僕は大丈夫。メンバーもだいたい決まっているから」

「私の方も似た感じね…それじゃあ私とハルくん、ミライくんのところは先に済ませておきましょうか」

「それもそうですね」

「ま、といっても全部を決める必要はないけどな」

「どういうことですか?」


どうしてだろう。全部先に決めておいた方がいいに決まっているのに。その方が伝達事項にズレとかがなくてなんとかなると思うんだけどさ


「それはそうなんだけどさ、ミライのところは人数が少ないからもしも急に用事が出来た時とかの対処がね。試合直前なら諦めてもらうけど1日前とかにわかっていたらまだ変更可能だからさ」

「なるほど…わかりました」

「そういうわけでミライくんのところを中心的にスケジュールを組むわよ。だいたい1日開ければ回復するでしょ?」

「それぞれの回復魔法の使い手がいるだろうし間に合うだろうね」

「僕も大丈夫です」


まあ一回の戦いで僕の魔力を全て使い果たすようなことがあるのか少し疑問なんだけどね。風の国でもかなり戦ったけど魔力も間に合ったし


『ま、それは黙っておきましょ』


それもそうだね。で、まずはどこと戦うことになるのかな


「じゃあ明後日に僕のところと戦わないか?できることなら早く戦いたいんだ」

「わかりました」

「それじゃあ火曜日にね…ねえ、ハジキくん私たちもこの日に試合しない?」

「…わかった」

「それじゃあ、ミライ、シェミンによろしく伝えといてくれ」

「はい」


ハルさんのところ…つまりは天衣たちもとクラスメートがいることになるのか。これは…おそらくだけど天衣と戦うことになりそうだな。あいつかなり強いし…なんなら新人戦で優勝していたし

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