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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
215/317

『領域』を超える力、『世界』

ブクマありがとうございます

励みになります

これからも頑張ります

葉月一週目水曜日


「よっしゃあ」


初めてまともに攻撃が当たった。やっぱり奇襲はいつでもうまくいくんだな。で、当然追撃をしないなんてそんなことはなくて


「『放電(thunder)』」

「『「|王の世界」』」

「「!」」


電撃を放ったがそれは謎のバリア?で防がれてしまった。いやこれはバリアというよりも


「あそこだけ空気が違う?」

「なんなんだあいつの魔法」


でもなんだか僕らが普段使っている『領域』に近いような気もする。魔法を防がれたっていうのも似てるし。


『ちっ、時間が厳しい』

「時間?ああ、ミイさんの姿でいる時間か」

「え?」


これはあいつの力が戻ってきているっていうことなんだろうな。だから時間がやばいとかそういう表現をしたんだろう。そうなると僕らに勝ち目ってあるのだろうか


「『ふははははは、久しぶりにこの力を使ったぞ、人間』」

「そりゃどうも」


殴った傷もすぐに修復されているのか傷が見当たらない。てか普通に殴っただけだから赤くなるとかその程度か。


「『騙されたものだ。そちらの人間が近距離戦闘もできるとはな。ああ、我に油断があったことは認めよう。だがもうそんな油断など見せぬ。本気で相手しよう』」

「油断してくれていた方が良かったんだけどな」

「普段なら僕はその意見に反対するところだけど今だけは同感」

『私も同じ。本気を出した王が相手とか戦いたくないわ』


いつもはバラバラだけど今回ばかりは意見が一致したみたいだ。いやだって相手強すぎるんだもん。明らかに戦力が間に合っていない。具体的に言えば初期装備でラスボスを相手にしろっていう感じだよ。


『中盤じゃないの?』

「それでも勝てるゲームがあるからね」

「『さて、そろそろ行くとしようか。「身体強化」』」

「ミイさんの魔法、か」

「うぐっ」

「あ…」


クレアのかなり厳しそうな声が聞こえてきたからどうしたのかと思えばいつのまにかあいつが近くまできていてクレアを蹴っていた。いやちょっと待ってくれ。お前そんなに早かったのかって


「ぐふっ」


そのまま振り向きざまに僕を殴るなよ。まるでついでじゃないか。いやこれは僕らが近くに集まりすぎていたのがわるい。蹴り飛ばされて…追撃警戒


「『放電(thunder)』」

「『読みは悪くないがもう少し我の位置を探るべきだったな』」

「こっちかぐわ」


回し蹴りを受けてしまう。さっきからこいつに対して『感知(feel)』を使って位置を探ろうとしているんだけどなかなか掴むことができない。こいつももしかして隠密の魔法を使ったりしているのか?


そのまま飛ばされる。これはきっと昨日も同じような展開がずっと続いていたな。身体能力ではこちらが圧倒的に劣っているのか?それとも今奇襲を受けただけなのだろうか


「『創造(creat)』」


吹き飛ばされながらも体勢を整える。あいつがやったみたいに砂鉄を集めて壁にしてみる。でも強度がなかったみたいで普通に突き抜ける。それでもクッションとしての役割は果たしたみたいで推進力が小さくなった。


『二人掛かりでもこれなのね』

「『時期尚早だったな炎の精霊よ。貴様の契約者もまた然りだがこいつらは見所がある。もっと修練をつんでいれば今の我ぐらい余裕で勝てるぐらい強くなるだろう』」

『その時を待っていたらあなたは完全体になっているでしょうに』


イフリートの言っていることももっともだな。てかそうなると全力のこいつと戦わなければならないということになるのか。それを考えるとかなり辛いんだけど


「どうするクレア」

「いや全く策が思いつかないんだけど。こいつマジでどうしよう」


僕も全く考えが思いつかないみたいだけどクレアも同様に何も思いついていないみたいだ。少なくともさっきみたいに奇策を使わなければまともに戦えないだろうな。まあこれは昔からよく聞く話だけど単純な力で負けているのならばそれを覆すために戦略というものが存在するんだってね。だから知恵を絞ってこいつを倒そうじゃないか


