表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第6章 風の国の戦い
241/317

安定しない戦い

今回は短めです

葉月二週目風曜日


「なんだ!?」

「俺たちの魔法が消された?」


僕に向かってきた魔法を全て吹き飛ばした。向こうからしてみれば僕に向かって放った魔法が急に消えたように見える。だから動揺してもしょうがないよな。魔法が消えるだなんて滅多にないんだから、ね!


「うぐっ」

「『放電(thunder)』」


唖然としてしまっている兵士の一人の横腹に思いっきり回し蹴りを叩き込む。さらに近くにいる兵士めがけて電撃を放つ。


「うわああああ」

「狼狽えるな!あれはおそらく『領域』だ。つまりやつらは『領域』使い、ということになる」

「間違っていないけど僕まで巻き込まれたのはちょっと癪だな『火の玉』」


後ろでクレアがブツブツ言っているようだけど聞こえなかったふりをしよう。だいたい襲撃者の一人が『領域』を使えるとわかったら他のひとも使えるのではと思うのもおかしくない話だしな


「巻き込まれるなよ!『氷の柱』」

「おっと」


あたりの兵士たちが少し距離をとったと思ったら頭上から氷が降り注いでくる。まだ『領域』の使用時間が回復していないし…


「『創造(creat)』」


砂鉄の剣をかなりしなさせることで鞭のように振るう。そうすることで降り注がれる氷を全部弾く。今は『電気鎧(armor)第三形態(third)』で筋力を補助しているからいいけど通常時には無理な技だな


「やつの意識は上に行っているぞ!『鎌鼬』」

「うわっ」


手を上に上げてしまっていたのでお腹の部分がかなり隙だらけになってしまっていた。そのまま甘くなったところを突かれるように僕は腹に風の刃を受けて飛ばされる。


「どうやら『領域』は連続で発動できないようです!」

「そうらしいな。なら全員力を貯めておけ!次にあいつが『領域』を使った時に畳み掛けるぞ!」

「くそっ」


なんとか立ち上がる。迫ってきている兵士たちがいたからだ。あのまま倒れていては追撃を受けてしまう。


「『地雷(trap)』」

「うわっ」

「シビレ罠だ。気をつけろ」


警戒して僕に近づいてくることがなくなった。これによって僕は兵士たちから少しだけ距離をとることに成功した。逆に言えば僕は距離を取らされてしまったとも言える。


「向こうの金髪の遠距離魔法は厄介だが黒髪の方はそこまで脅威じゃない」

『おーおー言われてるわね』


ギリッ、強く奥歯を噛む。そしてかなり握る拳に力が入ることがわかる。頭ではわかっているとはいえ、言われてしまえば悔しくて仕方がない。遠距離をなんとかしなければと思っていてもまだ実戦で戦えるほどの戦略に組み込むことができないのだ。でも、


「だから、この魔法がある。クレア!」

「わかってるよ」


僕が兵士たちと距離ができたことはクレアが僕に近寄ることができるということでもある。僕の隣にきたクレアは僕に向かって拳を突き出す。僕もそれに応えるように拳を突き出して…


二つの拳が、ぶつかる


「『電気鎧(armor)第四形態(force)』」

「『炎の鎧・連動(next)』」


僕にクレアの炎が、そしてクレアに僕の電気が流れていき、互いの思考がリンクする。


「さあ、いくよ!」

「援護は任せとけ、ミライ!」


互いに声を掛け合ってもう一度兵士たちの群れに突っ込んでいく。今度は先ほどのように強制的に底上げした身体能力に頼ることはできない。それでも、


「『火の玉』」

「『遠隔起動(remote)』」

「うわああああああ」

「火の玉が…爆発した?」

「気を抜くな!あいつらが突っ込んできたぞ!」


クレアとのコンビネーションがあれば、戦うことができる。地面に思いっきり拳を叩きつける。「『加速(ブースト)』」地面と当たった瞬間にクレアが魔法を発動させて僕は空中に身を踊らせる。


「空を飛んだだと!?」

「いや、反動で飛んだだけだ。だから空中ではろくに動けないはずだ。撃ち落とせ!『火の玉』」


僕に向かって火の玉が飛んでくる。確かに空中では身動きを取れない、だから魔法で狙い撃ちされる。でも、僕らにはそんなことは関係ない


「『電気の領域(field)』」

「くっ、回復していたのか、だがこれでやつはしばらくの間『領域』を使えない」


いや、これでいいんだよ。僕が今回空中に身を踊らされたのには理由がある。それは空から見ることによって兵士たちが今どこにいるのかより視覚的にクリアに見ることができる。


「『念話(tell)』」


そして僕は自分の得た視覚的情報を自分の電気を介してクレアに送る。そうすることでクレアは相手の位置をより正確に知ることができる。つまり、


「『火の玉』!」

「なぜあんなに高く打ち上げているんだ?」


かなり高い弾道を描きながら火の玉は射出される。そして僕は『領域』を発動したことによる磁場の形成等によってまだ空中に留まることができる。かなり速い速度で飛んでくる火の玉兵士一人一人にめがけて着弾していく


「なっ」

「こんな正確に打てるだと!?」


まあそこは僕も驚いているんだけど『私が協力したに決まっているでしょう?』ああ、精霊の力添えがあったのか。それでもすごいけど


もちろんぶつかる直前に全て爆発させておいた。そのためにここら辺は爆発の煙で少しだけ視界が悪くなってしまっている。でも大丈夫。


「『創造(creat)』」

「なぜ我々の位置がわかる!」


わからなくてもいいんだよ。どうせこの辺りにいるんだから、それに向こうにしてみれば敵は僕一人なわけだけれど僕からしてみればただ一人の味方であるクレアはここにいない。だからとりあえず辺り構わず攻撃すればアドバンテージしかないってことだ。


もっと砂鉄剣を振り回して起きたかったけれど煙が思ったよりもかなり速い段階で晴れてしまった。それでも今の攻撃のうちに何人か倒すことができたと思う


「ミライ!」

「!」


足元から急に土が生えてきたかと思うとそのまま空中に突き上げられてしまう。先ほどとは違い自発的に飛んだわけではないので体勢を整えることができない


「我々を甘く見るな!『火の玉』」

「『鎌鼬』」


次々と飛んでくる魔法。今度は『領域』で防ぐことができない。


「…力を借りるよイヨさん」


僕はボソっとつぶやくと、覚悟を決める。


「『(metamo)(rphose)』」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