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電気使いは今日もノリで生きる  作者: 歩海
第5章 バックアップ
182/317

戦闘

昨日は更新できなくてすみません

また今日から頑張っていきます

葉月一周目月曜日


さて、1対3の戦いをするわけだけど、この場合って相手の能力を聞いた方がいいのだろうか。いやこれから戦うっていうのにそれはフェアじゃない気がするな。


『まあ三人と戦うっていうからそれくらいは丁度いいハンデなのかもしれないけどね』


そういうものかね。ま、別にいいか。それよりも分かっていることを整理しよう。さっき話しかけてきたのがムツキで攻撃を仕掛けてきたのがミナさんで残っているのが感知能力を持っているというフタバさんね。これでイヨさんが言う所のメイさんの魔法をかけられても生き残ったっていう七人と全て会うことができたわけだ・・・うん、やっぱり見た目はみんな本当に似ているな。正直僕も『感知(feel)』がなかったら見分けつかないぞ


「『電気の領域(field)』」


さっきは不覚を取ってしまったけれどもうそんなことはしない。一人一つしか魔法を使えない・・・そういえばイヨさん電撃を僕に放ってきたけれどあれはなんだったんだろうーと仮定するとフタバさんはおそらく戦闘が得意じゃない。だから目の前にいるムツキさんと後ろにいるミナさんに気をつけていればいいか。もちろん最低限の警戒だけはしておくけど。


「イヨはどうするの?」

「私は参加しません」

「そう・・・信頼しているのね」

「いえ、正直ムツキたち三人程度余裕で倒してもらわないと困りますので」

「言ってくれるわね」


これはかなり信頼してくれている・・・というよりはこの展開を利用してある意味テストをしようってわけか。僕の能力を確認しておきたいと。それならしょうがない。全力で頑張ろう


『多分だけど本気でやって勝率は五分ね、気をつけなさい』


・・・せっかく格好をつけたのにそれを台無しにしないでくれますかね。っと、他に意識を割くわけにはいかないな。ミナさんはどこにいったのだろう?僕の感知範囲にはいないように思えるんだけど


「え?」


感知範囲にいない?なんでだ?慌ててさっきまで反応があった方に目を向ける。そこにはやはりというべきかミナさんの姿がなかった。離れたところに一旦離脱したのだろうか。さっき音もなく忍び寄ってきていたからおそらく隠密行動が得意なのだろう。逆に言えば捕捉されてしまえば能力が半減する。さて、どこに隠れたのだろうか


「『電撃』」

「うおっと」


ムツキさんがこちらに向けて電撃を放ってくる。幸いにしてそこまで早くないからなんとか避けることができる。多数を相手にするときはまずは相手の数を減らす方が大切だな


「『電撃(thunder)』」

「無駄ですよ」

「電撃がそれていく・・・」


ルドーさんのときと同じだ。電撃を放ったはいいもののその向かう先は予期せぬところになる。自分でコントロールすることができないみたいだ。今までしたことないけれど。あれ?これってコントロールできるのか?そもそも・・・!


「危なっ」

「・・・」


後ろに微かな気配というか空気の揺らぎを感じたから体をひねってみたけどそれで正解だったみたいだ。いつの間にか接近していたミナさんが僕に向かって小刀を振り下ろそうとしてきていた。・・いや、驚くべきところはそこじゃない。直前まで僕は一切感知をすることができていなかったんだけど


「感知に引っかからないのか・・・まさか、『潜伏(ステルス)』能力」

「!こちらとしてはミナの攻撃に気付いた方が驚きなんですけどね」

「やっぱりそういう能力の持ち主か・・・」

「ええ、ミナの能力『隠密』。彼女はあらゆる感知魔法に引っかからない暗殺のスペシャリストよ」

「まじか・・・」


『ようはあなたの世界で言う所のステルス戦闘機みたいなものね』


あの、イフリートさん。説明をお願いできますか?ステルス戦闘機ってあれですよね。確かレーダーに感知されないっていう戦闘機のことですよね。あれ仕組みがどうなっているんですか?


