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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
201/317

王クラスとの戦い

葉月一週目火曜日


さて、異世界に来て初めてのボスクラス・・・なんかどっかの黒龍が頭の中をよぎったけれどあの時は先輩たちもいたのでノーカンついでに向こうはこちらを殺しに来ていなかったしな。となれば、この戦いも僕が死ぬことを考えないといけないな。むしろその可能性が高いか


「イヨさん僕とこいつの戦いが始まったら隙をみて逃げて」

「え!?」

「『ほお、せめて一人でも逃すか。我を越えればこの先にこちらの者は誰も居らぬ。無事に脱出することができよう』」

「ご丁寧にどうも」


逃げ道を提示するということはそれだけ二人とも倒すことができるという自信があるからにほかならないよな。ならなおさらイヨさんに生き残ってもらわなくちゃ。生き残ってもらってイフリートとかに情報を渡してほしい。


「・・・『放電(thunder)』」

「『無駄だ。「魔力の壁」』」

「やっぱりボスか」

「『ボス?ああ、まあ我は王であるからな』」


いやどちらかっていえばゲームのボスをイメージしたんだけどね。ゲームのボスって魔法向こうとかバカみたいな耐性を兼ね備えていることが非常に多いからね。今も現に僕が放った電撃は普通に防がれているし


「物理攻撃は・・・一応効くんだな」

「『そんな万能な魔法は今は使えん』」

「つまり完全体になったら使えるってことですね」


なにその頭のおかしな魔法。古の王ってどいつもこいつも化け物なのかよ。そんなやつ相手に僕がまともにかなうわけないな。って気弱になっている場合じゃない。とにかく僕でもできることを考えなくちゃ。こいつの周りを『電気鎧(armor)第三形態(third)』で強化した体で飛び回っているけど僕の方が速さは買っているのかな。いやいやそもそもミイさんの肉体だし僕と同じような魔法を使えるから気をぬくわけにはいかないな


「『放電(thunder)』・・・あの障壁ずっと展開しているのかよ」


それともある程度ダメージを受けるまで張られ続けるとかそっちのタイプなのかな。それを確かめるために連続で攻撃をしようかな。


「『放電(thunder)』『放電(thunder)』『放電(thunder)』・・・5発でやっと打ち破れるのか」

「『冷静に戦局を見るか・・・やはり今殺すのは惜しい』」

「でも残念ながら戦っているのは今なんだよ・・・てかお前また別の器でも見つけたらいいから今僕に倒されてくれよ」

「『また我に都合のいい器が手に入るとは限らないしな。それにそれは恩義に反する』」

「結局譲る気はないってことかよ」


少し希望が見えた気がしたけどすぐに潰されるとかこいつなかなかに性格悪いな。もういっその事『閃光(flash)』を使うという賭けに出るか?いやそれをしてしまえば体が動かなくなって詰みか。こいつが攻撃に移る前になんとかしたいんだけどな・・・!


「『「吸血」』」

「『電気の領域(field)』」

「『む、防ぐか』」

「今の絶対にヤバいやつだろ『放電(thunder)』」

「『ほお』」


苦し紛れに電撃を放ってみたら相手は障壁をもう一度展開するわけでもなく普通に避けた。あ、ということはやっぱり一度発動した後は次にもう一度使えるようになるまで少しだけ時間がかかるっていうことなのか。


「普通にかわすなよ」

「『形成スピードが遅いからな』」

「これでもかよ・・・」


ダンジョンで一度同じような問題に直面して以前よりも高速詠唱を心がけているんだけどこれでも遅いのかよ。これ以上速くってどうすればいいんだよ。発動を考えてから動くまでの伝達速度とかを早めるとか・・・あ


「『む!』」

「・・・これも・・・無理か」

「『貴様、なにをした』」


伝達速度を速くするのならば『電気鎧(armor)第三形態(third)』でそこも無理やりなんとかしてしまえばいい。ある意味オートにするっていう感じだな。それをしたら意表をつくことはできたんだけど反動が大きいな。今も『電気鎧(armor)第三形態(third)』を解除していないのに少しだけフラってしたし。


「はぁ・・・はぁ・・・『放電(thunder)』」

「『さっきから同じ魔法しかしていないぞ「魔力の壁」』」

「・・・」

「『無駄だ』」

「ぐううう」


物理的な攻撃は効くわけだからもう魔力の攻撃は無視して殴ってみた。背中に回り込んでそのまま背中を蹴りつけた。しかし読まれていたのか振り向かれて手でガードされる。そのまま掴まれて・・・まずい