「でもその考えが浮かばないんだけどね」

「じゃあ僕がしばらくあいつを一人で相手するからクレア考えてよ」

「は?無茶言うなよお前一人で戦えるわけないだろ」

「そりゃそうだけどじゃあどうすればいいんだよ」

「うーん」


っと、考えがまとまっていないのにあいつこちらに視線を向けたぞ。たのむよイフリートもう少しだけ粘ってください


『バカなこと言っていないで早く戦いなさい』

「はーい…」


とりあえずクレアがなにか考えつくと信じて突っ込むしかない。あいつに向かって走る。むこうもこちらの方に向かってくる。気を抜いたらすぐに吹き飛ばされるので


「『電気の領域(field)』」

「『あまい』」

「…『領域』が発動しない!?」

「ミライ」

「!」


クレアの声によって慌てて防御の姿勢を…両手を顔の前に置いて構える。幸い間に合ったようで殴られはしたもののほとんどの威力を軽減することができた。


「大丈夫かミライ!?」

「僕の心配よりも自分の心配をしてくれ。こいつ『領域』が効かない」

「は?」

『あいつが「世界」を使っている間あいつの近くは全てあいつの「世界」になるから「領域」も発動しないわよ!…まさか使えるとは思っていなかったから伝えてなかった。ごめん』


なるほどね。さっきの感じと今の説明からして「世界」っていうのは言わば『領域』の上位互換というか進化した感じなんだろうな。てことはさらに発展させたら僕らも同じように使うことができるのだろうか。


「あいつの『世界』はどれだけ持続するんだ?」

『うーん、まあそこまで長い時間続くことはないわね』


となればそろそろ終わりか。てか『領域』がほぼ一瞬で終わるのに対してしばらく展開することができるのかよ。かなり強いな。


「『炎の舞』…効果が弱まっている」


クレアがあいつを炎で囲う。でもやっぱり威力が本来のよりもかなり落ちているな。でもおかげであいつは今あそこで足止めを食らっている


「『この程度の拘束は我に効かぬ』」

「『放電(thunder)』『地雷(trap)』あとは…『創造(creat)』」


思いつく限りの魔法をぶつける。そしてついでに砂鉄剣を生み出して振り下ろす。砂鉄がある程度舞っていれば粉塵爆発の方に持っていくことができる。ドラゴンでさえ防ぐことができなかった攻撃方法だし多分いけるだろ


「『「魔力の壁」』」

「こいつ防御能力が高すぎる」

「僕らも硬い方なんだろうけどその上をいかれてるな」


僕が放った魔法はほぼ全て吸収されてしまう。交互に使われるとなるとかなり辛いんだけど。てかこれ僕らを客観的に見るとなるとこんな感じになるのかな。


「『放電(thunder)』」

「『火の玉』」


お互いに魔法を打ち続ける。まずは壁を壊さないといけない。クレアの拘束もとかれちゃったし


「『ふん』」

「『火の領域(fire・field)』…時間が経過したみたいだ」

「助かった」


それでも吹き飛ばすことは叶わずただ足を止める程度の効果しか発揮できない。まじかよ。せめて少しぐらいは引かせられると思ったんだけどな


「あいつの力が消えた今。攻撃のチャンスかな?」

「そうだな」

「『だとしても我に攻撃を当てることはできなければ意味がないぞ』」


そうなんだよな。ほぼこちら側は詰んでいると言っても過言ではないくらい詰んでいる。くそっこれじゃあイヨさんたちから受け取った思いを願いを、無駄にしてしまうことになる。どうする。どうすればこいつに追いつくことができる。どうすればいい。焦る僕とは裏腹にクレアは楽しそうに笑っていた。


「やっべーな」

「『ん?なぜ貴様は諦めておらぬ?こやつは昨日とかもほぼ諦めていたというのに』」


クレアは口ではかなり暗いことを言っているけど表情はまだ明るい。というか希望を持っている感じだ。まだまだ闘志であふれている。もしかしてなにか策でも閃いたのか?いや、ていうかこれは…


「『ああ、炎の精霊か。その力があれば』」

「違うよ」


違うのか?イフリートの力を使うのかと思っていたんだけど。この戦いもてかイフリートと契約してからクレアがイフリートの力を使っているのを見たことがないんだけどね。でも違うとなるとどういうことだ?


「だって一人じゃないし」

「『ほお?』」

「僕だけなら諦めるだろうよ。でもさ、今ここにはミライもいる。だから負ける気がしない。確かに今はお前にまったく届いていないが、でもミライと一緒ならこの戦いのいつかでお前に追いつけるそんな気がするんだ」

「な…」


ここに来て精神論かよ。もう少し現実的なことをいうものかと思っていたんだけどね。…ま、でもそれもそうかもな。


「まークレアが諦めていないのに僕が諦めるわけにはいかないからなー」


僕も最後まで戦いを続けますか。今度はさいごまで、戦いを続ける。さいごまで勝利の道を手放さない

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