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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
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研究者たちとの再戦

ブクマ・評価ありがとうございます

励みになります。これからも頑張っていきます

葉月一週目火曜日


イヨさんがいたと思わしきあたりにまで走る。えっと、位置的にはそこの角を曲がることになるのかな。さっきのナナさんの件が頭をよぎる。いや、まだ大丈夫だ。イヨさんの他にも誰か人の気配がする


『どうやって乗り込む』


正面からっていいたけど人数的に囲まれているだよな。それだとたどり着く前に止められてしまう。幸いなことに向こうは僕らに気がついていない。それだけが優位だ


『あいつがいなければの話だけど………そうね。それならこれはどうかしら?』


イフリートが何かを思いついたかのように述べる。え?どんな方法をすればいいんだ?


『簡単よ粉塵爆発で一発決めてからその「電気鎧(armor)第三形態(third)」の脚力を使って一気に接近するのよ』


あーそれなら確かにそれならいいかも。それじゃあ早速決めるとしますか


「『創造(creat)』からの『爆発(dynamite)』」

「ん?」

「なんだ?」

「これは?」


爆発に驚いて………ついでに少し巻き込まれて驚いている隙をついて三人の横を一気に駆け抜ける。そして、イヨさんの元に駆け寄る


「イヨさん!」

「ミライさん………どうして」

『ナナの力を借りたのよ』

「ナナ…やっぱりナナは死んだんですね」


気づいていたんだ。こういう発信機的なのをつけているけどわからないのかと思っていたらそうでもなかったんだな。


「ナナが生まれてからしばらくして違和感を覚えて、それがさっき消えたのでそうかなって思っていたのですがやっぱり……」

「そうだね。そして、彼女を殺したのはお前らか」


時間的にも位置的のこいつらで間違いがないだろう。ちっ、揃いも揃って白衣なんて着やがって。変態集団の集まりかよ


『あ。先に言っておくわ。イヨ、ミライは記憶を失っているの。だからあなたのことを覚えていなかったのよ』

「そうなんですか?でも、それだとなんで…まさかあいつとの戦いで?」

『うーん当たらずも遠からずってところね。ミライの使う魔法「(metamo)(rphose)」が少し副作用がキツくてね』


イフリートが説明してくれている。それは助かるな。イヨさんへの説明は任せるとして僕はこいつらを倒すとしますか。


「へえ、あれが精霊か。なんて素晴らしいんだ。本当に君が契約者じゃないのか」

「あの爆発は、やはり君か」

「小生らはあのお方によって回復した。イヨたんを回収させてもらうぞ」

「回収じゃなくて処分だろ?てか………」


一人だけ明らかに言葉遣いがおかしなやつがいるけれど全体的に見て大人しめなのがタチが悪い。もしかしたらあの二人がマトモなほうに位置されているのかもしれないけどね。てか統計的にこれって問題ないんだっけ?偏りとかないのかな?でもそれよりもきになるのが


「お前らの名前何?…あ、やっぱりいいや。ここで倒すし」


名前が少しだけ気になったけど結局ぶっ潰すのには変わりないし結局関係ないや。でもどいつから倒せばいいのかわからないのは少しつらいな。イフリート教えてくれない?誰か補助系の…って今はイヨさんに説明しているんだっけ。しばらく一人で頑張るか


