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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
183/317

『電気』スキルの可能性の欠片

ブクマ登録ありがとうございます

これからも頑張ります

葉月一週目月曜日


なんかフタバさんが勝手に昨日停止してくれたので残すは二人。ミナさんの能力はわかっているけどムツキさんの能力は未だ不明だ。彼女に気をつけながら戦いをしていくことにしよう。


「『電撃』」

「『電気の領域(field)』」

「魔法が・・・かき消された!?」


とりあえず普通に電撃が飛んできたので『領域』を使って吹き飛ばす。ついでに『領域』の範囲を狭めていく。これで範囲を狭めることによって脳に伝わる情報量を遮断してミナさんの接近をより勘づくことができるようにしよう


「ミナ、気を付けて。この人・・・ルドーたちが言っていた『領域』使い」

「そんなに有名なんだ」

「そうだったんだ・・・でもミライさんは知らなかったんですね」

『あなた好感度のコントロール上手いわねぇ』


それかなり嬉しくない評価なんですけど。僕がしているのってあれだよね。上げて落とすってやつ。それ一つするたんびに大抵結果的に好感度って下がっていくものじゃないんだっけ?つまりプラスマイナスで言えばマイナスだよ!?


「『放電(thunder)』」

「やっぱり気づかれてる・・・」

「ごめんミナ、私の力も遮断されているみたい・・・そんな効果まであるなんて」

「・・・」


なんとなくだけどムツキさんの魔法がわかったかな?僕の近くでは電気の誘導ができないということは・・・おそらく僕の『領域』に邪魔されているから、と推測できる。まあそもそも電気を誘導するってことは可能性として避雷針ってことかな。でもそれだと普通『帯電』スキルの人が使いそうなんだけど・・・まあ発想の転換とかで使えるようになったんだろうな


「ねえ、君たち降参しない?僕は君たちを傷つけたいわけじゃないし・・・それに君たちの攻撃は僕に届かないからさ」

「それはあなたにも言えることよ?確かにミナのフォローはできないけど・・・タイミングを合わせてみればなんてことないわ」

「まあ二方向からの攻撃を対処するのって結構難しいからね」


さて、ここでこういう言葉を使うことによって相手の次の手を同時攻撃に誘導するとしますか。まあわかりやすい言動だしこれが読まれる可能性もあるから読まれたときのこともしっかりと考えておこう。さっきまでのパターンだとミナさんの攻撃は一度した後少しだけ時間が空く。『隠密』魔法のかけ直しと考えればまあ妥当か。全ての感知魔法を潜り抜けることができるってことはそれ相応にリスクもあるんだろうし。少なくとも今の所『領域』で感知できる範囲にいないことは間違いのだし・・・そう、油断したのがまずかった


「今よ!『誘導』」

「しまっ」


後ろから急に何かが近づいてくる気配がする。まあ間違いなくミナさんでいいだろうけど


「『ほうd(thud・・・)』」

「・・・遅い」


電気を体に纏った(・・・・・・・・)状態のミナさんが僕に向かって・・・正確には僕の向こうにいるムツキさんに向かって突っ込んできた。さっきまでの速度とは比じゃない。なるほど、自分自身に電気をまとわせることでムツキさんの魔法の誘導対象になりその接近の加速の力を追加したのか。だからさっきよりも早く僕に接近することができる。そうすれば電撃が来ると予想していた・・・ミナさん側は何も変わることがないだろうと油断していた僕の裏をかくことができる。


「ぐうぅ」

「この人・・・ミイと同じ」

「今の攻撃を躱されたの?」

「違う・・・掠った」

「完全に予想外だったな・・・」


電気鎧(armor)第三形態(third)』状態の反射神経じゃなかったら多分完全に腹部を貫かれていたな。今の僕は脳からの命令からの反応速度がかなり向上している。だから後ろから攻撃が来ると分かれば体をひねって回避する動きを取ることも・・・なんとか可能だ。それでもミナさんの速度がかなり早かったみたいでギリギリだったけど。貫かれた部分を抑える。すぐにぬめりとする液体を感じるから多分出血しているな。やべーな。あーこうなれば一か八か傷口塞ごうかな。お互いになかなか攻めきれないっぽい感じがするし余計な出血を抑えたい