『あなたの感知魔法とほぼ原理は同じよ。そもそも戦闘機とかのレーダーって戦闘機から発信している電波を受信して表示しているに過ぎないのよ。だからステルス戦闘機は必要なとき以外は電気機器の使用を制限する。そうすることでレーダーから逃れることができるのよ」


ま、当然そのためにはかなり高性能な機体にする必要があるんだけどねって言われてもイマイチピンと来ないんだけどようはミナさんは意図的に自分から発している電波を消して感知魔法から逃れたっていうことなのかよ。今すぐクレアを読んできてくれ。多分あいつなら見つけることができるだろう。電波と熱源って違うし。


『まあそうだけどね〜もしかしたら自分が発しているあらゆるものを消しているとも考えられるしね』


それなら詰みなんだけどね。・・ん?それならどうして僕は彼女を僅かだけど感知することができたんだ?接近するまで気がつかなかったってことは逆に言えば接近されれば気がついているってことだし


『理由はいくつかありそうだけど、要は「領域」内の感知能力は従来のものとは別物ってことかしらね』


すみません。謎が深まりました『いいから集中!さっさと目の前の相手を倒しなさい』わかりましたよ。


「ミナ、もう一度距離を取って。こいつ、あなたに気がついてたみたい」

「わかった」

「フタバ、相手が魔法を使いそうになったらまた教えて」

「うん!」


さて、一旦距離を取った・・と見せかけて最接近ということもあり得るので『領域』はしばらく維持しておこう。それよりも電撃が逸らされる方が問題だ。地下の鎖と同じように電気を吸収されてしまうことが今の所ないからまだ戦えるかな。


「『電気鎧(armor)第二形態(Second)』・・・うっ、『電気鎧(armor)第三形態(third)』」

『なにしてんの?』


気分が悪くなっていたこと忘れてた・・・砂鉄を振り回せればなんとかって思ったけどそもそもここ建物内だから回収するのかなり大変じゃないか


「ムツキ姉ちゃん!この人身体中全てに電気が張り巡っているよ!体の外側だけでなく、内側も」

「「!」」


フタバって子の感知能力を甘く見ていた・・・ていうかこの手の能力者って最初に倒さなければいけないやつじゃないか。地面を蹴り、フタバさんの方に接近する。ミナさんは・・・多分いない。電撃を放ったとしても防がれるだろうから直接殴る・・・絵面がおそらく大変なことになると思うんだけど少しの我慢だ


「きゃあああああああ」

「・・・」

「・・・なぜ距離を取ったのですか?」

「いやその・・・」


なんていうか、ですね。さすがにここまで悲鳴を上げられてしまうとですね。罪悪感が勝りすぎてしまい殴ることができないといいますかね。


「目の前にいるのは人間ではなくクローンよ何を躊躇する必要があるの?」

「は?目の前にいるのは人間だろ・・・それもこんなに幼い」


クローンの弊害というべきか。精神年齢が育っていないパターンだな。『年相応でしょ、こんな男に襲い掛かられてみなさい、誰だって悲鳴をあげるわよ』そんなことは・・・ありそうで辛い。これがクレアなら・・・いや最悪シオンさんでもいい。彼らならまだなんとかなるんだろうな。僕と同じなのはグレン先輩だけですよ


『相変わらず先輩に容赦ないわね・・・』


尊敬の裏返しですよーってうん?フタバさんの様子が?


「人間?私が・・・人間?」

「フタバ、しっかりして・・・そうね、迷いなく言いきるあたりイヨが懐柔されたのも納得できるわ。でも悪いけど私とミナは言葉だけじゃ惑わされない。ちゃんと実力を示してもらうわ」


なんでか知らないけどフタバさんを倒すことに成功したらしい。いや倒すっていうか説得に成功って感じだな。というわけであと二人、実力を見せてって言われているし僕の実力・・・全力で戦おう!


『フタバがいない分勝率が上がったわ五割五分くらい』


・・・変わらねぇ。100%以外信用できないからどのみち油断する気はないけれどさ

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