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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第6章 風の国の戦い
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風の国に入国!

ブクマありがとうございます

これからも頑張ります

葉月二週目火曜日


「やっと…ついたぁ」

『これならまあ予定通りね』


なんとかして僕は風の国までたどり着くことができた。あれから僕はイフリートの監修の元、静電気を巻き起こして自分に溜め込む魔法の練習を行った。今となってはかなり自由に電気を溜め込むことができるようになった。


「なんだかんだで期間内に到着するなんてすごいよ」

「僕よりも先に着いていたお前にだけは言われなくない…嫌味か」

「そんなことないって…」

『二人とも話は終わった?それじゃあ入るわよ』


先に到着していたクレアと無事に合流を果たす。こいつは僕よりも先に移動魔法を習得して一足先に風の国に到着していた。だが入ることはしていなかったようで入り口近くの場所で待っていた。そしてウィンディーネが入るように催促してくるのだけど…


「「どうやって?」」

『え?』

『そうよ、ウィンディ、この子たちできる限り痕跡とか残したくないのよね〜下手に見つかると』

『ああ、イフのダンジョンを無断突入したんだっけ』

「それもあるけどさ」


国に入ろうとしたら絶対に国の上層部に伝わる可能性があるんだよな。国の上層部は魔族側についている…要は僕らの敵なわけだろう?そんなやつらに情報が伝わるのはできる限り避けたい。遅かれ早かれ僕らの情報は伝わるわけだけどできる限り遅いほうがいいからね。だから正規の方法での潜入は避けたいことをウィンディーネに伝える


『ああ、それもそうね』

「だから…門番を気絶させて…」

「倒すしかないか」

『なんで?』

『あんたら大分戦闘狂になったわねぇ』


なんでそんなに否定的なんだろう。気絶させたら確かに大事にはなるけれど僕らの情報が出回ることは避けれれる。ウィンディーネが外部から助けを連れてきたと推測はされるだろうが僕らまでたどり着くかと言われれば微妙だ。むしろサリア先輩の方面を探られるのが自然だろう。このほうがリスクがかなり少ないと推測できる


『だからってすぐに戦う選択肢を選ばなくてもいいんじゃない?』

『それに今回は大丈夫よ』

「というと?」

『もうすぐくると思うけど…どうかしら』


どうやらアテがあるような雰囲気である。でもいったい何をするつもりなのだろうか。それに『もうすぐ来る』という言葉からして誰かがこちらに向かってくるのだろうが誰が来るのかまったくわからない。シオン先輩が来るのかと思ったけど先輩は今捕まってしまっている。もしかしてサリア先輩?でもサリア先輩は風の国とあんまり関係ないしなぁ


「あ、こちらにいらっしゃったのですね」


そんな風に僕らが悩んでいると、すぐに解決した。僕らの元に駆けつけてきたのは…


「「シズク先輩!?」」


シズク先輩だった。でもどうしてシズク先輩がここに来たんだ?先輩と風の国っていったいどんな関係があるのだろうか。


『あら、知らないの?シズクは風の国の貴族の一人よ』

「え?」


そうだったんですか?…あ、だからシオン先輩とともに過ごしていたのですね。納得しました『ミライのシオンに対するその反応はなんなの…クレアも同様ってシオン一体どんな扱いなのよ』


「少し訂正がありますねシオンと共にいたのは私の意志です…最初は親に言われて、でしたが」

「そうなんですね」

「それで…ウィンディーネ様が言う助っ人というのはミライくんとクレアくんで合っていますか?」

『…ええ、そうよ。少しばかり後悔してるけど』

「「だってシオン先輩ですし」」

「ウィンディーネ様、シオンはこういう奴です」

『まさかのシズクまで!?一体学校でどんな生活を送っていたのよ』


それは逐一話してあげたいところだけど…そろそろはいりませんか?ここではゆっくり話すことができませんし


「そうですわね。では入りましょうか」

「あ、でもどうするんですか?」


シズク先輩が風の国の関係者であることは理解した。でもそれと僕らの入国とどんな関係があるのだろうか。だが、それを指摘してもウィンディーネは『シズクについていけばわかるわ』ってだけ。そのシズク先輩はスタスタと先に歩いて行っている。