「あなた・・・もしかして私たちの魔法を全部使えるの?」

「いや、違うよ。僕が使えるのは、ミイさんの身体強化魔法とフタバさんの感知魔法、それから電撃を放つこと・・・それくらいかな?ナナさんの魔法はわからないからなんとも言えないけど」

「・・・マスターとは少し異なるのですね」


そりゃあね。だってまだスキルを知ってから半年経っていないもの。てかイヨさんとかを見ていればまだ『電気』スキルの汎用性に希望が見えて来るな。ここを潜り抜けてもっとたくさんの魔法を使えるようになろう。それが、僕ができることだ。


「まあ、君たちにこんなことを言えるほど僕も知っているわけじゃないけどさ、ここの外にはきっとたくさんの使い手がいるよ?」

「そんなことは関係ないわ。私たちはここで実験のために生み出されたもの」

「そんなこと僕が許さない」

「許さない?それでじゃああなたは私たちに何をしてくれるの?イヨ!」

「ミライさんは・・・きっと、私たちを人間にしてくれます」

「!」


まだ正式には何も答えていない。だから早いところ見つけなくちゃ。人間にするだけじゃ足りない。彼女がさいしょに指摘してくれたように彼女たちをこの世界で生きらせるために僕はしなくてはならないことが多すぎる。正直冒険者になって世界を回ってみるといいって言おうかと思ったけどそれはいくらなんでも無責任すぎるかな?


『いいんじゃない?最初とかあなたが教えてあげれば。そしてしばらくして彼女たちが一人で稼ぐことができるようになったらあなたの人生を歩めばいいんだし・・・それに人を教えるのって同時に自分磨きにもなるものよ?』


なるほど。とりあえずの案としてそれを採用しよう。詳しい話はまたこんどってことで誤魔化すか。再び言い争いを始めたムツキさんとイヨさんの間に入る


「その件なんだけど僕が君たちを全て世話できないってのは話したっけ?」

「ミライさんにそんな能力がないことは察してます」

「ぐう」

「はら、こんな人にこれからを任せられるの?」


イヨさんに察せられていたなんて・・・ま、まあ彼女にはかなりみっともない姿をこれでもかと見せつけてきたからね『むしろなにか格好いいところ見せたっけ?』ノーコメントでお願いします


「それでさ、しばらくだけど、君たちの冒険者登録の手伝いをして」

「それはもうしてるわ」

「えぇ?」

「正確には私だけ、だけど」

「そうなの?」

「そうよ・・・なるほどその手伝いをしてくれるわけですね。あなたの展望はわかりました・・・でも、だからちゃんと実力を見せてください」

「結局そうなるのか」


交渉失敗。ま、今ちょっとだけ封殺する手段を思いついたから別にいいけど『あんたってなんかバトルジャンキーになってない?そんなに戦闘バカだっけ?』いや、実験とかってわくわくしない?


「私たちに見せてください『電撃』」

「『放電(thunder)』」


ムツキさんの放った電撃を打ち消すように僕も電撃を放つ


「ミナ!」

「甘い『電気の領域(field)』」

「きゃあああああ」

「人も・・・吹き飛ばせるのね」


タイミングよく攻撃をしてきたミナさんを『領域』を使って吹き飛ばす。いやー話し合いをして上手い具合に時間を稼いでよかったよ。吹き飛ばすための『領域』なんで一回使った後しばらく時間を置かなければならないのかなぁ。ま、便利だしいけど。


さ、またしても距離を取ってくれたのでさっき考えたやり方を実験してみますかね。

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