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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
208/317

電気鎧の合体

葉月一週目火曜日


爆発が発生する。これはまずい


「『電気の領域(field)』」


反射的に『領域』を展開して爆風から身を守る。でもこれでは………


「きゃあああああああ」


やっぱり。イヨさんの悲鳴が聞こえて来る。今すぐにでも助けに行きたいけれど爆風の威力が大きすぎて動くことができない。幸いにして研究者たちは動く気配がない。まあ爆発なんて一瞬のことだしすぐに収まるはずだ


「『放電(thunder)』」

「だから無駄だと」

「いや、これは小生たちへの牽制だと」


そうだよ。後ろに電撃を巻きながら、あーどうせなら「『地雷(trap)』」こっちでも大丈夫だろ。それに足止めの意味合いで言えば『地雷(trap)』のほうが優秀だしな


「イヨさん」


さっきの爆発で壁に激突したみたいだ。でも死んではいない。「うっ、うう」意識も少し危ういけれどまああるといっても差し支えないレベルだ。イフリート詳しいところどうなんだ?


『ん?まあ大丈夫ね命に別状は何もないわ。でもメイの治療は早い所受けさせたほうがいいわね』


なるほどね。それはつまり僕がこいつらに早い所勝てばいいわけだ。さっきまでの戦いでこいつらの魔法はなんとなく掴めてきている。厳しいのは変わりないがもう少し遠距離で戦える魔法があればいいんだけど電撃は防がれるし砂鉄の剣をぶつけても反撃されるだけだし有効打が本当に何もないな


しかも逆に相手は呪術が使えるとなれば当然遠距離から呪うとかもできるしてかスキル「嵐」とか風属性の強化版となれば当然遠距離魔法なんてお手の物だろうし


「精霊がまだここにいるということはメイとかを呼ばれに行っていない。姿が見えなくなるまでじわじわ削ろう」

「そうだな。防御は私がなんとかしよう」

「遠距離なら小生に任せとけ『鎌鼬』」

「『放電(thunder)』」


飛んでくる風の刃をひたすらに電撃で返していく。返しながら作戦を考えていく。どうやってこの危機を乗り越えればいいんだろうか。自分の使える魔法が汎用性が高いように見えてこういうときに使えないのが腹立つ。


「『創造(creat)』」

「むっ、砂鉄をまとい出した」

「とりゃっ」


またしても巨大な剣を作り出し振り下ろす。そしてそれに対してまた防御魔法を使うやつが前に出てきてカウンター魔法を放つ。それぐらいわかっているから


「『解除』」

「させん。『竜巻』」

「ちっ」

「何度も爆発を発生させるわけにはいかないからね」


砂鉄での切り掛かりに見せかけて粉塵爆発の流れが防がれてしまった。その性質上、風が強く吹いているときには砂鉄がバラバラになってしまい発火したとしても連鎖が全く起きない。だから不発に終わってしまう


「くそっ」

『トリッキーに攻めるタイプの弱点ね。種が割れてしまうと攻撃の威力が半減する』

「わかってるよ」


初見殺しの弊害だよな。ということはこちらが新しい魔法を発動させれば相手は警戒するということか。でもこいつらの前で使っていない魔法って何があるんだよ。覚えていないからそれも無理ゲーだよ


『イヨ、ミライが使った魔法だいたいわかる?』

「え?あ、はい。大体は」


後ろでイヨさんが僕が使ったであろう魔法を教えてくれる。まじかよ。大体使っているじゃないか。残っているのっていったら一回しか使用ができない大技と…ん?


「『電気鎧(armor)第二形態(Second)』」

「ここにきて魔法を隠していたのか」

「砂鉄が集まってきた?」


さっき飛ばされた砂鉄を再び集める。でもこれを使ってしまったら『電気鎧(armor)第三形態(third)』が解除されてしまう。だから使ってこなかったんだよな。


「うっ、ぐう」


まだ今回はそこまでダメージを負っていないし傷もそこまで付けられていない。無茶をした反動から足とかが痛むけれどなんとかなる程度のものだ


『ねえ、それならいっその事同時使用とかできないの?』

「え?」

『てかその魔法発動してどうするの?』


まあ確かに言われてみればこの魔法って通常の『電気鎧(armor)』よりも攻撃力と防御力が高いってだけで『電気鎧(armor)第三形態(third)』ほどの利便性が全くないんだよな。最初に派生しただけだけど単にただただ強化されたってだけだし。


『なら同時使用とか試した事ないのね』

「まあ、そうだけど」


でも元々は同じ形態の魔法だし同時使用って難しいんじゃないのか?『そこをなんとかするのがミライでしょ複合(mix)させちゃいなよ』そんなことを言われてもね


「ま、やってみるか。『電気鎧(armor)複合(mix)』」


砂鉄を操っている状態でさらに『電気鎧(armor)第三形態(third)』を発動させて身体強化を図る。いや、正確には前の状態に砂鉄を体にまとわりつかせたような感じだ。『電気鎧(armor)第三形態(third)』だと一応電気をまとっているとはいえほぼ生身に等しい感じだったからな。これで大幅に防御力が強化された感じだ


『何が変わったのかよくわからないんだけど』

「防御力が上がった感じかなほら、鎧みたいになっているだろ?」

「なにをわけわからないことを『鎌鼬』」


風の刃が飛んでくる。それを体に直撃させる………いやまて風とか結局空気だから切り裂かれそうなんだけど。普通に防ぐか


「『放電(thunder)』」

『なにが変わったの?』

「これからだって『放電(thunder)』」


電撃を放っていく。また、放つ際に電撃と一緒に砂鉄も飛ばしていく。これが前にはできなかった方法だ。しかも


「こんな攻撃またしても吸収してしまえばいい」


そして予想どうり吸収するやつが前に出てくる。それでいい。他のやつが攻撃をしてくるとなると面倒だな


「『放電(thunder)』そしてこれで!」


左手で電撃を放ち続けながら右手で砂鉄の剣を作り出して振り下ろす。もともと『電気鎧(armor)第二形態(Second)』は『創造(creat)』の延長で作り出された魔法だしな。


「ケンゴは下がっておけ『反撃カウンター』」

「小癪な」


電撃を吸収されるし砂鉄の剣を振り下ろしてもダメージを与えることができずに自分に全部返ってくる。結構苦しいけれども無理やり耐える


『それくらいさっきで発動できなかったの?』


いやそれ無理。多分可能といえば可能なのかもしれないけど今僕が何個の魔法を同時に発動しているのかって考えたら厳しいんだよ。さっきまでは『電気鎧(armor)第三形態(third)』に『感知(feel)』を常に発動していてその上に『放電(thunder)』と『創造(creat)』とか魔力が切れるっていうか一度に4つとか無理。3つが限界。今は『創造(creat)』が『電気鎧(armor)』に複合されている状態でなんとかなっているんだよ


『それもそうね。でもなんで感知魔法を常に発動しているの?』

「不意打ちを防ぐためかな」


こいつら以外に敵がいるとなればかなり厳しい、正確に言えばあいつがくるってなったときにできる限り早く気がつきたい。


「うざいな」

「ルドー、できる?」

「今形成してる。もう少し待て」

「させるかよっ」


再度電撃を放つ。向こうもなにかしらの準備をしているみたいだし、どっちが先に準備が終わるのか。ギリギリの戦いが続いていく。

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