「待ってくださいよ」

『まあミライはこの世界の常識に疎いものね』

「え?」

『見ればわかるわ。それに私が口で説明するよりも早いわ』


確かに百聞は一見にしかずって諺があるように説明をどんだけされたとしても実物を一回見たほうが確実なのは明らかだ。だからまあイフリートのいうこともわからなくもないのだけど…不安だ


そして僕らは検問にたどり着く。さて、一体どうするのだろうか


「さて、次の人…身分証明書を見せて」

「えっと…」

「見せなくてもいいですわ」

「え?」


検問の人に言われてどうしようかと思ったけど僕らが何か行動を起こすよりも先にシズク先輩が言葉を発する。


「いやいや、さすがに怪しいものを通すわけには」

「私を誰と心得ますの?私はセルシア家が長女、シズクですわよ」

「も、もしかして…」

「シオン様のお相手候補のお一人の…こ、これは失礼いたしました」

「この者達は私の客人です。身分は私が保証しますわ」

「…わ、わかりました。では、こちらに名前だけ」

『ミライ、苗字の方を名乗りなさいね』


まじかよ、この世界では貴族ってだけでこんなことが許されるのか。えっと、まあ確かに本当の名前を名乗ってしまえばいろいろ問題になるけど下手に偽名を使えば後々面倒なことになるからな


「紅です」

「トレアスです」


クレアも同様に苗字の方を名乗った。ん?お前確か王族だったよな。調べられたら即アウトじゃないか?


「トレアス?なんか聞いたことあるな…」

「そうか?俺はないぞクレナイにトレアスね。了解、ここを通ってよし」


そんなわけで僕らはすんなりと入国することができた。にしてもザルすぎない?もし貴族の一人が国家転覆を企んでいたら終わる気がするんだけど


『問題ないわ。貴族といっても一度に入れれる人の数に限りはあるし、それに入国だけさせて出国させてないと明らかにおかしいでしょ?』

『ついでに言うと、貴族だから許されている側面もあるけどこうして貴族の名前を使って入国した人間がなにか不祥事を起こしたときの責任は全部貴族側に行くわ。だから足を引っ張るチャンスとして見逃すことが多いわね』


なんだか聞きたくなかったことを聞かされている気分なんだけど。これから僕らが行おうとしていることが失敗すればシズク先輩にかなり迷惑がかかってしまうっていうことなんだろ?責任重大すぎる


「構いませんわ。シオンを…この国を救うのに私だけ安全なところにいるわけにはいきませんもの。それに、ウィンディーネ様が選んだのですもの、信頼していますわ」

「そ、そうですか」


こんなにも信頼されているのなら、この期待を裏切ることなんてできやしないな。期待に応えるためにも精一杯頑張ろう。そのために…これから作戦会議と行きますか


『この時期にシズクが連れてくる人間、おまけにシズクと同年代の異性…ミライやクレアは気がついていないけど結構な博打を打つわね』

「これで、この国が救われるのなら、私は構いませんわ」

『ええ、それはこのイフリートの名において保証してあげる。曲がりなりにも王に勝った子達よ。実力は保証するわ』

「…!はい、ありがとうございます」

「シズク先輩とイフリート、何しているんですか?…どこに行けばいいんですか?」

『戦闘以外ではちょっと…いやかなり頼りないけどね』

「そうですね」


イフリートと話しているシズク先輩が急に笑い出す。えっと、だからさっきからどんな話をしているんですか。


「ええ、では私の家に行きましょう。そこで詳しい話も」

「はい」


そういうわけで僕らはシズク先輩の家に向かった。

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