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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第7章 第32ギルド
259/317

再会する友人

本日二話目の投稿になります

長月一週目月曜日


「では私たちはこれで」

「はい、連れて来ていただきありがとうございます」

「それじゃあ、また」


僕は場所に着いた後先輩たちと別れる。それも当然だ。先輩たちは生徒会の人間であるわけだし僕たちと一緒になって聞くわけにはいかないよな。僕が連れてこられた場所は…学校で言う所の体育館みたいなところだ。えっと、もしかしてこれってギルド毎に決まっているとかそういう感じなのか?


そうなるとかなり辛いな。僕の所属しているギルドって僕とシェミン先輩しかいないわけでおまけに今シェミン先輩はいないわけだから実質僕一人。そんな目立つような状態で僕はここに居たくないんだけど


「僕も帰ろうかな…」

「どこに?」

「クレア!」


ふらふらと一人で歩いていたら(あたりを見渡していたらみんなギルドや仲のいい友人たちと固まっていた)後ろから声をかけてくれる人がいた。振り向いてみたらクレアだった


「お前も一人か?」

「うるさいな…っていうかお前()っていうことは」

「悪かったな」

『私がいるよ?』


いやイフリートは普通の人間には見えないから実質ノーカウントでしょ。でも少し意外だな。僕と違ってこいつはギルドの仲間ともう少し仲良くやっているものだと思っていたけど


『それがなぜかボッチなのよねー』

「誰のせいだ誰の」

「あーもしかして」

「はぁ、無断欠席が堪えてる」

「諦めろ」


一年生の大切な時期に連れ去られてしまったのはしょうがない。運がなかったとして諦めるしかないね。ちなみにその元凶であるイフリートといえばのんびりと笑っている。どうやら自分が迷惑をかけているだなんて全く思ってもいないようだ。まあこいつが殊勝な態度をしていたらしていたで気持ち悪いけど


「しょうがないな。じゃあぼっちはぼっち同士仲良くしようぜ」

「癪だけど仕方がないな」

「お前そういうこと言っちゃう!?」


そんな風に僕とクレアが笑いながら冗談を言い合っている時だった


「あれ?紅君?」


僕に声をかけてくる人が現れたのは


「え?あっ、四万十しまんとさん?」


振り向けばそこにいたのは四万十さんだった。いや非常に申し訳ないけれど久しぶりのすぎて忘れてしまっていたんだけど。いやぁ、最後にあったのいつだっけレベルだからね。これなら相手の顔を忘れてしまっていてもしょうがないよね


『言い訳はいいからちゃんと話をしなさい』


はい、すみません。イフリートに怒られたことだしちゃんと相手をするとしますか。でも久しぶりすぎてどうしよう。なぜか緊張してしまう自分がいるんだけど。なぜだ?


「久しぶりですね。元気でしたか?」

「え?あ、ああ大丈夫大丈夫。ちゃんと生きてるから」

「え?」


あれ?なんか返答の仕方間違えた?四万十さんかなり微妙な表情をしているんだけど。どこか間違うようなところあったっけ?イフリート助けて


『自分でなんとかしなさい』

「はい、すみません」

「えっと…どうしたの?」

「ああ、大丈夫。それよりさ、四万十さんは元気してた?」

「私?私も大丈夫ですよ」


えっと…四万十さんはこういうキャラだよな。おっけー大丈夫思い出してきた。彼女はサリア先輩と同じく丁寧語で基本的に話す少女だよな。これは別に僕に話しかけてきた理由がクラスメートだからってことで警戒してて丁寧語になっているわけじゃないんだよね。


『どもってるわよ』


うるさいな。こっちは久しぶりすぎて緊張しているんだよ。先輩たち見たく戦いの場所で出会っているわけじゃないから謎の緊張感があるんだよ。とよくわからない言い訳を言いながら僕は四万十さんとの会話に集中する


「でも紅君全然学校にきていなかったじゃないですか」

「それは…」


言い訳できない内容を突っ込まれているんだけど。これフランさんの時も同じようなことがあったなぁ。みんな聞くことが同じなんだろうね。


「まあ、大丈夫だよ。なんとかするから」

「本当ですか?」

「なんでそんなに心配するんだ?」

『うわっ、鈍感』


イフリートが何か言っているがまさかそんな展開があるわけないでしょうに。だって僕と四万十さんそこまで接点ないからね?学校にきてからほぼほぼ会話すらなくなったからね?


