表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第6章 風の国の戦い
233/317

急な修行展開

葉月一週目日曜日


「うわああああああああああああ」

『移動中ぐらいは静かにできないものかしらねぇ』


イフリートが横で文句を言っているがそんなことは気にしていられない。だって僕今空をかなりの速度で飛んでいるわけだから。例えるならばスカイダイビングを横向きにしているような感覚。これが安全が保障されているのならば安心できるんだけど当然命綱なんてものはないしいつ失速するのかもわからないから気が抜けない。眼下の景色を楽しもうにも見えるのは森だけだし…あ、向こうに道が見える。これ普通に歩いて行ったらと考えたらかなり時間がかかるだろうな。ところでクレアはどこにいるんだろう


『あ、あそこで休憩しているわね』


どこだよ!見えないんだけどもう見える距離にいるのか!?てかイフリートお前なんで僕のスピードについてこれるんだよ。『精霊ですから』便利だなぁおい。それならついでにクレアが今どこにいるのか教えてくれないか?


『森のはずれのところね…ちょっと待っててクレアに魔法を出すように伝えるから。それでわかるはずよ』


それは非常に助かる。そうすればかなりの目標になるからね。あ、あそこに火の手が上がった。あそこに行けばいいんだな…これどうやったら止まることができるんだろう?ゆっくりと減速して行っているというか落ちて行っているけど…うまい具合に到着することができるかな


「って、ここまで来て中途半端な位置に落下としかシャレにならないんだけど『電撃(thunder)』」


慌てて電撃を放って位置を細かく調整する。そして僕はクレアの居場所に少しだけ届かない位置に落下した。え?ここは展開としてちゃんと間に合うんじゃないのかよおおおお


「あの高度から落ちたら骨折とか下手したら死ぬぞこれ『電気の領域(field)』『創造(creat)』」


『領域』を地面に向けて思いっきりぶつける。そして同時に『創造(creat)』で砂鉄を作り出して近くにある木に向けて砂鉄で作り出した剣を突き刺す。イメージは崖から落下中に崖に剣を突き刺す感じで。『領域』を先に発動させておいたおかげで『創造(creat)』で使う砂鉄をスムーズに集めることができた


「はぁ…はぁ…」


なんとか勢いをほとんど殺すことができた。完全には無理だったので少し地面とぶつかってしまったがこれくらいの衝撃ならばなんとかなるだろう。


『結局激突したのね…はぁ、しまらないわね』

「最初だからこんなもんだろ…」


これくらい最初だから大目に見てくれよ。僕が最初に『電気鎧(armor)第三形態(third)』を発動した時なんて意識が消えていたからね…そしてクラスメートを半殺しにしそうになっていたからね。


『まあいいけど、クレアのところまでは少し距離があるわよ』

「さすがに走る」


もう一回同じように力を溜めたとしてクレアの場所にたどり着くことができるかって言えば多分無理だろう。そして何回も調整しようとしたら結局余計な力を使ってしまうことになる。それでは本末転倒だ


『まあ、それが一番確実でしょうね…案内は私がするわ』

「頼む」


電気鎧(armor)第三形態(third)』をさっき発動してから解除していない。だからそのまま走る。距離があるって言ったけど走れきれない距離ではなかったみたいだ。すぐにクレアの元にたどり着く


「おーミライ、遅かったな」

「いやぁ、失敗してしまってね」

『へえ、失敗してもへこたれないんだ』

「別にいつものことだしね。それに失敗したって言っても距離感覚が間違っていただけで仕組み自体は成功しているからね」


あとはぐるぐる回る時間を調整すれば今回みたいに飛ぶことなく地面をギリギリ走るだけのエネルギーに抑えることができるかもしれない。その感覚をしっかりと身につけるしかないな。だから練習あるのみってところだし…ん?


「なにぐるぐる肩を回しているんだ?」

「いや、これでエネルギーを溜めれないかなって」


静電気のエネルギーを溜め込むイメージかな。しばらく回していると腕全体からバチバチと音が鳴り始める。見れば自分の右手に電気が集まってきているのがわかる


「そろそろいいかな…クレア」

「おっけー『火の玉』!」


クレアが大量に火の玉を生み出しそれを僕に向かって飛ばしてくる。そしてそれを僕は


「とりゃあああああ」


ただただ力を込めて拳をぶつけてみた。ぶつかった火の玉は消し飛んでしまった


『おお』

『へぇ、よくやるわね』


精霊たちも驚いている。…ん?でもこれって


「威力がどれくらいかいまいちわからない気がするんだけど」

「あー…僕の火の玉より強いぐらいしかわからないね」


ほとんど意味がなかった気がするんだけどまあ新しい魔法を覚えることができたってことでいいか。この魔法には名前をつけていないけど…どんな名前がいいのかな。


『そうやって一つの魔法をどんどん広げていっているのね』

『この子何者よ』

『ミライよ』

『いやそうじゃなくって…』

「それで、ミライ、走ることはできるか?」

「まあ多分いけるはず…ウィンディーネ、いつまでに到着すればいいんだっけ?」

『え?ああ、来週の火曜あたりね。風曜日に結婚式が行われるからそれまでに全部終わらせないと』

「わかった」


つまりまだ少しだけ時間があるってことだな。もたもたできる時間はないけれども少しだけ練習する時間ぐらいは与えてもらってもいいだろう


「練習ってどうするんだ?」

「まあ一応移動も心がけるよ。移動しながらどれだけためればどれだけ動くことができるのかの検証をしていきたいんだ」

『まあ…それぐらいの時間はいいわ。それに新しい魔法は使えれば使えるだけいいもの』

「ありがとう」


ということで僕は自分の腕を回したりして電気を集めて力に変える魔法の練習をすることにした。ぐるぐる回っては走り出す(飛び出す)ことを繰り返した。まあどれくらい回ればいいのかわからないけど『電気鎧(armor)第三形態(third)』の影響で走り始める時の初速を一定に保つことができているからあとは回る回数を調整するだけだ。これは自分で数えてもいいんだけど回っていくうちに何周したのか数えることができなくなってしまった。うん、複数のことを同時に考えるのって無理だわ


『それこそあんたの電撃で脳をいじくればいいんじゃない?あ、あと三周ね』

「素人が弄ってもろくなもんにならないだろ!あと三周ね了解」


『じゃあ「電気鎧(armor)第三形態(third)」の際の命令はどうやって実行しているのよ…あ、もういいわよ』

「知らん!あれは強く意識してるだけだし…とりゃあああ」


なのでイフリートにお願いして回数を数えてもらっている。こういう細かな調整をする時には非常に便利だよな。『前代未聞よ。精霊をこんな使い方するなんて』それはちょっとだけ罪悪感がわくといいますか。いつか必ず埋め合わせしますから


『まあいいわよ。てかさっさと習得してクレアに追いつきなさい!』


クレアは先に行動してもらっている。僕に付き合ってあいつまで遅れてしまうことがあっては困るからだ。気がつけばもう練習を始めて1日経過してしまった。でもそろそろ…


「『蓄積(charge)』」


適度な回数回転してそして…走り出す。走りながら前方に『地雷(trap)』を設置して速度を回復させる…!やったぞ。これは、成功したと言っても過言ではない!


『やっと成功したわね…さあクレアに追いつくわよ!』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