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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
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誤解が果てしなく

葉月一週目火曜日


イフリートから自由に過ごして良いと言われたけど・・・うーん、さて、どうするべきか。外に出てあちらこちらを見回るのも悪くはないけれどでもそうすればここが襲われた時とかにすぐに戻ることができないし・・・悩みどころだな。ここにいても暇なだけだし。メイさんに魔法を学ぼうかと思ったけれど彼女のスキルは隠しておきたいみたいだからおいそれと頼むわけにもいかないしな


「あの、ミライさん」

「ん?イヨさん?」


僕のそばにイヨさんがやってきた。どうしたんだろう。


「よかったら一緒に街を巡りませんか?」

「え?」


きゅ、急に誘われてかなり驚いているんだけど。てかまともにこうして誘われるのって何気に人生初めてなきがするぞ。ん?もしかしたら角先に一度くらいは誘われたことがあるのかもしれないけれどまあ間違いなく女の子にってのは初めてだろうな


「え、ええ?イヨ?」

「えっと・・・イヨちゃん?」


おい、お前ら何だその反応は。まるで頭のおかしい人を見るような顔をしやがって。『ミライ気をつけて明日雪が降るかもしれないわ』お前が一番失礼な反応をしているんだけど!


「何か変なことを言いましたか?」

「いや、言っていないけど・・・どうしてミライさんなの?」


そう、イヨさんはわかっていないようだがこれはまるでデートのお誘いなのだ。いや待てよ。さすがにシチュエーションだけで決め付けるのは彼女に失礼だ。でもまあそう受け取られても仕方がない場合だが。言葉に簡単に直すと「異性を誘って街を一緒に歩く」だからね。理由があればすぐに納得できるんだけど・・・おい、それならわざわざそこまでの過剰な反応をしなくてもいいだろうが。さすがに可哀想になってくる


『そうよ。いくらなんでもこんな奴に気があると思われるなんて汚点よ汚点』


だからさっきから失礼が過ぎるんだけど。誰が汚物だこのやろう。人を汚物扱いしやがって・・・あ、言われてみれば僕ってこの世界から見れば汚物になるのかな?ならば精霊がそう表現するのも何も間違っていないのかもしれない


『ええ、だからあなたはこれから汚物らしく』


悪乗りするな!せっかく人が少しだけ乗ってあげたっていうのに恩を仇でかえしやがって。『あなたが勝手に乗っただけでしょ?』そうですよ。わかりましたからもうこの話題は流しましょう?いいですよね?僕は振り払うように意識をイヨさんに集中させる。


「いや、私外に出たら歩き回りたいと思っていたのですけどさっきミナに話したら一人ではダメだって言われたので」

「それで誘ったのね。でもそれならミライさんじゃなくても・・・他にはクレアさんしかいないけど・・・」

『少なくともミライよりはマシよね』


もうやめてください。そりゃ僕と違ってあいつはイケメンだし強いですよーだ。


『いじけないいじけないの』


こんだけいじられてこれぐらいでふて腐るの抑えてるのでかなりマシな方ですよ。それともあれですかもっとわかりやすく拗ねた方がいいですか『めんどくさいわね』・・・それ少し自分でも思ってきたよ。


『まあ普通に考えてイヨって子はクレアとほとんど接点がないから選ぶとしたら自然とミライになるわよね。メイでもいいかもしれないけど面倒なことになりそうだし』


それを最初から言ってくれればいいのに。なんでわざわざ煽るようなことを言ってくるのか。


「責任を取ってもらいたいので」

「!?」

「は?」

「ミライ?」

『クレア、魔力ちょうだい』


ちょ、ちょっと待って。あの、ちょ、ま、え?どういうことですか?てかイフリートすぐに燃やそうとしないで。今日朝からすでに一回燃やされているんですよ。これはあれか。伝説のリア充爆発しろって奴なのだろうか。とりあえず燃やしとけばいい的な。え、でも僕本当に彼女に何もしていませんからね


「責任ってどういうことよ!?」

「まさか昨日・・・」

「いやいやいやいやいやちょっと待てって」

『まさか私がいくまでに何かしたんじゃないでしょうね』


僕は潔癖ですって。あ、てか早くイヨさんに詳しい話を聞きましょう。なんかかなり空気がきついのではやく誤解を解きたいんですけど


「私に感情を取り戻させるって言ってくれたから」

「なるほどね・・・」


ほらぁ。だから誤解だって言ったじゃないですかぁ。『うるさい』ねえ、都合が悪くなったら上から押さえつけてくるのやめてくれません?


「ミライさんちょっと」

「ん?どうしたの?」


メイさんに袖を引かれるようにして・・・ちなみに衣服とかはクレアが適当なものを買ってきてくれていたのでそれを着用している。こいつなんだかんだで僕らのために服を買ってくれていたみたいだな。ともかく僕はメイさんに袖を引かれてどこか少し離れたとろに連れて行かれた。えーっと、これは一体どういうことなんだろう。


「ミライさん」

「はい」


なんだろう。かなり真剣な表情をしているメイさん。うん。これはおそらくだけど告白とかそういう展開では全くないだろうな。


「本当にイヨには何もしていないんですね?」

「なにもしていないよ?」


まさかここまで疑われていたのかよ。こっそりと別場所に移動されてそのうえで尋問というか詰問されてしまうとは思いもよらなかったんだけど


「わかりました。今は信じます・・・でも何かしたら・・・」


その先は聞こえなかったんだけどまあこの状況下においていう言葉なんてまあもうわかりきっているからね。


「じゃあミライさん行きましょうか」

「あ、うん」


それでも少し混乱して立ち止まっていたらイヨさんの方が近づいてきた。そしてまたしても引きずられるようにして僕はイヨさんと家から出ていった。っておい、お前もついてくるんかい


『だって二人っきりになったあんたが何しでかすかわからないし・・・それにもし研究者たちと会った時にミライだけじゃあ不安だもん』


後者だけで充分納得できるっていうのになんで余計な一言をいつもいつも入れてくれるのかな。相変わらず一言多い『誰かさんと同じでね』そういえば四万十さんや角先も僕に対してそんな言葉をいってきたな。これはあれか同族嫌悪ってやつなのか


『あんたと同族とか嫌なんだけど』


いやいやさすがに人間と精霊だから異なるけどこれはあれだよ性格が同じってやつだから。似た者同士っていった方が角がなかったかな?


『それが余計なのよ』

「あの、ミライさん」

「あ、ごめん」


イフリートに構い過ぎていたようでちょっとぼけっとしてしまっていたみたいだ『いつものことよ』いやいやこれでもシャキッとする時ぐらいはありますって。


「それで・・・えっと、どうするの?」


何気に女子と二人っきりで動いた経験というものがないのでかなり緊張している。まあちょっと前にシェミン先輩と買い物をしたけれどあれはダンジョンの攻略に向けた備品を買うっていう目的があったから今回のと同じにしていいのか迷いどころだし・・・だからまあどうすればいいのかわからん。助けてくれ


「ミライさんに任せます。私に・・・感情をちゃんと教えてください」

「う、うん」


いやうなずいたのはいいけれど完全にノープランなんだけど。え、まってこれどうすればいいんだよ?


『さあ?ま、好きなようにすれば?・・・ちょっと頬が紅くなってたし』


最後なんていったんだ?『あんたの足りない頭で考えても考えるだけ無駄だっていったのよ』はいはいそーですか。はぁ、まそれもそうだし、適当にのんびりと散策でもしますかね。

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