「だって、一年の前期から学校に来ない人って退学率高いですし…みんなでこの世界を生きようって決めたからみんなここにきたのに退学なんて悲しすぎますよ」

「あはは…」


いや、非常に申し訳ないのですけど僕多分今年終わったら自主退学しますねー。いやこれは本当に申し訳ない話だよ。クラスメートのことを考えたら…別に夜でも寝ることができるか


『あんた薄情ねぇ』


あの時、クラスメートのことが頭をよぎったからといって絶対に行動が変わることなんてありえなかっただろ?それに僕は自分のしたことをきちんと理解して後悔なく生きているんだ。だから問題なし


『あなたはよくても向こうはどうなのかしらね』


ん?それはどういう意味だ?


「おーい、四万十なにして…紅?」

「え?紅?」

「まじか、紅じゃねえか」

「お前ら…」


四万十さんに話しかけてきたのが一ノ瀬と天衣、それに角先、お前らも久しぶりだな。


「お前、元気にしてたか?」

「まあね、天衣たちは?」

「ぼちぼちってところだな。みんな心配してたんだぜ?急に来なくなったからさ」

「あはは…」


四万十さんの時と同様に笑ってごまかす。ダンジョンに突入していたことは絶対にこいつらには言えるはずがないし笑ってごまかすしかないな。


「それで、なにしてたんだよ」

「え?」

「実はさ、お前のギルドに行ったんだけど誰もいなくてさ…おまけに生徒会長もいないし何か巻き込まれてたのか?」

「…」


まあ巻き込まれていたというか途中のことは無関係だけど少しばかり関係があるといいますかなんといいますか


「まあさすがにそんなことねえか」

「あー実はこないだクエストに行ったら大怪我をしてさ、その治療のために休んでたんだ」

「へえ、そうなのか?」

「確かに紅君最近治癒魔法をかけられてますね」

「え?わかるの?」

「はい、なんとなくですけど」


まじかよ。でもまあなんていうか嘘から出た真といいますか、四万十さんのアシストによって僕が本当に大怪我を負っていてその治療をしていたと思わせることに成功したみたいだ。まあ治療をしていたのは間違いないし大怪我であることも間違いでないから嘘を一切付いていないんだけどね


「それで俺との再戦にこなかったのか」

「え?」


再戦?なんのことだ?「覚えていないのか?」え、いや、ちょっと待ってよ…えーっと、覚えてない。


「はぁ、俺と再戦をするって約束があっただろ?」

「あ、そうなのか」


覚えていないけど天衣たちが一切訂正をしようとしていないってことは間違いないんだろうな。はぁ、新学期早々面倒なことに巻込まれてしまったんだけど


「というわけで俺と勝負しろ」

「えーやだよ」

「は?なんでだよ」

「いやなんでって言われてもさ…」


一ノ瀬の実力がわからないからなんともしようがないんだよ。せめて何か分かりやすい基準があればいいんだけどね


「まあまあ、紅も病み上がりで疲れてるし焦らなくてもいいんじゃないか?」

「天衣がそういうのなら…」

「おーい、一ノ瀬、なにしてるんだ?」

「あ、今行く。紅、今日はやめとくけど必ず勝負してもらうからな」


そう言って一ノ瀬は呼ばれた先に行ってしまった。いや必ずって言われてもな…はぁ、先延ばし先延ばしにして有耶無耶にしていくか

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