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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
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連戦につぐ連戦

葉月一週目火曜日


「『放電(thunder)』」


電撃を壁にぶち当ててついでに殴る。そうして壁を壊す。・・・殴っただけでは壊れなかった。まじかよ


「『創造(creat)』からの『爆発(dynamite)』」


粉塵爆発を巻き起こす。うん、今度こそきちんとぶち壊すことができた。やっぱり爆発は正義だな。かの有名なリア充ですら壊すことが可能だからいいね。


「騒がしい挨拶だね」

「ミライさん!」


そして壊した先にはイヨさんとルドーがいる。これはまあ予想通りかな。ただまあ他の研究者かと思っていたけれどなんだルドーか


「それにしてもよくここがわかったね。いやわかったのはいいんだけどいくらなんでも早すぎじゃないか?スルトを倒してすぐきたろ?」

「まあ、対策していたからね」


こういうときに離れたらその隙をついて同行者を攫うっていう展開は割とありがちだしな。だから手を打っておいた。


「対策?何をした」

「簡単に言えばイヨさんにマーキングをしておいた」

「は?」

「まさか・・・」


イヨさんが何かに気がついたように僕の方を見てくる。まあイヨさんも似たようなことをしているわけだしすぐにピンときたのかもな。


「イヨさんの電気が僕の体に付与されるのならば逆に僕の電気をイヨさんに付与させることだって可能だろう?」


そう、だから僕は自分の電気を辿ればいいわけだから感知は簡単にできる。それに最後の手段として僕の電気を暴走させればすぐに居場所なんてわかるもんね。これをしてしまったらイヨさんの安全が保障されていないのでできればしたくない手段だけど。


「というわけだ。悪いけど返してもらうよ?」

「・・・断る」


だよなぁ。


「悪いけど今君には14(イヨ)がいない。だから私に勝つことは無理だよ」

「・・・」


確かに昨日こいつに勝ったときはイヨさんの協力があってこそだ。でもこいつは一つだけ勘違いしている。あのときに助けを求めたのはこいつの服で電気が奪われた後に『電気鎧(armor)第三形態(third)』で無理やり動かしていた体が動かなくなるのを防ぐためだ。そして今は僕の体にダメージはほとんどないと言っても過言ではない。つまり、魔法が解除されたとしても動かなくなって失敗するとかそういうことは絶対に起きない!まあこんなことを言っているからこいつにボコボコに殴られる展開になるとかそういうことだけは絶対に避けよう。そんなことになってしまったら恥ずかしい


「それでも殴りに来るんだ」

「・・・」


脚力に物を言わせて相手の背後に回りこむ。まてよこれイヨさんを取り戻す方がいいんじゃないかな。あーでもなんで拉致されたのかよく仕組みとかわかっていないから多分原因である研究者を殴っておいた方がいいだろうな。


「『洗脳』」

「それは、効かない!」


ルドーの魔法は洗脳。そんなのは『電気鎧(armor)第三形態(third)』で脳を弄っていれば基本的に効かない。


「君に使用したわけじゃないんだよ、うぐっ」

「はあ?」


じゃあ誰にしたっていうんだよ。まあ他に注意がそれているおかげで一発腹に殴ることができたんだけどさ。ん?そういえばこいつ昨日の電気を吸収する服を着ていない?いやそんなことはないか。白衣で見えなくなっているだけか。殴ったところから電気が流れているのを感じるし


「電気を吸収してしまえばこちらのもんだよ」

「うるさい『創造(creat)』」


砂鉄で剣を生み出し斬りかかる。さっき一度集めているからすぐに形成することができる。


「『放電(thunder)』」

「この魔力馬鹿め・・・」


ちっ、浅い。とりあえずもう一発殴る。やってることが明らかに悪人。いつか裁かれるのかな。


「『放電』」

「!」


突然背後から電撃が迫ってきた。慌てて避けたけれど少しだけかすってしまった。まあ電気をまとっているから特に問題ないんだけどね


「ぐう」

「なんでお前は当たるんだよ・・・」


いやばっちり見えていただろ。自分の方に電撃が向かってくることぐらい。なんで動こうとしないんだよ・・・あ、昨日の疲れか納得


「でも誰が・・・」

「・・・」

「あーそういうことね」


さっきの洗脳魔法をかけた相手がわかったよ。てか普通それ以外考え付かないよな。


「ははははは、仲間同士潰し合え」

「解除・・・『爆発(dynamite)』」

「ぎゃあああああ」

「うわっ」


やべっ、爆発させたのはいいんだけど近すぎた。僕も巻き込まれてしまったんだけど。そのまま吹き飛ばされて部屋の反対側に突っ込む。


「ぐぎゃっ」


突き抜けることはなかったけれども痛い。痛みをあんまり感じないはずなんだけどこれはあれか様式美とかそういう奴なのか。まあすぐになくなったしそういう物なんだろうね。振り返って見てみればルドーは完全に巻き込まれて伸びている・・・すまんスルトもそうだけど雑に倒しすぎているな。こっちもてんぱっているんだわかってくれ。


「イヨさん」

「・・・」


そして僕に電撃を放ってきたイヨさんの方を見る。さて、どうするかな。他二人と同じように爆発で簡単に処理をするわけにもいかないしな・・・。できる限り怪我をさせないようにこの場を収めるにはどうするかな


「・・・」

「あ!」


そういえばお互いに電気の交換?をしているわけだからイヨさんが手を掲げた瞬間引き寄せられた。もう少し考える時間が欲しかったな


「『電気の領域(field)』」


とりあえず『領域』で魔法を弾く。お、こういう設置系の魔法にも効くんだな。やっぱり万能だ。


「『放電(thunder)』」


電撃を放っていく。もちろん本気で当てるわけではない。僕の電撃を避けることでこっちに攻撃する隙を作らせないのが目的だ。これもすぐに終わってしまうけどある意味時間稼ぎだ


「・・・あ」


もちろん忘れずにルドーにも電撃を放っておく。多分もうすっかり伸びているけど念のためだ。これで絶対に起き上がることがないだろ・・・って電撃は吸収されるんだった


「・・・」

「やべっ」


気をそらしすぎた。また引きずられてしまう。えっと・・・ん?そういえばこの洗脳魔法って仕組みがどうなっているんだろう。僕の『電気鎧(armor)第三形態(third)』で防ぐことができているってことは脳に作用するってことだよな。つまりイヨさんの脳内を少しだけ刺激を与えれば元に戻るのではないだろうか。時間をじっくりかけて洗脳したのならともかく見た感じそこまで時間をかけずに簡単に済ませているはずだ。だからちょっとのだけで済むはずだ


「『閃光(flash)』」

「!眩しい・・・」


よし、意識がそれた。そのお陰か引きずられる感覚がなくなった、この隙を逃すわけにはいかない


「『|・・・』いい言葉が出てこない!」


え、まって。そもそもどんな魔法をしようとしていた!?これはあれかルドーさんと同じ洗脳魔法?でもそれだとなんか嫌だな。人を操るのってなんだか嫌悪感がすごいんだよな。うーん、こうなったらそうだな操るのではなくて誘導する、それはどうだろうか。少しだけ動きを制限する。それだけのことならどうだろうか。ならちゃんと言葉が出てくる。


「自分の手で頬を叩くんだ!『誘導(root)』」

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