「あいつなんで私たちの名前を忘れているんだ?」

「さっき精霊が言っていたけど記憶喪失なのかな」

「なるほど。それなら私たちの魔法もバレていないし逆にミライくんの魔法はほぼ全てわかっている」

「ぐふふ、これは勝ちましたな」

「ごちゃごちゃうるさい!『放電(thunder)』」


三人で仲良く話し始めたのでこれ幸いと電撃を放つ。卑怯?知らないね。そもそも一人で三人を相手にするんだ。これぐらいやったって許されるだろ


「それくらいわかっているよ『シールド』」

「!」


真ん中のやつが前に出てきたかと思うと普通に僕の魔法を防いだ。こいつ防御系統の魔法を扱うのか


「私はイヨを狙う」

「待て!」

「させないでござる『竜巻』」

「うぐっ」


こいつの語尾とか色々と突っ込みたいところが山ほどあるんだけどそれよりもこの風の壁をなんとかしなきゃ。このままだと左のやつがイヨさんに攻撃してしまう。


「『電気の領域(field)』イヨさんに手を出すなぁ」

「感知魔法はこれだから嫌いなんだ」

「なんで効かない」

「そっか。こいつも覚えていないのか。それは都合がいい」

『ミライ、そいつは電気を吸収する服を着ているわ。だから攻撃はあんまり効かないしそいつに触れ続けていると「電気鎧(armor)第三形態(third)」が切れるわ』


それはまじかよ。慌てて距離をとるってうわっ


「『鎌鼬』」

「ちょこまかと」


腕を少しばかり切ってしまった。でもそこまで深くはない。さすがに三人は厳しいものがあるな。だからまずは一人減らす。


「『創造(creat)』」

「むっ。また爆発を起こすつもりか」


残念ながら外れ。そもそも爆発とかあんまりしすぎると目立つからね。いやこの際目立ったほうがメイさんとかクレアとかに気がついてもらえるのかもしれないな


「斬り裂け!」


砂鉄で作り上げた剣を横に薙ぎはらう。…薙ぎはらう瞬間に一気に力を込めて操作する砂鉄の数を増やす。この方法によって初期状態の剣の大きさでは届かなかった二人にまでも切りつけることができる


「無駄だよ『シールド』『反撃カウンター』」

「うぐっ」

「『暴風』」


風に巻き込まれて吹き飛ばされる。まじかよ。僕ってここまで弱くなっていたのか?いやそもそもそんなに強くなっていないのか?


『こら!そこ弱気にならない。こいつらはあなたの魔法を知っていてあなたは知らない。それで差が詰まるほどしか実力差がなかったってことだけど別にあなたが弱いわけじゃないわ』


そう言われましてもね。てか今のイフリートの言い方からして昨日今日でこいつらと戦ったことがあるってことなんだな。


『イヨさんに説明が終わったわ。無事に誤解も解けたし、あとはここから無事に帰るわよ』


了解。それよりもこいつらの情報何か持っていない?さすがに厳しすぎる


『そうねぇ、左から順に「呪術」、「防御」、「嵐」ね』

「それ全部初耳なんだけど!?いやあれか?「嵐」って「風」の上位互換とかそういう感じなのか?」


それ以外全くわからない。でも左のやつが呪術系統を使うってのがわかったのはありがたいな。陰陽道とか全く知らないけど確か最近読んだ本の中に呪術士は動物とか使って呪い殺すってあった気がする。ということは


「『放電(thunder)』」

「え?」


イヨさんと左のやつの間に電撃を放つ。そのまま突き抜けて後ろの壁に激突するかと思ったら途中に何かにぶつかったように消える。


「ちっバレたか」

「これが呪術の魔法」

『呪いの正体ってところかしらね』

「これでムツキを殺したんですね」

「そうだよって無駄だよ私には電気魔法は効かない」


それでも少し怯んだでしょ。効かないとわかっていても電撃が自分に向かってくるのってかなりの恐怖だからね。それで僕はイヨさんの一番近くに陣取ることができる。


「それでもお前らをぶっとばすんだよ」

「そうか。では聞くが」

「うん?」


そういえばさっきからなんで他の二人はこちらに攻撃してこないんだ?いやむしろ自分たちを守るように魔法を展開している?


「私がそんなことを想定していないとでも?」

「なに!」

「なにも君だけが爆発を使えるわけじゃないんだよ『呪爆特攻』」

「まっ」

『危ない!』


左のやつが残り二人の元に駆け寄るとともに、僕とイヨさんの間らへんが光ったかと思うと次の瞬間に巨大な、僕の粉塵爆発とは比べ物にならない規模で、爆発が発生した。

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