「『電気の領域(field)』」

「『ほお・・・』」


もう一度距離を取る。近接攻撃もダメなのか。となれば僕の取れる攻撃ってほとんど無理じゃないか?まあもう少し色々と考えてみるか。砂鉄を使えないのが本当に厳しいな。それによって粉塵爆発への流れが完全に閉ざされてしまっている。


「とりゃぁ」

「『えっと・・・「身体強化」これか』」

「それはミイさんの・・・」


まあそれぐらいは予想できるからそこまでは驚きはしないんだけどね。てかそれだとまずい。さっきの感じ向こうの通常状態と『電気鎧(armor)第三形態(third)』を使っている僕の身体能力がほとんど同じだっていうのにそのうえ向こうが強化されたとなれば


「ぐはっ」


ミイさんの拳が僕のお腹にめり込んでいる。そのまま弾かれるようにして吹き飛ばされる。


「『放電(thunder)』」

「『ほお、追撃警戒か』」


とりあえず目の前に電撃を放ってそのまま無意識ながら適当に拳を前に出す。相手もかなり手慣れているし一気にたたみかけてくるはずだと睨んだんだけどね。


「『自己活性(heel)』」


体はまだ動くけどいつ疲労が爆発するのかわからないので回復魔法を発動させておこう。これでもう少し戦える。僕よりも身体能力が高い相手とこうして戦うのって何気に初めてか?まあ不意打ちしたり誰か仲間がいることが多かった感じかな


「!」

「『その攻撃はいくらかリスクがあるみたいだな』」

「うるせぇ・・・」


こいつがおしゃべりが好きなタイプでよかった。じゃなきゃ僕はとっくにやられているしイヨさんはすぐに追いつかれてしまっていただろう。もう一度直感に委ねて電撃を放ってみたけれども普通に避けられる。この攻撃は少し命中に難があるな


「とりゃあ」

「『ふっ』」


どうせ魔法はほとんど効かないからまだ可能性のある接近戦でなんとかしよう。まずは左手で殴り・・・これは防がれる。だから右手でも攻撃・・・とみせかけて右足で蹴る。


「『甘いな』」

「うぐっ」


だが相手も全く同じように左足で僕を蹴ってきた。単純な足の長さなら大して変わらないか僕の方が少しだけリーチが長い感じだけど向こうの方が早く動いた分先に相手の体にたどり着く。そのまま押し出されるように蹴られ僕はバランスを崩す


「『「吸血」』」

「がはっ」


そのまま右手で僕の顔を殴る。ふらついてしまっていたために防ぐことができない。無防備にさらされていた顔面にミイさんの拳が当たる。その衝撃によって僕は再度吹き飛ばされ地面に這いつくばってしまった。


「はぁ・・・はぁ・・・え?」


すぐに立ち上がる・・・いや立ち上がろうとした。でも一瞬だけ体が言うことを聞かなかった。正確にはまるで力が入らなかった。正真正銘の体の限界がきたのだろうか。いや今日は昨日と違ってあんまり血を流していない。だからまだ動けるはず


「『我の吸血を受けてからそこまですぐに立ち上がるなんてひさしぶりだな』」

「お前の・・・攻撃か」

「『左様。我の魔法「吸血」これを受けた相手の血液及び体力、精神力、気力などなんでもを奪う』」

「まじかよ・・・」


確かに立ち上がったときに少しだけふらついた。でも一度にそこまで取られたわけじゃない?いやまとめてって話だしそれぞれを少しずつ取って行ったんだろう。


「それでお前は回復とかそういうことか?」

「『まあそうだな。しかしなぜそれに気づいた・・・ああ、やはり転生者か』」

「転移だよ」


やはりってことは気がつかれていたのか。でもどこで?どこでバレたんだ?イヨさんたちにさえ気がつかれていないっていうのに


「『だから吸血鬼などに詳しかったのか。だが関係ない・・・そろそろあの小娘の方へ行かねばな』」

「待て!」


まずい!こいつをイヨさんの方へと向かわせてはいけない。慌ててこいつに駆け寄るも・・


「『無駄だ』」


無慈悲に腕を振るわれてしまう。そして僕のもとに近づいて・・・


「『もう少し楽しみたかったが仕方がない。さらばだ異界のものよ』」


腕や拳に謎のオーラみたいなものが集まって・・・そして、そのまま僕の体を貫いた。

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