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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第6章 風の国の戦い
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非情な現実

お久しぶりです

しばらくの間、更新ペースがかなり遅くなると思います

葉月二週目水曜日


「それで…説明してもらえますか?」


今ここには僕の他にクレア、サリア先輩、セリア先輩、シェミン先輩がいる。昨日、あそこでサリア先輩たちが出てきたと思ったらセリア先輩の魔法によって僕らは飛ばされてしまった。そしてそのままこの場所に監禁されてから1日が経過してしまった。いい加減説明して欲しいものだ


「ごめんなさい。リルがあなたたちを今すぐ連れてけっていうから」

「説明になっていないんですけど」

『それは私がするわ。クレア、お願い』

「え?あ、はい『精霊召喚・イフリート』」


クレアがイフリートを全員に見えるようにする。というか先輩たち誰一人として驚いていないんですけど


「リルが教えてくれましたから。クレア、ミライ、生き残ってくれてよかったです。そしてダンジョン攻略おめでとうございます」

「あ、ありがとうございます」

『それで、今回の件は私の見立てが甘かったみたい。本当にごめんなさい』

「え?」

「イフリート?」


イフリートが急に僕らに謝罪を行う。こいつが素直に謝罪をするなんておかしいな。というかそもそもなんで謝罪をするんだ?特になにかされた覚えないんだけど


『「王」クラスを一度倒したから今回もいけるかと思ったけど厳しかったわ』

「!、待って…イフリート…王クラスって…」

「ミライたちはすでに魔族と出会っているのですか!?」

『あ、これは伝えていなかったわね。そうよ、クレアたちは「命」の国で吸血鬼の王と出会い倒しているわ』

「…吸血鬼」

『だから今回の「風」の国にいるという王も倒せるかと思っていたんだけど…どうやらまだそのレベルに達していないみたい』

「!」


わかっている。僕らは王を倒したとはいえ、あれはこの時代にきたばっかりだから倒せたにすぎない。いうなれば向こうは力を出せなかった状態で勝ったにすぎない…いやそもそもあの時は勝ったのかどうかさえ危うい。あいつは終始僕らを圧倒していた。


「今の僕らではあいつに勝てないってことか?」

『簡単に言えばそうね。自惚れも大概にってことかしら?』

「それは常に痛感してるって」

『そう?ならいいわ』


すぐに納得されてもね。なら僕らでできることを探さないといけないわけか…?ん?


「別に僕らが勝てなくてもさ」

『うん?』

「先輩たちがいるから頼ればいいんじゃない?」

「…そうね」

「シオンも後輩の一人ですし」

「そもそもサリアの問題もあるからな…協力は惜しまない」

『というか普通あんたらが協力する側よ』

「あっ」


そういえばそうだった。仲間を遠慮することなく頼ればいいという考えを持っていたけれどどちらが主体になるのかすっかり失念していた。今回の主役はあくまで先輩たちになるじゃんか


「成長したかと思ったがそこまでだったな」

「言わないでくださいよ」

『前よりはマシになったわよ?前ならすぐに自分だけで戦おうとしてたから』

「これでも成長をした、と」


なんで僕そこまで子供みたいに思われているのだろうか「いや、お前子供だからな?それをいったら僕もだけど」お前もかい。かなり綺麗なブーメランを決めているんじゃないよ


「それで…どうして1日待機させたのですか?すぐにでも」

『それをしてもよかったけど、一旦整理したほうがいいと判断したのよ。それに策を考えないと普通に負けるわよ。昨日は姫たちが引きつけてくれていたからなんとかなったけど次は姫たちがあいつと戦う役回りになるだろうからあんたたちが戦うのは国の精鋭よ』


おまけに少しではあるが僕らの攻撃を見せてしまっている。僕らの攻撃が初見殺し性能が高い代わりに対策をされてしまったらかなり厳しい。どうする


「それに…」

「僕らの新技、普通に効かなかったね」


初めて使った『磁石(magnet)』それが全く役に立たなかった。初めてで慣れていなかったということを差し引いても失敗に終わってしまった。使えると思ったのに…


『だから、それは相手を舐めすぎ。あいつがどれだけ戦ってきたと思ってるのよ。まだこの世界に来て少ししか経っていないあなたには勝ち目なんて到底ないわ。それと、新技がかならず決まるだなんて幻想も捨てなさい。そんなのはあんたの世界でいうとアニメや漫画だけよ。それに最終的にインフレが起きて使えなくなることなんてザラじゃない』

「ミライの世界ってどんなものがあるんだよ」

「いろいろとね。この世界にはない娯楽が山ほどあるよ」

「だからミライの魔法は非常にユニークなのですね」

「そうなりますね」


この世界にはない『科学』の考え方、それを利用しているからね。でもそのうちこっちの世界でも発達するようになる。そうなればユニークでもなんでもなくなるさ


「待ってください。ということはミライの世界の人間は大抵この知識を有しているのですか?」

「え?ま、まあそうなりますね」

『ミライ、要はねあなたの世界の人間が技術提供を行えばあっという間に技術革新が行われる。この世界の数少ない戦争の仕方が変わっていくわ』

「でもそれはならないでしょ?」

『まあ今のところはね。今の所あなたの世界で活躍しているのはクスノキやテンイ、イチノセ辺りだけどあなたみたいな魔法の使い方をしているわけじゃないからね』


あいつら…相変わらず有名になっているのな。って、それは正直どうでもいいや。それよりも仕掛けるのは明日、どうするか考えよう


「そうですね。シズクから情報を聞いているのですね?なら考えましょう」

「そういえばサリアは国のほうは大丈夫なのか?」

「…まあなんとでもなると思います。お父様も望んで私を送り出したわけではないので」

「そうか」

「セリア先輩は大丈夫なんですか?王子様なんですよね?」

「ああ、だが大丈夫だ。俺は王位継承権を破棄しているからな。俺のスキルの問題もあるし」

「スキル?」

「…そのうち話す」


セリア先輩のスキルが未だにわかっていないんだよな。でもお兄さんのユンさんが「空間」スキルを持っていたということはそれに近いスキルなのかな?いやでも血縁者が同系統のスキルを持つなんてことはあり得るのかな?フランさんは…あ、僕彼女のスキル知らないや


『まあ血縁者に似たようなスキルが発言することはよくあるわね。でもそれがかならずということではないわ…クレア、もういいわ』

「あ、ああ」

「では、二人ともしっかり休んでください。決戦は明日です」

「「わかりました」」


そして僕らは今まで監禁させられていた部屋に戻って体を休めることにした。明日が決戦になる。でも「命」の国で戦った時と比べても緊張は少ない。だって僕らには頼れる先輩がいるからね…でも


「ねえ、クレア」

「なに?」

「やっぱり先輩たち、国のこと気にしていたね」

「そうだね…なら、やるべきことは一つだね」

「そうだな」

『はぁ、考えていることはわかるけど…でもいいわ。突撃のタイミングは式前じゃなくて式中ってことね。リルやウィンディに伝えてくるわ』

「そういえばウィンディーネは?」


さっきから姿が見えなかったけどどこにいったのだろう


『シズクのそばにいるわ』

「ああ、そういう」


精霊たちがあちらこちらにいることで伝達がかなり楽だ。これが精霊使いが大勢いることによるメリットなのだろうか


『普通精霊がこんなことしないわよ…今回が特別なだけ。さすがに王クラスが絡んでいるとね』

「そっか。ま、それならミライ」

「ああ、合体魔法についてか」


そのあと、僕らはずっと合体魔法についての使い方を議論し続けた。

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